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あなたが見ている世界と私が見ている世界は別だった

小雨の降る日、車の助手席に乗りながら、「まぶしいねぇ」とつぶやいた。

「え?何が?」
彼は運転しながら、訳が分からないといった反応を示した。

「ほら、空だよ。まぶしいじゃん!」
「何言ってるの?曇ってるじゃん。」
「だからさぁ、曇り空ってまぶしいじゃん!特に、こーゆー白っぽいような薄グレーのとき!」
「え?」
「え?」

お互い、分かり合っていない空気が流れた。


私は以前から曇り空はまぶしく感じていた。
夕立ちのような黒い雲なら大丈夫なのだけれど、雨が降るか降らないかみたいな白っぽいものはまぶしい。
自分で運転する時はサングラスをしている。

そんな説明をすると、彼は納得したようで
「だから君が使ったあとのパソコンの画面は暗かったのか」
と、つぶやいた。

そう、パソコンの画面もまぶしいので、使う時は照度を下げる。
テレビの画面もまぶしい。

「羞明」といって、まぶしさを感じることは症状としてあるようだ。
中には白内障といった病気によるものもある。
私の場合はおそらく、光過敏や自立神経の乱れといったところだろうか。
もちろん、病院に行くものではない。

何に驚いたって、私は今まで世の中の人はみんなくもりの日はまぶしいと感じると思って生きていた。
でもそれは違ったのだ!!
こんな身近な家族でさえ、まぶしいと思っていなかった。
そのことがとても衝撃的だった。

私の感じ方と他の人の感じ方は同じではないのだ。
そして大抵のことは、あなたはどう感じるか?なんて確認はされないままだ。
みんなこう感じているだろうという思い込みの上に生活は成り立っている。
本当は、光、音、気温、湿度、何から何まで感じ方は様々だ。

もし誰かが、曇りなのにサングラスをしているとか、一見おかしなことをしていたら、どうしたのか、なぜなのか聞いてみた方がいいかもしれない。
きっと新しい世界が広がるだろう。


#エッセイ #光過敏

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