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Cheap Cheap Entry⑤ファイナルにしてほしいソード

遡ること三週間ちょい。

どうしても人というのは
怠惰ながらかつ新たなる刺激を求めるもので、
自分に他に救える世界はないだろうかとネットの海を泳いだ結果、
860円でとあるゲームを手に入れた。

その名も「ファイナルソード」。

どうやら最近のネット界隈ではニッチな人気?を博しており
最近このゲームをプレイする実況者、YouTuberが後を経たない。
図らずもその波に自分も乗った形だ。

というのも、自分はニコニコ動画のゲーム実況がかなり好きなのだが、
時代の変遷により大半の有名どころ実況者がYouTube進出をしているこの現況、
割と自分もそちらの視聴に移行しているが、
久しぶりにニコニコ動画のランキングを見るとめちゃ伸びている動画があり、それがこのファイナルソードの実況動画だった。
それがめっちゃ面白かった。

ゲームが面白そうというより、
明らかに破綻ギリギリのゲーム内容に,、さめガーイという実況者が突っ込みを入れながらプレイしていくスタイルであり、それに腹を抱えて笑った。
主の発言「陣内がエンタでやるゲーム」は言いえて妙。

自分は「ナポリの男たち」という実況グループのファンでありチャンネル会員だったりするのだが、
そのメンバーのhacchiが初期に上げていそうな動画だったのもツボだった。

当初は視聴しながら「クソゲーwww」と思っていたのだが、
あまりにもの内容に「自分もちょっとプレイしてみたい…」という禁断症状が出てきたのだ。
割と一週間くらい葛藤した後、上記にもあるようスマホ版を購入してしまった。

ちなみにこのゲーム、Switchでも販売されていたのだが
BGMの権利関係で4日後に販売停止になったらしい。
韓国産のゲームを日本版にローカライズしたらしいのだが、販売停止の理由がゼルダの伝説の曲のモロパクリという事実に笑った。
そして実際に動画で見て擁護できない具合のパクリさで更に笑った。
パクリというか、まんま。所々何音かずれてるくらいでそらそうなるわ、ってなった。
ちなみに自分が買ったスマホ版は当該箇所について別のBGMに差し替えられてた。

さて、このゲームがどんなゲームかというと
ゼルダの伝説メインにダークソウル要素を若干合わせたようなアクションRPGである。
ベースが時オカ、UIがブレワイ、敵モンスター・死にゲー要素がダクソという感じか。

ストーリーはあってないようなもので、
田舎の村の主人公が母の病を治すために旅に出たのち、なりゆきで世界に災厄をもたらすドラゴン討伐を目指し勇者となる、といった感じ。

これだけ聞くとまあええやん、って感じでもあるが
以下、このゲームの突っ込みどころを列記していく。

そもそもどう考えてもパクリ。上記のゲームリスペクトなんだろうなってのは分かるのだがもう、まんまやねん。そして下記にも書くけど原作を100倍劣化させた出来やねん。むしろもう陣内に失礼。

キャラクターの会話が所々成立してない。おそらく原語を精査せずそのままエキサイト翻訳で乗っけただろってレベル。プラス誤植もある。
まぁこれは逆に笑えるやつ。

文字フォントがクソダサい。クソデカBGMとともに現れる「LEVEL Up」。なんでpだけ小文字なんだよ。

…とここまでは仏のような目で見れば笑える要素。
問題はここから。

戦闘バランスが明らかにおかしい。強いとか、そういうのじゃなく理不尽。おそらくこのゲームをプレイした者の大半がイラっとするポイントだと思う。
現在発売されているのがスマホ版ということもあり、それがプレイ難度に拍車をかけている。

