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ひとりで美術館ハシゴ旅/9.千葉県ーArtとTalk 53.ー


皆さんこんにちは、宇佐江です。
今週は、1つの都道府県に的を絞って美術・博物館を複数めぐる「ひとりで美術館ハシゴ旅」千葉編です!
ちなみに前回はこちら↓

2024年ラストのハシゴ旅を飾るのは、個人的に多分、行くのも初めてな千葉県です。
それでは早速、出発!


☆「ひとりで美術館ハシゴ旅」について☆

・記事の内容は宇佐江個人の主観や感想に基づくもので、公式とは一切関係ありません。
・タイムスケジュール優先の旅ですので、各展の最適な鑑賞時間より短い場合があります。(※記載は観覧時間でなく、その施設での滞在時間です)
・施設に関する情報は、各施設のHPや広報等を一部参考にしております。
・館内写真はスタッフさんに確認の上、写真撮影しております。
・情報は当時のものです。実際に行かれる際は各公共交通機関や施設の最新情報を必ずご確認ください。


(本文はエッセイ形式でお送りします)


①11:25~12:20/千葉県立美術館

◆開催していた主な展示『浅井忠、あちこちに行く』

美術館より目立つ背景
(千葉ポートタワー)

訪れた日:2024年12月の平日
移動①…新幹線/名古屋8:28発→東京10:06着/JR京葉線10:33発→千葉みなと11:11着。駅から徒歩約10分

テレビ等から得た情報で、「東京と繋がる公共交通機関がとにかく混む」というイメージがあった千葉。出発もラッシュを避けて若干遅めにした。ネズミのランドも幕張メッセも来たことがない私は、東京駅から京葉線に乗り換え中、空港みたいに動く歩道があることにすらびっくりした。

混み合う乗客は途中の駅でだいたい下車し、目的地の千葉みなと駅はのんびりした雰囲気でほっとした。てくてくと、海は見えぬが港っぽい空気を吸いながら美術館へと歩く。

1974年に開館した千葉県立美術館は今年でちょうど50周年。天井が低く、その歴史を随所に感じる建物。いぶし銀、という言葉がふいに浮かぶ。しかし後半の展示室は一変して明るく、天井の高い広々とした場所だった。
それにしても、千葉県美が開館当初から力を入れて収集している地元作家・浅井忠の企画展は流石にものすごい質と量だった。ハシゴ旅で、このあとのスケジュールがかつかつなので急ぎ足の鑑賞になってしまったのが惜しい。
ちなみに、ここは開館時間が早めの9時からで、閉館はなんと16時半。ハシゴをするなら1軒目にするのがおすすめ。


②13:50~15:20/DIC川村記念美術館

◆開催していた主な展示『西川勝人 静寂の響き』

絵本に出てくるような素敵美術館

移動②…駅まで戻る。モノレール/千葉みなと12:35発→千葉12:42着/JR総務本線13:00発→佐倉13:17着。駅から13:30発の無料送迎バス(約20分)

今回一番の目的であったDIC川村記念美術館。
運営母体であるDIC株式会社から規模縮小の方針が表明され、来年2025年の3月下旬から休館することが発表されている。
千葉にあるとは知らなかったが、特徴的な美術館名はこれまでさまざまな展覧会の借用先として目にする機会も多く、充実したコレクションを持つ、素敵な美術館なのだろうなあとずっと思っていたので、今行くしかない、と思った。

1日1本だが、東京駅から美術館への高速バスも出ている。私は、佐倉駅からの無料送迎バス(1時間に2本ペース)を利用した。

駅前に、わかりやすいバス停あり。

送迎バスに乗り合わせたのは平日ということもあり少な目だったけれど、現地に着いたらびっくりするほどの車の数。館内にも大勢の人がいた。皆、休館の知らせを受けて訪れた美術ファンたちだろう。団体やグループも多かった。カフェもレストランも満席のよう。

コレクションは期待通りの充実した内容で、レンブラントも素晴らしかったけれど、「ロスコ・ルーム」と呼ばれるマーク・ロスコの作品を薄暗がりでムードたっぷりに展示してある部屋が特に印象的だった。また、建物全体が丸みを帯びているため曲線が多用された建築も美しく、窓から覗く景色とあいまってうっとり。
企画展の西川勝人の作品も、展示の見せ方が素晴らしかった。
本当なら、白鳥が泳ぐ池や広々としたお庭もゆっくりと散策したかったけれど、山の中ということもあって気温が低く、寒すぎたため断念。

