見出し画像

持続可能な趣味にたどり着いた話

趣味が、終わってしまう。

そういう経験を何度もした。
漫画だったときもあるし、特撮作品だったときもある。
とにかく作品が終わると、趣味が終わってしまう。

作品が終わっても、読み返したり見返したりはできる。
実際、ずっと前に終わった作品で、今でも二次創作をしている人も見る。
そう、「趣味の終わり」を作っているのは他でもない私自身だ。

新規のコンテンツが供給されなくなると、情熱を保てない。
そんな私の根性のなさが趣味を終わらせているのだろう。

いつしか私は「終わるコンテンツ」に対し、終わる前提のハマり方しかしなくなった。
終わったら飽きてしまう。飽きてしまって埃かぶったグッズなんか悲しいだけなのでなるべく買わない。
だから、配信とかイベントとかクラファンとか、形が残らないものに金を注いだ。常にグッズを爆買いできるようなハマり方をできていないことに罪悪感があり、どうにか金は注ごうと必死だった。クラファンの返礼品が高額だと「モノ」になってしまうので、仕方なく音声データしか返ってこない低額を10口購入したこともある。

子どもがハマってたらそれでもどうにか「オタク」ができたけど、子どもがハマらなくなると罪悪感ばかりがより大きくなって、「オタク」そのものから抜けてしまいそうになっていた。
時を同じくして仕事が楽しくなったので、そのまま空いた時間は仕事に宛てたけど、少し世界がくすんで見える。
これが大人になるってことなのかな。もう私は何にもハマれないのかな。
それってすごく寂しいな。

そんなことを思ってた私の前にいきなり、
終わることがない持続可能な趣味があらわれた。

「釣り」である。

コンテンツですらない、ド直球のアウトドア趣味にハマるなんて誰が想像できただろう。
でも「釣り」という趣味は私みたいな根性のないオタクのためにあるといってもいいくらい、何もかもが手厚かった。もうなんかハマらない方が無理というレベルだ。

まず、この「釣り」というイベントは基本的にお天気さえよければ毎日近所で開催されている。
釣れる魚の種類も多彩で、何が釣れるかは完全ランダム。
ランダムを楽しむこともできるし、課金して特定の魚を狙うこともできる。
手に入った魚は食べられる。手元には写真のデータしか残らない。
道具以外にノウハウももちろんいるので、読み物や動画も事欠かない。
家でいろいろ調べたり仕掛けを準備したりするのも楽しい。
課金したらより魚は釣れやすくなるが、課金額が少なくても釣れないわけじゃないのもいい。0からでも3000円くらい払えば問題なく楽しめる。
そして、課金しようと思えば青天井だ。しかも一気にどかってお金をかけるんじゃなく500円くらい上乗せしたくらいでもステージが変わるのが嬉しい。竿、リール、細かい釣り具にエサ、周辺装備などなど凝りだしたらキリがない。
釣り具は推しのグッズと同じく溜まっていくが、実用品なので「飽きたら捨てる」じゃなくて「使えなくなったら捨てる」だ。罪悪感がない。
がんがん使って、がんがん捨てて、がんがん買う。
どんどんできる釣りの種類が増えて、季節で釣れる魚も変わって、調理のレベルも上がって食べられるものも増える。

一生遊べるじゃん、これ。
今までいろんな沼に飛び込んできたけど、ここまで底が見えない沼は初めてだ。

ここまで供給過多だと、むしろ、私の「釣りに割くリソース」の方を持続可能にすることが大切になるのかもしれない。今は暇だからいいけど、ちゃんと日中仕事することを考えたら平日早朝は難しい。
子どもが学校にいる間じゃないと寂しがらせてしまうから、空いた日中にふらっと軽装で短時間いけるようにしておきたい。
コマセサビキは同じ魚が釣れすぎて、家族が食べるのを飽きてしまうかもしれないし、ばんばん釣れる釣りはどちらかというと子どもたちに譲りたい。
かといって釣り具屋さんはちょっと遠いからいつも生餌は使えない。
ダイソーで買えるような、欲を言えばスーパーで飼えるようなエサがいい。

そうすれば本当にずーーーーーーーっと遊べる気がする。

というわけで今日は日中に、常温保存の釣り餌(アサリ)で、カサゴを釣ってきたわけです。

これで私の、持続可能な釣りパターン(秋)が完成。季節が変わったら、また考えます。

あとは娘たちやその子たちが大人になってから
「そういえばお母さん釣りにハマってたな」
って思い出してやりたくなったときも、釣り場が豊かなままであってほしいと思う。そしてちゃんとやりたくなるくらい、釣りに悪いイメージがつかないようにしないといけない。そのためには子どもたちに楽しい思い出を作って、私の釣りが家族の生活に迷惑をかけないことが何より大切。

多分私が元気に釣りできるくらいの期間は、何もしなくったって持続可能だと思う「釣り」だけど、自分が釣る場所のゴミ拾いと、小さい魚のリリースも続ける。

めちゃくちゃちっちゃなことだけど、
我が子に孫にという、かなりエゴな動機な気もするけれど、
やらないよりはやったがいいよね、SDGs。

やっぱり持続可能というからには私で止めるわけにはいかないよ。
これからもたくさんの人がこの持続可能な趣味にハマれますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?