vol.5 蒸らしの湯量
何のために蒸らすのか
→効率的に抽出できる環境を作るためとすると…
適切な湯量は
→粉量の2倍の湯を吸うことが出来るとされているが挽き目によっても異なる
蒸らし中サーバーに落ちてもいいのか
→抽出に適した環境を作る目的であるとするならばここで落ちてしまうコーヒー液落ちなかった場合と比べて出来上がり量の液体を薄くする可能性がある
結論
粉全体を蒸らすために粉の2倍の湯量で全体に満遍なく注ぎ(ドリッパー、ペーパーの形状によっては中心部に多く注ぐ)、蒸らし中のサーバーへの抽出は少ない方が良いのでゆっくりと注ぐが、蒸らしのお湯がかかるまでの時間に差があり過ぎると2投目以降の抽出にムラが出るため遅すぎても良くない。
お湯がかかってから約17秒で成分がお湯に20%-23%移行し始めて30秒以降は緩やかにお湯へ成分移行が起こる。よって「全体にお湯をかけるのにかかった時間」+「17秒or30秒」が目的にあった最適な蒸らし時間と言える?
蒸らす際のテクニック
タップ
→ドリッパーを叩いて粉を平し隙間を埋めることでチャネリングを防止したり、全体が均等に蒸らせる環境をつくる。抽出開始後のタップ(ドリッパーを持ち上げてサーバーに落とす)によってチャネリングのよる経路をリセットできる。
スプーン撹拌
→主に浅煎りのコーヒーなど※膨らみにくい状態の粉に湯をかけた後、スプーンを使って撹拌を行うことで全体にお湯を行き渡らせ抽出環境を整える。デメリットとして蒸らしの湯量が多くないと撹拌できない。粉がスプーンに付くことで粉量が減る可能性がある。撹拌後コーヒーベッドが平らにならないため2投目以降の抽出ムラの原因となる可能性。手動での撹拌のため安定感がなく、技術を要する。
※深煎りなど膨らみやすいコーヒーはガスの放出により粉が動き撹拌が自然に起こる。
スピン(スワリング)
→主に浅煎りコーヒーなど膨らみにくい状態の粉に湯をかけた後、ドリッパー自体を持ち円を描くように回すことで撹拌を促し(湯を全体に行き渡らせ)、抽出環境を整える。メリットはステアの逆。デメリットは回しすぎると微粉による目詰まりを起こす可能性。
レス・ドロップレット・テクニック(RDT)
→コーヒー豆に一滴の水を落として(霧吹き)からミルで挽くことで静電気の発生を抑えてチャネリングや静電気による抽出ムラを防ぐことができる。
ディストリビューション
→ディストリビューターと呼ばれるツールを使いコーヒー粉をかき混ぜることでチャネリングの原因となるダマをなくし抽出環境を整える。また事前に挽いた粉を振ったりして混ぜることで抽出むらを減らせるかも。