「夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神」夢の叶え方と手放し方
「夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神」
大ベストセラーのシリーズ4
よくある話かと思って読み進めると、とんでもなく衝撃的に深い内容だった。
今回のシリーズ4は作者自身も
「本書のテーマは『「死を直視することが生を輝かせる』である」
「人は、死を『夢の締め切り』ととらえることで、潜在的な能力と努力を最大限発揮することができるからです。」
と書いている。
まさに「終活」がテーマである。
終活は高齢者だけのテーマではない。
「生まれることと死ぬこと」はセットだから、全人類に共通のテーマである。
(実際、この本に出てくる主人公は高齢者ではない。)
そして、終活という軸を通して語られるのは「夢の叶え方と夢の手放し方」である。
以下、ネタバレを含みます。
この本は
1.自分の死
2.配偶者の死
3.「夢のかなえ方」と「夢の手放し方」
の3本柱で書かれている。
【自分の死】
主人公の男性は妻と子供がいる。
ある日突然、余命宣告を受け、ショックを受けつつも家族にお金を残したいと考える。
ガネーシャの力を借りて死ぬまでにやる100のリストをつくり、それを実行していく。
・・・ここまではよくある話で、小説や映画でもよく見るような内容。
人が死ぬときに最も後悔することなどが書かれている。
【配偶者の死】
次に配偶者の死。
人生で最大のストレスは配偶者の死といわれている。
そこにどのように向き合っていくのかが描かれる。
【夢の叶え方と夢手放し方】
そして、私が一番感銘を受けたのはこの本のこの部分。
しかし、この本ではこの部分に入る前に「このまま読むのをやめてもよい」と忠告が差し挟まれる。
特に「今、どうしても叶えたい夢に向かって進んでいる人は読まなくてもいいよ」と書かれている。
その忠告の後につづく内容がこちら。
ガネーシャは言う。
ホントにそう!!
夢を持たなくてはいけない。
夢を叶えなくてはいけない。
これで苦しんでいる人、たくさんいますよね。
私もそういうところあります。
今まで叶ってきたこともたくさんあるのに、まだ手に入れていないものに
フォーカスして、それに向けて努力しなくてはいけないと思っている。
落ち着いて考えてみたら、もうすでに充分すぎるものを持ってるよね。
夢を持って、それを叶えようとするとき、確かにパワーが出るし夢を追いかけている時は本当に楽しい。
だけどその夢が「今のままではだめだ」という「今」を否定することにつながるなら、夢の手放し方を学んでみるのもいい。
きっと作者の水野さんは「夢を叶える」本を今まで書いてきて、夢に縛られて苦しんでいる人をたくさん見てきたんだろうなあ。
だから、この作品を書いたのだと思う。
この本は魂のこと、輪廻転生のこと、死んだらどうなるのか、などの真理がガネーシャの大阪弁を通して語られます。
どの文章も深い洞察に満ちていて、このままだと全文写したくなるので、
気になる方はぜひ本を読んでくださいね。
主人公と奥さん、幼い娘を通して描かれるストーリーの中で展開されるガネーシャのお話は味わい深いものです。
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