![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120912883/rectangle_large_type_2_5e2816c4e00d93bc8fdd701238180c44.png?width=1200)
実際どう書いてよいのかよく分からなかったという話、ソシオニクスから見る幸せの形⑥、LII(INTj)
はじめに
ソシオニクスから見る幸せの形、今回はLII(INTj)である。
LII(INTj)は「分析者(Analyst)」とも呼ばれ、その論理的で、かつ、直観的な、分析的な思考には定評がある。
一方で、LII(INTj)と幸福というと一般的なイメージとしてなかなか結びつきにくいものがある。
似た様な性格タイプであるILI(INTp)は、理屈屋でありながら、思想や宗教を求める変わり者であるが、LII(INTj)は同じく変わり者でありながら、確固とした信念を持った完璧な理屈屋である。
以下、そんな彼らについて、私の独断と偏見に基づいて幸せというものを考えてみるものである。
⒈LII(INTj)の特徴
以下、ソシオニクスにおけるLII(INTj)の情報要素である。
Ti(内向的思考):内的な論理性を司る。LII(INTj)にとっては第一機能に該当し、強力かつ支配的に働くが、柔軟性を欠く。彼らは人生を通して理解の積み重ねにより、ある種の固定観念、信念の体系を構築する。
Te(外向的思考):外的な論理性を司る。LII(INTj)においては無視される機能であり、選択的に働く。通常、本人にとって必要とされる外部の理論を吸収するが、自身と周囲の論理が食い違った時は、自身の論理が優先される傾向がある。
Ni(内向的直観):内的な情報領域の展開に関係する。LII(INTj)はこの機能を標準的に使用するが、機能それ自体は強力に働き、彼らの場合、特に時間感覚の強さに表れる。
Ne(外向的直観):情報の完全性(網羅性)に関係する。LII(INTj)はこの機能を創造的に使用し、そのため脳内でのブレインストーミングや拡散思考を得意とする。
Si(内向的感覚):身体感覚を司る。LII(INTj)にとって苦手な機能であるが、この機能については強い欲求がある。そのため、仕事や生活について快適さを求め、かつ、健康志向となる傾向がある。
Se(外向的感覚):外的世界との関わり方に関係する。LII(INTj)の場合はこの機能は問題解決に使用される。結果、環境への適応において問題を感じた時に、彼らの旺盛な独立心や信念を実際的に反映した形として表現される。
Fi(内向的感情):内面での感情的機能を言う。LII(INTj)にとっては不安の領域にあたる。彼らは特に他人の感情的行動の理解を苦手としており、そのためコミュニケーションにも奥手となる傾向がある。
Fe(外向的感情):外的世界との倫理的関係に関わる。LII(INTj)はこの機能の暗示を受けやすい。つまり、他人の感情や雰囲気の影響を受けやすく、また、無意識にそれらの良好な関係を望んでいる。
以上が、LII(INTj)についての概略となるが、以下に情報要素についてさらに詳しく見ていく。
⒉思考機能
LII(INTj)については、ソシオニクスではTi(内向的思考)が第1機能となる。
第1機能は保守的であり、人格のベースとして機能する。
そして、ベースは堅固で強力である必要がある。
また、第1機能に関することを人が変えることは困難である。
LII(INTj)について言えば、Tiによって人生を通じて信念体系を構築していて、彼らの強力な確信によってそれに反する考えを否定するため、他人が彼らのその信念体系を変更することは極めて難しい。
LII(INTj)は時として、自分の信念体系に対して矛盾する、無視できないほど深刻な客観的状況に直面することがある。
その場合において、彼らは時間を費やして自身の信念体系を現実に即した形に再構築する必要性に迫られ、実際に適応する。
先導機能として働くTiに対してTe(外向的思考)はソシオニクス的に無視の領域に属する。
そのため、LII(INTj)は外部世界の論理性について理解を示しながらも、相対的な優先順位を低く見積もる。
結果、彼らのTiによる信念体系は外部世界の現実社会における常識と対立し、彼らの孤独感を深める。
そして、LII(INTj)は潜在的にTeについての支配欲を持つ。
それは、つまり、Tiによる自らの信念、理想を現実に反映させようとする欲求として現れる。
⒊直観機能
Ni(内向的直観)はソシオニクスでは内的世界の領域展開に関係する機能とされるが、LII(INTj)においては標準的に使用される。
ここでいう標準的とは、無意識に第1機能に劣らないくらい強力に働くものの、創造的または柔軟には使用されないという意味となる。
その結果、LII(INTj)においては、たとえばEIE(ENFj)は内的世界を意識的に操作してその都度切り替える演技性の人格を備えるが、そのような他の性格タイプに見られる意識の切り替えが彼らにはあまり見られない。
そのNiによる標準的な内的世界の運用は彼らの精神世界の一貫性を担保すると同時に、精密な時間感覚を保証する。
