素人土木ICT#14【UAVを用いた空中写真測量のコツ(撮影・飛行計画編)】
令和2年7月豪雨により、熊本県・九州各地をはじめ、全国広範囲で被害に遭われている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
さて表題の通りである。
公共工事において令和2年度現在、発注者指定型のICT施工を求められる工事が多い。以下はH30年度における国交省ICT活用工事の実施状況である。
土工事においては公告件数の半数程度がICT活用工事になっている。
加えて今や地方自治体発注工事ですらICT活用工事が増加しており、発注段階で指定されているもの、創意工夫において加点対象になるもの等々、形態は様々である。
本題に入る。
ICT活用工事におけるキモはICT技術活用範囲の決定と3次元測量にあると思料する。当初から範囲を規定するのは出来形管理における発注者との齟齬回避の為に重要なのは言うまでもないだろう。
3次元測量においては、安く、早くを着眼にすべきである。起工測量の事のみを考えて撮影計画を策定するのではなく、出来形測定をエンドステイトにした方が楽。
上図は親の顔よりも見るであろう「標定点の配置図」である。
標定点には内側標定点と外側標定点があり、記載の通りかもう少し小まめに置けば間違いが無いだろう。
外側標定点は施工範囲を正確に配置するのではなく、若干ゆったり目で配置するのが重要である。ここを面倒くさがってギリギリ100mに配置すると、再度測量しなきゃいけないハメになる。急がば回れである。
内側標定点と検証点は適当にとしつつも外側標定点に比して高低差があるところを選定した方がよい。
一例である。
図の例ではフライトプランを分けている。無理して一発撮りするより分けたほうがいい場合の方が多い。一方向に工区が伸び、折れている(カーブしている)ような現場は特に。
図中右翼に高圧送電線鉄塔があるが、基本的に物件から30m以内はドローンを近づけてはならない。電力会社と立会の上測量が望ましい。
さらには高圧電線の類はGNSS機器等に悪い影響を及ぼし、ドローン墜落等の原因になりかねないのでガバッと範囲除外してしまった方が楽である。除外箇所はTSによる横断測量をすればよい。
また、除外箇所をケチると所望ラップ率(オーバー90%、サイド70%(計画))も工区端においてきつくなってくる。やっぱりガバッと除外しよう。
下図は面倒くさがりの私がテキトーに測量した結果
あまり適当なことをすると上図のようにデータが(結果的に)欠損したりする。飛行計画上の飛行区域はかなりデカめに設定しよう。写真の枚数は増えるが撮り直しよりはマシである。トホホ・・・
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