仕事をうまくやりたかった私がたどりついた心持ち
タスクシュート認定トレーナー持ち回りのnoteマガジン「ユタカジン」へ2回目の投稿をさせて頂きます。よろしくお願いいたします。
前回(ユタカジン初寄稿のご挨拶)は、iPhoneアプリ「たすくま」のログを見ながら、自分が過ごした時間を振り返り、その豊かさを味わう事例を紹介しました。
タスクシュートを使うと記録の解像度を上げられます。前の日のことを振り返るのが習慣になり、やることが多かった日やトラブルが続いても「今日は何も進まなかった」とがっかりしなくなりました。ありのままの自分の一日を素直に受け入れられるようになったのです。
ただ、もともと私は仕事をもっとうまくやれるようになりたくてタスク管理を始めました。そのため、人に「今でも十分できていますよ」とか「今のままでいいじゃないですか」と言われてもなかなか納得できませんでした。
そんな私が、どうしてそのままの自分を見ても平気になったのでしょうか。
本記事では、タスクシュートの使用有無で一日の解像度がどう変わるかを紹介し、何もやっていない時間はないという最大の発見にたどりついた心持ちの変化をお届けします。
タスクシュートで変わった一日の見え方
タスクシュート前の一日のイメージ
タスクシュートに出会う前も、職場ではOutlookやIBM Notesなどのデジタルカレンダーを使っていました。例えば一日の間に6つの予定があったとして、それ以外に3.5時間は使える余裕があると感じていました。
夜になると終わってないものだらけ
それなのに終わってみると、やろうと思っていた新規データ集計の作業は50%しか進みませんでした。資料作成も、間にやろうとしたプライベートのプロジェクトもどちらも未着手です。当日納期の割り込みタスクは残業して終わらせました。
「どうしてこんなことになったのだろう?」「また未着手のまま終わってしまった」と悔しさもさることながら、何が起きていたのか自分でもよくわかっていなかったのです。
タスクシュートに出会って見えた景色
こんどはタスクシュートを使い始めた後の一日を紹介します。新規データ集計は終わっていなくても、70%は進んだという実感を持てています。また、90分を使ってアウトプットのイメージを作れたことがわかっているため、やる前よりも残りの作業が明確になっています。
資料作成とプライベートのプロジェクトは、シート記入の割り込みタスクが入った時点で今日中にやるのは難しいと気づき、それぞれ週明けと土曜日に予定を変えておきました。
当日中に埋めて提出することが必要だったシートも、これだけは今日はやるのだと納得してやり切りました。
一日にたくさんのことが起きていた
あらためてカレンダーを使っていた一日を見てみましょう。じつはこのカレンダーは、上の図で示したタスクシュートの一日を再現したものでした。
そもそも空き時間にはトイレに行くなど休憩も必要です。打合せは延長することもありますし、チャットやメールのやりとりもゼロにはできません。
タスクシュートが着実な歩みに
他人から持ち込まれる相談や急ぎの依頼も、自分の体調や気分による脱線も事前にすべてを見込んでおくことはできません。
ではタスクシュートの有無で何が変わったのでしょうか。
一日でやれる量を超えて取り組もうとすると、終わりそうもないタスクのことを気にしてしまい焦りが生じます。どこかやらなくて済む作業はないか探し始め、いつもやるはずのことをはしょってしまいミスにもつながりかねません。
一方でタスクシュートがある場合には、それぞれのやったことに対する解像度も高く、想定外のことが発生するたびに一日の予定をシミュレーションし直せています。明らかに間に合わないものを無理してやろうとせず、そのつど日程を変えられるようになりました。
何もやっていない時間なんてなかった
仕事をもっとうまくやれるようになりたかったこれまでの私は、カレンダーやToDoリストを使って空いている時間をやりくりしようとしていました。
そうではなかったのです。
前の日までの自分が築いた一日の過ごし方がベースになり、それぞれのタイミングで必要と判断したことを一つひとつ行っていくことこそが大事なのだとわかってきたのです。
タスクシュートマスター講座では、以下のような金魚鉢をモチーフにしたスライドを使って現実を直視することの大切さを説明しています。コンセプトは「時間に追われない時間術」です。
等身大のログには納得のいく選択をした自分の全てが詰まっています。あの時ああすればもっとよくなったなどと可能性に逃げる余地もなく、清々しい気持ちで一日を見つめることができるようになりました。
心のどこかで「もっとうまくやる方法があるのでは」と感じていたのを、自分の中でベストを尽くした結果を見て「充分やることはやったじゃないか」と思えるようになったのでしょう。
じつは私には、そのままの自分を見ても平気になるまでに紆余曲折がありました。次回記事では、大きな壁であった「他人の期待に応えられない自分」について書きたいと思います。
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