続くのか、続かないのか
起きてすぐに肩や背中の痛みを感じる状態が、ここのところ続いていた。
目覚めの体がこんなに重くなったのはいつからだろう。
寝れば回復する、あれは若さだったんだな、とつくづく実感する。
ある朝、突然にその痛みが強くなっていて、さすがになんとかしなくてはいけない事態だなと思った。
原因はわかっている。
運動不足だ。
完全在宅ワークの事務職なのに、ストレッチや筋トレどころか、伸びさえもしない日々が続いていたのだから当たり前だ。
私のやることにあまり口出しをしない夫でさえも、
「もう少し運動をした方がいいんじゃない?」
と言ってくるくらい。
私だってわかってはいる。わかってはいるんだが、何せ運動音痴の運動嫌いなので腰が重い。
私には、運動で楽しかった思い出があまりない。
学生の頃、体育の時間は苦痛でしかなかったし、休み時間も気が重かった。
子どもの頃の遊びって、ほとんど運動を伴うものだったから。
これでも健康のために運動習慣を取り入れようと何度かトライしてきた。
その結果、
・走る気は起きない(笑)
・踊ってもダメ(踊りって思いのほか、高い運動能力を要する)
・ヨガもダメ(体がかたすぎて、何のポーズも取れない)
・どうしてもやれというなら、水泳(子どもの頃習っていたので、唯一人並みにできる運動)
というのが今の結論である。
かつて、一度だけジム通いにチャレンジしたことがある。
当時の勤め先の近くに新しいジムが出来て、入会金0円キャンペーンで、朝専用の会員になったのである。
月額3000円台で、7時から10時まで使いたい放題。
なかなかお得感があるじゃないですか!
その勤め先は、10時からの始業だったので、すっぴんで家を出て、ジムのプールで泳ぎ、お風呂に入り、ジムでメイクして職場に出勤。
始業前に運動する習慣があるなんて、今でいう意識高い系である。
はじめは、週に4日も5日も通っていたのだが、いつの間にか週に1日ペースになり、2週に1日ペースになり、月1ペースになり、しまいには、月に1回だけお風呂に入りに行く人になってしまった。
私はわかりやすく、「ジム通い挫折あるある」な道を歩んだのであった。
最終的には、月に1回早起きして3千円台のお風呂に入りに行く人から、
毎月3千円台を払って何もしない人、になってしまい退会した。
そのようなことがあったものだから、近頃も駅前で、チョコザップという魅力的なサービスの紹介を受けても
「ふん、3千円台の罠にはまるような私ではないのよ」とばかりに、
チラシを配る爽やかなお兄さんやお姉さんを、かわし続けたのであった。
そんな私であるから、ジムに入会して強制的に運動する環境を作り出す、
というのは、あまり効果が期待できないうえに、結局お金をドブに捨てることになりかねない。
そこで、思いついたのが区民プール、なのであります!!
大人は400円で2時間、清潔な温水プールが使えるのだからありがたい。
なにせ、凝りに凝って固まった肩と背中を、とにかく動かしてほぐさないことには、安眠すらも約束されない状況なのだ。
かつて挫折したジム通いのときに購入した水着をひっぱりだして、早速、区民プールへ向かったのであった。
金曜の夕方、区民プールには、利用者5名に監視員が3名。
なかなか贅沢な環境である。
まずは25メートルを平泳ぎで、次に25メートルをクロールで。
早くも息があがってしまったものの、いくら運動嫌いの私であっても、たまに体を動かすと、それなりにすがすがしいものがあった。
そんな風に、ゆっくりなペースで、平泳ぎとクロールのパターンを基本に、
時に片道を歩いてクロールの回をサボりながら、4往復か5往復したときに、肩周り全体の異変に気付いた。
ビリビリとした奇妙なしびれが。
マズイぞ、これは、マズイやつだ。
筋肉が限界を超えて、ビリビリいっている。
たった15分、200メートルそこそこをゆるりとしたペースで泳いだくらいで、私の筋肉は悲鳴をあげていた。
確かに、私の体には見るからに筋肉がない。
中年と呼べる年齢になってからも、母親に
「アンタ、そんなもやしっ子でどーするの?なさけないねえ」なんて言われるような頼りない体なのだ。
そのセリフを私が入院している病室で言う、というデリカシーのなさがいかにも母らしい。
そんな体力のない私でも、昔はもうちょっとたくさん泳げたはずなのだ。
プールからあがり、肩が上がらずに、ひいひい言いながら、なんとか着替えた。髪にドライヤーをかけるのもままならず、肩にバスタオルをかけて濡れたままの髪で帰ってきたのだった。
その夜は、肩も背中も二の腕も脇も痛くて、何をするにも、ひいひい言っている私を見て夫も飽きれていた。
筋肉が限界を超えると40代でも当日に筋肉痛になるのね、なんて他人事のようにも思いつつ。水泳って、案外、肩と背中に効くな、などとも思いつつ。
これを書いている日曜の夜は、だいぶ痛みがおさまってきましたよ!
ほんのり残る筋肉痛、といったところ。
私の区民プール通い、続くのか続かないのか、それが問題だ。
…というより、2度目はあるのかないのか、の問題かもしれない。
さて、どうなるでしょうか。