ウサギが白くて赤い目なのはどうして?
みなさんは「ウサギ」と聞いたらどんなウサギを想像しますか?
おそらく、白い体毛に赤い目をしたウサギを想像するのではないでしょうか。
みなさんが連想したこのウサギは「ジャパニーズホワイト」という種類、
もしくは「アルビノ」と呼ばれる個体です。
突然変異で色素に異常が起きて生まれるアルビノは、本来であれば非常に珍しいもの。
にも関わらず、「ウサギといえば白くて赤い目をしていて……」というイメージが根付いているのは何故なのでしょうか?
今回はウサギとアルビノの関係について調べてみました!
◆ジャパニーズホワイトについて
現在日本でもっとも多く飼われているうさぎであるジャパニーズホワイト(白色種)。
学校で飼われていたという人も多いかもしれませんね!
このウサギが広く普及したため、日本人の中のウサギのイメージが「ウサギ=白くて赤い目」というものに固定されたのではないかと言われています。
それでは、ジャパニーズホワイトはどうして白い体毛と赤い目という希少なアルビノと同じ特徴を持っているのでしょうか?
実は、そこにはちょっと哀しい理由があったんです。
◆アルビノが必要とされた理由
ペットとして大人気のウサギですが、実は薬などの実験をする際に実験台として使われる動物でもあります。
この「実験動物」として見た時、できるだけ目の色が薄いほうが状態の変化がわかりやすいため、生まれつき色素の薄いアルビノが求められました。
そして、アルビノとアルビノを掛け合わせることで生まれた「アルビノしか生まれない種類」がこのジャパニーズホワイトだったんですね。
また、ジャパニーズホワイトが大きめのサイズに成長するのは、その真っ白な皮をより多く取るために品種改良されたからという説もあるようです。
真っ白な毛に赤い目を持つジャパニーズホワイトは天使のような可愛さですが、生まれた経緯はちょっぴり可哀想かも……。
なお、アルビノは基本的に体が弱い傾向にあるため、現在ではアルビノ同士で繁殖させることは禁止されています。
ジャパニーズホワイトは種類として確立したため問題ありませんが、もしもアルビノの子うさぎが欲しいと思っても、決してアルビノ同士で繁殖させないようにしましょう!
◆野生の中ではなかなか生きられないアルビノ
ジャパニーズホワイトなどのアルビノ種は、人間から見れば神秘的でとってもかわいい存在ですが、この毛色と真っ赤な目では草原や森の中に溶け込めません。
そのため野ウサギのアルビノ種が確認されることは非常に少なく、アルビノのウサギは人の手で守られている飼いうさぎならではのカラーといえるでしょう。
雪で楕円を作ってその上に葉っぱと赤い実を乗せる「雪うさぎ」という、日本人の「ウサギは白くて赤い目」という認識の起源かもしれないものが古くからありますが、
これは数少ないアルビノの野ウサギを確認した人が、その色合いに感動して雪で表現したのが始まりなのかもしれません。
ジャパニーズホワイトも、名前の通り日本で生まれた種類。日本人は昔から「白くて赤い目」のウサギに心惹かれていたんですね!
◆やっぱりうさぎといえば白い毛と赤い目!
国内でデザインされた「ウサギ」のキャラクターも、白い毛に赤い目の意匠を持っていることが多いですよね。
でも海外では「ウサギ」といえば茶色や灰色の体毛を持つ野ウサギを指すのが一般的で、この「ウサギ=白くて赤い目」というイメージは日本特有のものなんです。
海外のお友達とウサギの話をする時には気をつけないといけないかもしれませんね。
日本人の本能に訴えかけてくる可愛さを持つアルビノウサギたち。
みなさんもウサギを目にすることがあったら是非、雪のような白い毛と赤い瞳が特徴的なアルビノウサギを探してみてくださいね。
講師:岸本
幼少期に訪れた動物園で白い毛のロップイヤーラビットを見て「天使みたいな生き物がいる!」と電撃が走って以来うさぎに夢中。
今では自他共に認めるうさぎ好きで、「うさぎの魅力を語っていたら聞いていた相手もうさぎ好きに」「プレゼントをもらう機会があると何も言わずとも皆うさぎグッズを買ってくる」「友人がうさぎ柄のグッズを見て「あっ、岸本さんだ」と言い出す」などのエピソードを持つ。趣味はうさぎのぬいぐるみ集め。