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ひとりで美術館ハシゴ旅/11.岡山県ーArtとTalk 58.ー


皆さんこんにちは、宇佐江です。
先週に引き続き、1つの都道府県に的を絞って美術・博物館を複数めぐる「ひとりで美術館ハシゴ旅」。今週は岡山編です!
ちなみに先週はこちら↓
(岡山の翌日に広島という日程でしたが、記事の都合上、広島を先に紹介しました。)



岡山は、20年近くも前に美大の研修旅行で京都、奈良、大阪と共に巡って以来。最終日だったので旅の疲れもありほとんど記憶になかったのですが、今回久しぶりに訪れたら、信じられないほど大満足の旅となりました。
あまりに楽しすぎて、予想外の結末も?

それでは出発!


☆「ひとりで美術館ハシゴ旅」について☆

・記事の内容は宇佐江個人の主観や感想に基づくもので、公式とは一切関係ありません。
・タイムスケジュール優先の旅ですので、各展の最適な鑑賞時間より短い場合があります。(※記載は観覧時間でなく、その施設での滞在時間です)
・施設に関する情報は、各施設のHPや広報等を一部参考にしております。
・館内写真はスタッフさんに確認の上、写真撮影しております。
・情報は当時のものです。実際に行かれる際は各公共交通機関や施設の最新情報を必ずご確認ください。


(本文はエッセイ形式でお送りします)


①9:35~11:45/大原美術館

◆開催していた主な展示『コレクション展』

おすすめされた撮影位置
by美観地区ガイドさん


訪れた日:2025年1月の平日
移動①…新幹線/名古屋駅7:06発→岡山駅8:41着。JR山陽本線/岡山駅9:03発→倉敷駅9:21着。駅から徒歩約15分

新幹線に乗りながら、「岡山ってこんなに近いんだ」と驚いた。名古屋からだと片道約1時間半。東京に行くのと変わらない。

豊富なコレクションで有名な大原美術館は、観光名所、倉敷美観地区の中にある。1930年に地元の事業家である大原孫三郎が創立した、日本で最初の西洋美術を中心とした私立美術館である。
冒頭で話した研修旅行の際、壁に並ぶコレクションのあまりの豪華さに「なんだ、レプリカの美術館か~」と阿呆な勘違いをした当時の私。しかし久しぶりに訪れてみると、それも無理ないなという気持ちになった。

東京の美術館ならたった1枚にも行列が出来るであろう教科書に載るような名画たちを、平日の午前、こんなふうにひとりじめできる贅沢。エル・グレコの《受胎告知》を観ていたら、この絵を初めて私に教えてくれたテレビ番組『美の巨人たち』のオープニングテーマと、小林薫さんのナレーションが勝手に脳内で流れだした。
工芸・東洋館の方は、古い床がずっとキシキシ鳴っててドキドキ。ふと窓の外を見ると、江戸時代にタイムスリップしたかのような眺めが広がっていた。
分館の方は工事のため休館中だったが、それでも大・大・大満足!!!

ミュージアムショップで買った、モネの《睡蓮》のブックカバーをさっそく手持ちの文庫本にはめて、カフェ『エル・グレコ』で塩ココアなる不思議な飲みものとともにしばし休憩。

塩ココア(マシュマロとバナナ入り)
メープルシロップはお好みで。


②11:55~12:30/倉敷市立美術館

◆開催していた主な展示『変貌する風景』

建物外観も素敵です。

移動②…大原美術館から徒歩数分

近いので立ち寄ってみた倉敷市立美術館。コレクション展のみのこじんまりした期間中だったが、丹下健三さんの手がけた建物がカッコよかったので入館できただけでも楽しかった。元は市庁舎として使われていたという広々した空間は、今も市民に有効活用されているらしく人の出入りが結構多かった。
利用したコインロッカー(玄関エリア)から自分の荷物を出すとき、ふと上のロッカーの中身が透けて見え、卵と納豆がエコバッグに入っていてほっこりした。

お腹がすいたので美観地区に戻り、さっと昼ごはん。

ー休憩(12:35~12:55)ー


名物っぽいと思い注文した稲庭うどん。
(後から秋田名物だと知る)


③14:25~15:35/岡山県立美術館

◆開催していた主な展示『所蔵品展示』

モダンでスタイリッシュ

移動③…美観地区から徒歩で駅に戻る。JR山陽本線/倉敷駅13:41発→13:59着(少し遅れて発着)。駅から徒歩15分

倉敷から岡山エリアへ移動。こちらも魅力的な施設が、駅から徒歩圏内に密集している。
まずは岡山県立美術館。中に入ると明るく、抜けた空間の使い方や見せ方が面白い。企画展はお休み中だったが、コレクションの見応えがあった。その土地出身の、知らない作家の作品をじっくり観るのも旅の楽しみである。

とてもおしゃれなミュージアムショップで、岡山出身のイラストレーター・森本美由紀さんのミニポスターに一目惚れし、買おうかどうしようか10分くらいウロウロして熟考。結局、かばんに入らないサイズのため持ち運びの際に折れたら嫌だなーと思い、断念……。だいぶ後ろ髪を引かれつつ、次の美術館へと向かう。

➃15:37~16:45/岡山市立オリエント美術館

◆開催していた主な展示『館蔵品展』

運命の再会!