この素晴らしいコレクションたちは今後、どうなってゆくのかな。

誰にも観られずしまいこまれてしまうのは勿体ないけれど、公開するためにはそれだけの人とお金と場所が要る。けれど、逆を言えばこんな不便な場所にまで、これだけの来館者の足を向かわせる力が美術館にはあるということも、あらためて、すごいなあと思う。

移動③…15:20発の無料送迎バスで佐倉駅へ戻る。

ー休憩(15:40~16:20)ー


お昼がまだなので、おなかが空きました。
(フィッシュフライサンド)


③17:15~17:55/千葉市美術館

◆開催していた主な展示『ザ・キャビンカンパニー』

翌日撮りました。

移動➃…JR総務本線/佐倉16:26発→千葉16:43着。駅から徒歩約15分……のはずが。

DICを観終えて佐倉駅まで戻ってくると、疲れと寒さがどっと押し寄せてきて吸い寄せられるように駅前のパン屋さんに入った。手帳にメモをしたためながら今後の予定を立てる。
最終目的地の千葉市美術館は、千葉駅か東千葉駅が最寄だ。事前に地図を調べたら、東千葉からの方が美術館まで一本道で間違えようがないと思われたためそのつもりだったけれど、各駅しか停まらない駅なので、次の便までかなりの時間ロスになる。仕方ない、本数の多い千葉駅まで行くか。千葉駅からの道も一応コピーしてきたし大丈夫だろう!

と、安易に思ったのが間違いだった。

誤解のないように申し上げると、千葉市美術館はウェブサイトでも主なアクセスとして千葉駅を推奨されており、駅からの道も非常にわかりやすい。問題は、宇佐江が信じられないくらい極度の方向音痴であることと、12月の午後5時は、すでに真っ暗だということ。
駅から出た途端方向感覚を失い、道の案内表示もまったく見えない(気づけない)。よせばいいのに勘を頼りにすすむうち、怪しげな歓楽街にどんどん紛れ込んでいって「この先は絶対違う!」と気づき、近くのパーキングのおじさんに美術館の場所を尋ねると、案の定全くの逆方向へと進んでいた。
閉館は18時。
30分前を過ぎると入場できなくなっちゃうーーーー!!と、先程まで寒かったのが嘘のように汗だくになって夜道を走り、はあはあ言いながらなんとかぎりぎりセーフで美術館に辿り着いた。大きな建物だからわかるだろうと過信した先刻の己を呪う。
けれど、こんな間際に来館した私にも千葉市美術館のスタッフさんはとても親切に、丁寧に対応してくださった。企画展のザ・キャビンカンパニー(大分の2人組アーティスト)の展示も独創的で展示室いっぱいに展開しておりじっくり観たら一日中でもいられそう。こんなに駆け足で観てしまう罪深い私をお許しください……。でも常設も観たいから……!

千葉市美術館は1995年開館。もともとは中央区役所との複合施設だったそうだが、現在は地下3階、地上12階のビルがまるごと美術館になっている(公式ウェブサイト参照)。館内にはカフェ、レストラン、その上なんと呑み屋まであり(!)ほんとに一日中過ごせそう。ちなみに展示室エリアは8、7、5階。

外観写真が真っ暗で撮れなかったので、この日、千葉に泊まりだった私は翌朝、用事の前に再び千葉市美へ行き写真を撮った。あらためて明るい時間に行くと、めちゃめちゃ千葉駅から美術館まで案内表示や地図が沢山あった……。ほんとにごめんなさいである。
いつかまた、ゆっくり訪れさせてください。

この子が、道を教えてくてます。





今週もお読みいただきありがとうございました。千葉と言えば有名な「ホキ美術館」にも行ってみたかったのですが、企画展のやっていない時期みたいだったしそこだけ結構遠いので、また別の機会に。
千葉市美と千葉県美は比較的近いですが、今回は前述の通りDIC川村記念美術館にどうしても行きたくて、各館の滞在時間が短めになってしまいました。(順番は千葉県美とDICが17時閉館で千葉市美だけ18時だったのでこのように計画しました。)関東からなら、もう少し早い時間に千葉県美に行けたらこのコースでもゆっくりできそうです。
佐倉方面に絞る方には、DICの他に、佐倉市立美術館もありますよ。

DICは休館前の駆け込みで今後も混むことが予想されるので、バス等も余裕を持って待ち時間を必ずお取りください。私の行った平日でも、美術館から東京駅への帰りの高速バスは満車で、乗れない方もいらしたので……。

◆次回予告◆
今年もやります!『マイフェイバリット展2024』!!

それではまた、次の月曜に。


*ひとりでハシゴ旅シリーズ。過去回はこちら↓


*今回訪れた施設*

https://www.ccma-net.jp/


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