1,敵が余りにも固い。
とりあえず敵の体力増やせば玄人ゲームになるだろ、という問題じゃねぇんだよっていう。
2,その割に当たり判定がガバガバ。
どう考えても今攻撃当たっただろっていうタイミングで効いてなかったり、稀にその逆も。一応HPゲージは敵味方ともにあるのだけど。
3,明らかに現レベルと敵の攻撃力が釣り合ってない。
序盤はマジでスライム一匹倒すのにも一苦労。そして敵キャラの攻撃2,3発受けたらすぐ死ぬレベルの主人公。ダクソ系リスペクトなのかもしれないけど敵が強いってそういうことじゃねぇんっていう。以下。
4,ザコ敵が無限沸きしてリンチ状態。
苦労の思いでやっと目の前の敵倒したと思ったら次々と沸いてきて気付いたらリンチ状態。そのうえ上記の当たり判定諸々。
5,無限沸きリンチの内容が更に理不尽。
無限沸きしてくる上に、リンチしてくるザコ敵の中にだいたい凍結やスロウ等の状態異常かけてくるやつがいる。
しかもこちらに状態異常復帰後の無敵時間など存在せず、一歩立ち周りをしくると多数の敵から物理と状態異常のループでハメられ詰む。
6,ボス戦でもリンチ。
ザコ敵のみ、フィールドやダンジョンの道中だけならまだわかる。
しかしこのゲーム、ボス戦でも当たり前のようにザコが無限沸きしてきてボスと対峙しているプレイヤーにハメ攻撃を仕掛けてくる。
勿論ボス自体の体力・火力も高く当たり判定は不明、当然のように状態異常もしかけてくる。強いとか難しいってそういうことじゃねぇんだよ。
言い忘れていたがちなみにプレイヤーサイドは一人だ。
RPGでよくあるパーティ3,4人VSボス1体ってこういう状況なのかもしれない。そう考えると従来のゲームの戦闘スタイルに対する在り方、その座組に一石を投じた深い意図が込められているのかもしれない。そんなわけあるか。
7,街に魔法回復アイテムが売ってない。
そんなボスの何匹かは必然的に魔法を使わないと勝てない場合が多い。
しかし、回復手段の一つ、魔法回復アイテムは敵からドロップするのみが入手手段。街には売ってない。HP回復はあれど魔法はない。
しかも購入できる所持上限数は10、ただ敵からドロップすれば上限が20までは増やせるという謎仕様。最初から20個買わせろよ。
8,レベル上げがダルい
そうなってくるとレベルを上げてとりあえず物理で殴るスタイルに至るのだが、終盤に差し掛かった辺りの推奨レベル(40くらいから)やたら次のレベルまで行く経験値が多い
そして昔のゲームにありがちな自身のレベルの上昇に伴い、敵からドロップする経験値が下がるシステム。このアンバランスさ、比べるのは失礼だが初期のドラクエみを感じる。

列記するとこんな感じである。
何だかんだ序盤~中盤は突っ込み所が多く笑える点があったのだが
終盤は上記の要素が強くストレスがそれを上回る。
ヘルウォーム、ジニーキング、ワイバーンは三大しんどかったボス。
ダンジョンで言うと雪山と火山は擁護できない。

ラスボスのブラックドラゴンもかなり強かったのだが、
潔くタイマン勝負ができ、
敵の火力は強いのだがフレーム回避からのメテオなど、
パターンとプレイスキルを身に着ければトライ&エラーで倒せる
ダクソライクなボスだった気がする。

批判ばかりではあれなので
このゲームの良い点も挙げよう。

1,たぶん悪気はない
何だかんだでクリアに至るまで遊べはする。
ゲームとしてどうかは置いといて、進行不能になるぐらいのバグは(多分なく)、課金等に頼るシステムでもなくファンタジーワールドを最後まで提供はしてくれる。
ちゃんと「ゲームを作りたかった」のだと推察される。

2.心温まる気持ちになれる(こともある)
実況動画などに見られるように、このゲームは突っ込みどころが満載なので、それらを動画で鑑賞したり、あるいは自分のように実際にプレイしたりして笑顔を届けてくれる。(特に序盤)

3,達成感を味わえる
正直このゲーム、めちゃくちゃ難易度高い。そもそもスマホにガチアクションは向いてないと改めて感じた。
自分も決して上手いゲーマーだとは思わないが、ダクソシリーズをクリアするぐらいなら可能である。
このゲームをクリアするに当たり、レベル上げ、素材集めをガチガチに固めた上でも相当ボス戦には苦労した。プレイ時間は計っていないが20時間位いってるかもしれない。
正直ワイバーン戦などは倒した所で達成感よりも徒労の方が感情として大きかったが、800円強でこのボリュームのRPGを遊べるならコスパは悪くないのかなと思ってしまった。


以上、色々書いてはいるが
「何だかんだで愛すべきクソゲー」というのが結論である。
買ったこと、プレイしたことに後悔はしていない。

自分の現況、ある程度時間に余裕があったこともあり
途中いくばくもある挫折ポイントを乗り越えクリアに至った。
わざわざ乗り越える必要があるかというと疑問だが。
もし自分が数か月前のように真っ当な社会人であったら普通に積んでるだろう。

ただ、世間ではクソゲークソゲー言われているが
そこまでdisられている程酷くはないと思う。
一応ゲームの体裁は整っている(という解釈もできなくもない)と思う。

例えるならインディーズバンドの一作目というか、
素材はそこまで悪くない。伸びしろは感じるし、もし二作目があるのならプレイするか検討する事を検討する。


現在進行形でこのゲームをやろうか悩んでいる人もいるかも知れない。
その方々にこの記事が何かしらの参考になったら幸いである。

一つ、自分の感想を最後に述べたい。
「このゲーム、もう一度最初からやり直したいと思いますか?」という
質問を投げかけられたとして自分がどう答えるか。


僕はもういいです。

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