移動➃…岡山県立美術館から徒歩すぐ

下調べの際、名前的に面白そうだし県美にすごく近いし(ほぼ隣)という理由でなんとなく訪れたこのオリエント美術館が、もしかしたら、この旅最大の収穫だったかもしれない。

入館した瞬間ハッとした。

研修旅行での記憶が突如鮮やかに蘇る。
「なに……、この不思議な心地よさ!」

何が、とうまく言えないのだけれど、建物空間が醸し出す、心が浄化されるような清々しさ。落ち着く匂い。「この美術館、好き」。あの時、入館した途端虜になった。なのにすっかり20年も忘れていた。
けれど体は、この美術館を覚えていた。

どこからともなく響く水音。進んでいくと、2階に小さな噴水がある。カフェもあり、ものすごくムーディーで入りたくてたまらなかったが閉館時間が近い……。
アラビック・コーヒー。
開館以来の秘伝のレシピのチーズケーキ……。
気になるうううう。ああああー。もっと早くここに来られるスケジュールにすれば良かったああああ。

⑤17:10~17:35/岡山シティミュージアム

◆開催していた主な展示『常設展』

すべりこみでもう一軒。

移動⑤…オリエント美術館から駅まで徒歩で戻る(約15分)。駅西口からすぐ

オリエント美術館の名残惜しさでまだ帰路につきたくない気分が盛り上がり、当初の予定にはなかったが、もうひとつどこか寄れないかなーと道端でミュージアムマップを開く。近くにある夢二郷土美術館も、17時閉館かあ……。もう閉まる……。
その時、岡山駅から直結で行ける場所にある岡山シティミュージアムが「18時閉館」なのを発見!
行ける!!

リットシティビルの4階と5階に位置するミュージアム。現在の名称になったのは2012年だそう(公式HPより)。アートではない方の博物館だけれど、旅の最後に、土地の歴史を見学するのもオツだなーと思いながら巡った。次回の展示はジブリ展と告知が出ていたので、大型企画展も受け入れ可能な施設のようである。
駅にもすぐに戻れて便利!

あー満喫したー。
楽しかった岡山ー。

せとうち美術館ネットワークパスポート

この旅で大活躍。

岡山は、大原美術館が圧倒的に有名ではありますが、どの施設もなんというか、すごく居心地が良くて大好きでした。アクセスも便利だし、美術館と観光エリアとが近いお陰でおいしい食事もとり易い。
まわる順番は、大原美術館が12月~2月は閉館が15時(通常は17時)という事情で倉敷エリアからスタートしました。

そして今回の旅で大活躍したのが、兵庫の旅でゲットした冊子「せとうち美術館ネットワークパスポート」!!

先回の広島と今回の岡山でご紹介したほとんどの施設がこのパスポートの対象施設で、大原美術館と下瀬美術館(広島)以外は割引券も使えてとってもお得でした。
来館スタンプもたまって嬉しいし、施設情報もまとめて確認できる。

割引券の有効期限が今年の3月31日までになっているのだけれど、今後もまた新しい冊子が出るのかな?
次回西日本を旅するときは、確認しようと思います。皆様も目にしたらぜひ活用してみてください。





今週もお読みいただきありがとうございました。すみません、夢中で書いていてまた零時超えました……。

ああ岡山。

出発前は、こんなに心惹かれる旅になるとは思っていませんでした。観たい企画展を狙った時期でもなかったし、展示というより、各施設の居心地や雰囲気がじんわり心に残りました。
そして、その想いは帰宅後も募るばかり。

岡山県美の、買うか迷った森本美由紀さんのポスターやっぱり、買えば良かったなあーとか。
オリエント美術館の「イブリク」(カフェ)行きたかったなあーとか。

そしてふと思い出すのです。岡山は、名古屋から意外と近いと今回知ったことを。

……そして!


◆次回予告◆
『ArtとTalk 59.』まさかの翌月、岡山おかわり旅。

それではまた、次の月曜に。


*この旅の続きはこちら↓

*ひとりでハシゴ旅シリーズ。過去回はこちら↓

*20年前に訪れた時の記録はこちら↓

*今回ご紹介した施設↓


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