自分で決めて、感じて、進む
最近出会った、大学1年生のMちゃんから、「相談したいことがあるんです」というLINEが来た。「おおお、なんだ?」と心配になり、返事をすると、「今日の夜がいいです」とのことなので、電話をして話すことに。聞くと、部活をやめるかどうかで悩んでいるのだという。部活をやめたら、やりたいことはいろいろとあるけれど、これまで中学高校でも部活には一生懸命取り組んできたので、「何かをやめる」という経験をあまりしてこなかったから、これでいいのか…という思いがあるらしい。部活内で、趣味や価値観の合う友だちにも出会っているから、その子と離れてしまうのもな…という心配もあるみたいだった。でも、部活はしんどくて、部活を続けるのかやめるのかと考えている時間もしんどいから、早めに決着をつけたいのだとも言っていた。
うーーん、なるほどね。自分としては、それだけやりたいこともあって、今の状況がしんどいなら、やめてしまえば?とも思うし、縁のある人は部活を続けようがやめようが、関係は続いていくと思うよ、とも思う。何かをやめることで、広がっていく世界や人間関係もあると思う。そう思うし、それは伝えたのだけれど、結局は、本人がいろいろな選択をして、自分で経験して、感じていくことなんだよなぁ…と思う。難しいね。多分、まだ高校を卒業したときの価値観で止まっているんだよな。いや、「これまでは、『これを頑張ればいい』というのが目の前にあったし、将来なりたいものもはっきりしていたんです。でも、大学の講義を受けてみて、なんか自分には向いていないかもと思って、人生で初めて、『何をしたらいいか分からない』状態なんです」と言っていたから、もやもやの入り口には立っているんだろうな。いいぞ、いいぞ。でも、やっぱり、Mちゃんが自分で悩んで、決めて、行動して、感じて、学んでいくことなんだよなぁ…。多分、大学5年目の私が言っても、実感として分からない部分っていろいろあると思うんだよね。何年か経って、ようやく、「ああ、こういうことだったのかも」と思うかもしれないし、あるいは「いや、私はこう思うな」と思うのかもしれないし。
そもそも、考え方や感じ方は人によっても違うし、自分の価値観がまだまだ狭いのも感じている。だから、最近は、あんまり、人に「こうしたほうが良いんじゃない?」というアドバイスみたいなものをしたくないのも正直なところなんだよな…。
話の途中で、「自分の思ってることを、紙に書いてみると良いよ~」と伝えると、Mちゃんは「やってみます!」と言っていた。なんか、そういう、「迷ったとき、悩んだときは自分はこうやって整理しているよ」というような、考える方法みたいなほうを伝えるほうが良いのかもしれないな。
ちょっと余談にはなるけれど、以前、植物をとってきて、その種類を調べて、覚える、みたいな講義をとったときに、先輩が図鑑の使い方を教えてくれて、「ああ、自分は図鑑の使い方も分かってなかったんだな」と衝撃を受けたことがある。つまり、”勉強の仕方”を分かってなかったのだ。(少なくとも、植物の同定の仕方に関しては。)そういう、”勉強の仕方”のように、知識そのものじゃなくて、ノウハウを教えてくれる人って貴重だし、やり方が分かれば、自分で世界を広げていくことができる。
さてさて、「今、プリンターから紙を取り出して、ペンも持っているので、やる気になってます!」と言っていたMちゃん。自分の考えを紙に書いたり、整理したり、少しはできたかな? Mちゃんが少しでも、自分の納得できる道に進んでいけることを祈ってます。頑張れ~。