偽りから 僕

「好きだよ。」言葉だけがスラスラと出てくる。そこに心はない。意味が分からず使ってる言葉なんて沢山ある。僕にとって「好き」もそれなだけだ。

好きと言われたから付き合った彼女、告白で告げられた僕の好きな所は全く身に覚えがなかった。けど、好奇心のままにその告白を受けてみた。彼女が好きな僕は優しく、気を遣える僕。そこを大切に付き合い始めて早1月。正直疲れた…心にもない言葉を吐き続けるにも、優しい僕を演じるのにも。だからといって素を見せたいと思えるほど彼女を信用できていない、ほぼ他人の彼女に全てを晒すなんて恐ろしいことはできない。だって僕は彼女を信用していない。

ここまで考えていっそ彼女が気の毒に思えてきた、彼女はきっと僕を大切に思ってくれてるだろう。でも、僕はその気持ちを叩き壊している。うーん、この気持ちを伝えて彼女と別れるべきなんだろうか…、あの好奇心は人を好きになる経験がない僕が経験者を近くで見たいという好奇心だった。      

僕は恋をしたことがない。それを不幸だと思ったことはないが友人の恋人自慢は正直鬱陶しいし、付き合いが悪くなるし、そこまで友人を変える恋とはなんだろうなとは好奇心はあった。そこに来たのが彼女だ。  

彼女は恋を知っている、彼女は僕に時間をかけてくれる、彼女は僕の声に夢中になってくれる。それを目の当たりにすると確かにこれは嬉しいかもと感じた、純度100%の好意はとても心地がいい。僕はまず彼女をちゃんと知るべきなのかもしれない、自分を曝け出すことができないならせめて彼女の好意に少しでも報いるべきだろう。明日からでも少しずつ彼女と向き合ってみよう。大丈夫、彼女は僕を好きなのだから。

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