実は順序が逆だったという話、ソシオニクスから見る幸せの形①、IEE(ENFp)
はじめに
人の幸せ、幸福というのは私(IEE、ENFp)にとって大きな関心事であった。
私自身は基本的にストレスフリーの生活を送っていて、日々多幸感に包まれて生きているが、私にはその幸福感を他人にばら撒きたいという欲求があった。
今回、心理学の理論の一つであるソシオニクスを調べていて、その考えに多少の変化が起こったので、それについて記述してみるものである。
なお、ソシオニクスにおけるIEE(心理学者、相談役)とはMBTIにおけるENFP(運動家)と本質的に同じモノを指向しているが、それらの定義の上では厳密には一致しないので、その点について注意が必要である。
また、ソシオニクスの各情報要素の定義は専門家によって異なることがあるが、この記事では私の独断で性格説明に問題が生じないように適時混ぜて使用している。
⒈Ne(外向的直観)が主機能であるということ
MBTIにおいては抽象的思考、拡散思考、本質理解、パターン認識、好奇心、可能性、それらの言葉で語られるが、それらに加えてソシオニクスにおいてはNe(外向的直観)は外部世界の完全性、その認識を指す。
Ne(外向的直観)を先導機能(第1機能)に持つ人間にとって、外部世界の認識は本人の自信や自己肯定感の源であり、精神的安定感と幸福感の原因となる。
基本的に、IEE(ENFp)は外部世界の理解が進めば進むほど、その精神性はポジティブな方向へと移行する。
そして、彼らは、その世界認識の調和が取れるほど、確固とした身体感覚を覚えるようになる。
究極的には世界を完璧なものとして認識して、その時、IEE(ENFp)は自分がその完璧な世界の一部であるという一体感と自身も完璧であるという万能感を自覚する。
⒉IEE(ENFp)における思考機能のあり方
IEE(ENFp)は洞察力に優れるが、思考力は低い。
その思考力の低さはIEE(ENFp)の世界認識において大いに問題となる。
だが、IEE(ENFp)は物事の本質を弁えていて、基本的に要領が良い。
彼らは世界の事象の背景にある複雑なロジックの理解に苦労するが、そこで全てを理想化、つまり単純化して捉えることで問題を解決する。
そして、世界の重要な要素だけを網羅的に、かつ、なるべくコンパクトにまとめて理解する。
それが、IEE(ENFp)の生涯にわたって、完璧な世界を記述するための一貫としたスタイルとなる。
⒊感覚機能の弱さが強みとなる
IEE(ENFp)はNe(外向的直観)が最も発達するその陰で感覚機能は抑圧され、物事の詳細情報に対応する力はむしろ弱まる。
それら詳細は通常彼らの意識には上らず、つまり、細かいことを気にしなくなる。
結果、人生において主要な関心事のその全てについて明確な記述に成功したその時点で、彼らにとっての完璧な世界が訪れる。
それは、彼らの精神世界における全ての問題が解決された状態であり、そこに至り彼らは強い幸福感、多幸感によって支配される。
これが、仏教で言うところの悟りの境地、涅槃というものである。
⒋そして布教がはじまった
人は誰もが支配欲を持っていて、その形は性格タイプごとに異なるが、IEE(ENFp)の抱える支配欲とは、周囲の人間の内面世界の完全性についての欲求、つまり、未熟な他人を教育ないしは啓蒙したいという形で現れる。
そのため、悟りに至ったIEE(ENFp)はその完璧な世界の記述を、彼らが認識した成長余地のある周囲の人間達に広く伝播したいと願うようになる。
そして、実際にそれを実行する。
⒌それぞれの幸せの形
しかし、IEE(ENFp)の教えがIEE(ENFp)以外の性格タイプの他人を、実際に涅槃、多幸感の体験へと至らせるのは稀である。
その多幸感はNe(外向的直観)の発達に根ざしているので、Neの発達が不十分な場合、完璧な世界を体感することは叶わないし、感覚機能により知覚される詳細情報からくるこだわり、執着から解放されるのも難しい。
実際、IEE(ENFp)の頭脳は幸福ホルモン、快楽ホルモン、脳内麻薬でもあるドーパミンが多量分泌されるようにできている節があるが、他の性格タイプは多くの場合においてそうはできてはいない。
つまり、悟りとはIEE(ENFp)特有の幸福の形、その究極であり、他の性格タイプにはそれとは別のそれぞれの幸せの形があるというのが私としての結論となる。
そして、IEE(ENFp)であれば、わざわざ他人に導かれなくても自力救済が可能であり、他の性格タイプであれば、自然と多幸感に包まれるのならともかく、わざわざ目標にして目指すようなシロモノではないと言えるかもしれない。
おわりに
悟りによる多幸感について、IEE(ENFp)でなくても、ある種の催眠やマインドコントロールによって多幸感を体感するのは可能かもしれない。
また、一般においてギフテッドと呼ばれる人々は、その性質上他の人々に比べて多幸感の境地へ到達しやすいかもしれない。
ただ、私としてはその方法論について積極的に広めるようなものでもないと思うので、悟り、究極の幸福感についての探究はここで一旦一区切りとしたい。
なお、本記事では悟りをIEE(ENFp)の幸福の究極の形としたが、これはソシオニクスの記述から判断した私の見解であって、幸福の定義は人それぞれあってよいと思うので、その点はここに明記しておくものである。
次回以降は、それぞれの性格タイプにあった幸福の形を考えていきたい。
追記
人間は、個人差はあるものの、子供のころは幸福感を感じやすく、発想力が豊かな傾向があり、若者特有の万能感などとも言われるが、大人になるとそういった感覚は失われることが多い。
これは、年齢を重ねて大人になる過程で、シナプスの刈り込みにより脳細胞の数が大きく減少するため、子供の時に保持していた外向的直観をはじめとする心理機能が失われることが考えられる。
ただ、シナプスの刈り込みによる脳細胞の減少は、遺伝により異なるパターンを示すことが近年の研究により示唆されており、結果、大人になった時点で保存される脳細胞の数と領域には大きな個人差があることが分かっている。
心理学の分野においては、その脳細胞の刈り込みや保持と人の性格のパターンとの関連も示唆されていて、IEE(ENFp)は他の性格タイプと比較して外向的直観と内向的感情が保存されやすいということが考えられる。
IEE(ENFp)は「永遠の子供」とも表現されるが、その子供の頃の脳細胞の傾向を大人になっても保持していることが、彼らの幸福感と万能感に大きな影響を与えているということは十分に考えられるということである。
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