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素人土木ICT#12【貧乏ICT施工の今後の展望】

ICT施工の強みと弱み


ICT施工の強みは何だろうか

ICT施工技術の導入=省力化である。
これは間違いないし、実践して実感もしている。

では弱みは何だろうか。

結論から言うと中規模以上(1000m3以上)の土工事の安定受注が前提 という所か。

表面的にはコストとも取れるが。
ただ、器資材投資に関わるコストは強みである省力化で相殺される。ICT建機を継続して使用すれば、比較的速やかにペイできる。
ICTに投資した分、継続して稼働を見込めるのであれば、コスト自体は弱みにならないという事である。

業界の動向

周りを見回してみると、技術革新もいくところまでいってしまい、それぞれニッチ化やパッケージ化が流行りである。
要するにICT施工市場はもはや成熟期にあり、今後しばらくは目新しいモノ、というよりはサービス充実向上低価格路線が主たる戦略になっているのではないかと思料する。
既存技術の深化の範疇は出ないだろう。しばらくは。

上記リンクはおそらく日本国内で一番浸透しており、業界を牽引するコマツのスマートコンストラクション(スマコン)の特設ページである。

他メーカーに比して圧倒的にまとまっており、実績も段違いである。

しかしずっと見ていると、特に目新しい技術は無い。強いて言うならステレオカメラによる出来高計測程度だが、ステレオカメラ自体は新しい技術でもない。

https://www.kobelco-kenki.co.jp/iot/horunavi.html

上記リンクは低燃費の雄たるコベルコ建機のホルナビ特設ページである。チルトコントロール全振りのニッチ路線である。

他社に例は無く、あったら便利だが、コストに見合う働きをしてくれるか不明である。

こちらは完全後追いの日本CATである。目新しいものは特にない。

ただし私見であるが、見た目は抜群に格好いい。使えばわかるが燃費もすこぶる良好、パワーもある。

どこかでビジョンリンクも試してみたいが、そんな大きな土工事が無いため使用の機会は無い。

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今後はどのような技術革新があるのだろう。

個人的には無人化、自律化になると思料する。実用化は一部されているようだが、一般的になるのはまだまだ先だろう。

弱みの克服

克服とは「無効化」程度のイメージを持っていただければと思う。

「中規模以上(1000m3以上)の土工事の安定受注が前提」

これを弱みとして挙げた。要するに稼働率の話である。逆説的には、稼働率を上げさえすれば、この弱みは漸減されていき、ついには無視できるようになろう。

0.4m3や0.3m3クラスBH使用の掘削自体は通年頻繁にあるので、このクラスに目を付けたほうが良いだろう。

また、前述したように、ICT施工技術市場はもはや成熟期にあるので、初期の型落ち中古機器も市場には出回っている。

答えとしては、型落ち中古器材を仕入れて既存バックホウをアップグレードしてしまうというモノだ。古い器材であっても本質的には機能は同じである。

この際測量機器メーカを揃える事のみ留意すれば、ICT器材の通年稼働率の底上げにつながるというわけだ。

勿論、測量から3D設計データ起こし、機械設定などのICT施工内製化は前提である。

先ほど建機メーカに「後追い」などと管を巻いたが、うちら零細土建屋は後追いどころの騒ぎではない。2歩も3歩も遅れているのだ。

如何に安く生産性を上げるか。

その為には強みと弱みの正しい認識、技術の動向を注意深く読み取る力が必要であろう。


新しいモノを見すぎて指をくわえてるだけでは時期を失するゾ

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