Niに対して彼らのNe(外向的直観)は創造的に使用される。
ソシオニクスにおけるNeは外的世界の完全性、調和の認識に関係するが、LII(INTj)にとっての外的世界は調和が完全には取れていない不完全なモノに映る。
一方で、彼らは自身の内的世界についてはその整合性と一貫性に自信があるため、外的世界に対する創造的な欲求が現れる。
これは、前述の思考機能による欲求と結合して、社会や組織についての改革や改善の形で現実化される。
⒋感覚機能
Si(内向的感覚)はLII(INTj)にとって苦手な機能であり、たびたび問題が生じる。
Siはソシオニクスでは身体感覚を司り、健康や幸福、快適さといったものが彼らの弱点要素となる。
これは、つまり、LII(INTj)は快適さや幸福感を感じにくいということであり、一方で、彼らにとってのこだわり要素ともなる。
また、LII(INTj)にとって健康は重要度が高く、それを含めて全体としてSiの要素が満たされていることが彼らの自信につながる。
Siの欲求は仕事や趣味でも現れやすい。
彼らにとって「無能な味方」というのは厄介な存在である。
また、自由な時間を投じて没頭できる趣味を持つことは、彼らにとって大切な事となり得る。
Se(外向的感覚)は問題解決に使用される。
問題意識を持ったLII(INTj)は現実的に解決策を実行することで解決を図る傾向がある。
⒌感情機能
LII(INTj)のFi(内向的感情)は不安や恐怖の領域に位置している。
これは、実際には人間関係に対するコミュニケーションについての不安として現れることが多い。
この不安は、根源的にはLII(INTj)のFi、人間感情についての感覚的な理解の不足から来ている。
そして、Neが活発に働く彼らは、Fiの弱さも合わさって、特定状況下において他人が自分と同じように考えると思いがちである。
一方で、他人の心理について疑心暗鬼にもなりがちとなる。
また、LII(INTj)の持っている「人間に対する考え方」は他の性格タイプのものと比較して、単純化されていることが多い。
そのため、彼らの内的世界においては、人間存在についてグレーゾーンのない白黒的な分け方がされる傾向にある。
Fe(外向的感情)については、LII(INTj)は外部からの暗示にかかりやすい。
これは、彼らは外部環境、つまり、周囲の人々からの感情的な影響を無意識に強く受けるということである。
LII(INTj)は周囲の親切で、誠実、暖かい対応によって内面の感情が無意識に影響を受け、リラックスすることができる。
加えて、他者から評価され、賛同されること、愛されることは彼らの幸福感に影響を与える。
これは、つまり、環境への不適応によりFeが満たされないことは、彼らにとって大きなストレスとなるということでもある。
多くのLII(INTj)がやさぐれる傾向にあるのは、彼ら自身が周囲への感情的な適応を苦手とすることのみならず、彼らの職場を含めて、現在の一般社会の環境がいかにブラックであるかを物語っている。
⒍LII(INTj)の幸せの形
以下は、一つの提案ではあるが、筆者である私はLII(INTj)ではないので、無責任な第三者の意見として軽く見ていただけると助かるものである。
上記で語られた情報要素を持つLII(INTj)であるが、彼らの幸福を考える上で、その環境選びが極めて重要であることが分かる。
仕事においては、チームのリーダーとなることが最善となる。
業務の改革や改善を主導しつつ、チームの方針に自身の理想やアイデアを反映させて、かつ、周囲からの評価や対応で良好なフィードバックも得られやすいその立場は、ある種理想と言える。
一方で、確実にリーダーとなる方法として自ら起業するというものがあるが、彼ら自身、実務の詳細なデータについて扱うことと環境の変化に対する臨機応変な意思決定に苦手意識があることが多いため、実はあまり向いていないことがある。
そのため、そのような能力を持ったパートナーを得て起業するか、組織の中で足場を固めるかという選択が現実的となる。
また、彼らのストレスコントロールを考える上では趣味の活動も無視できない。
彼らLII(INTj)は単独行動を好む傾向があるが、その実、彼らを許容するコミュニティに属した方が満足度は高い。
ただ、彼らはかなり付き合う人種を選ぶので、そのコミュニティは趣味が合うのを前提として、知的で、理解のある、良心的な人々で構成されている必要がある。
あとは、円満な家庭環境が用意できれば、孤独の代名詞とも呼ばれるLII(INTj)も幸福感を享受できるのではないだろうか。
このような環境は実際問題なかなか得難いものがあるが、諦めたらそこで試合終了ということである。
おわりに
このようにLII(INTj)について見てきたが、現実社会において幸福について明確なビジョンを持っているLII(INTj)は少数派のように思える。
それは、彼らの内面世界に対する自信の深さと理想の高さも原因の一つと考えられるが、それより増して、彼らの無意識下の心理機能も要因となっているかもしれない。
無意識下の機能における問題点は本人にとって自覚が薄いかもしれず、その辺も計算に入れるともっと生きやすくなるのではないかな、と、私としては思ったりするわけである。