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読後は見えてる世界がちょっと変わる『ライオンのおやつ』小川糸 | 読了 #2

こんにちは。うさぎです。

小川糸さんの『ライオンのおやつ』を読み終わりました。

『ライオンのおやつ』 小川糸

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――

若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。

ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。

――食べて、生きて、この世から旅立つ。

すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

2020年本屋大賞第2位。

生と死がテーマな一冊です。

身近な方を病気で亡くされた方にとっては、読んでて辛い内容かもしれません。

家族や健康や生活インフラ、若さ、平和な暮らし。
当たり前にあると信じてたもの。
失って初めて、貴重さに気がつくことってありますよね。

「経験しないと分からない」
本当にその通りだと思う。

でも、本を読むことで、その世界が擬似体験できる。
想像力が養われる。

それが読書の醍醐味じゃないかな。

私はこの本を読んで「いま目の前にある幸せ」をリアルに失う前に、輪郭を捉えることができました。

おいしくご飯が食べられること、自由に動けること、あたたかい布団でぐっすり眠ること、これってめちゃくちゃ幸せなことなんだよね。

読後は、見えてる世界がちょっと変わる、悲しいけど悲しいだけではない、死後の世界にも少し希望が持てそうな、感情がすごく揺さぶられる一冊でした。

号泣しても大丈夫な時間に読むことをおすすめします。