なぜ私たちは政治的な立場を変えないのか?
人は見たいものしか見ず、知りたいことしか知ろうとしないものだ。
ソーシャルメディアのアルゴリズムと人間の確証バイアスが組み合わさることで、個人は自分の既存の信念を強化する情報ばかりを繰り返し受け取るようになる。このプロセスは、他の視点を考慮する機会を奪い、人々を自分自身の思想的な枠組みの中に閉じ込めてしまう。結果として、変化や対話はますます難しくなる。
エリ・パリザーは著書『フィルターバブル』の中で、アルゴリズムが収集したデータに基づきユーザーの好みを予測し、それに合ったコンテンツだけを提供する仕組みについて説明している。その結果、ユーザーは自分の意見と一致する情報だけにさらされ、反対意見は排除される。例えば、保守的な考えを持つ人には保守的なニュースや意見、ミームが頻繁に表示される一方、進歩的な考えを持つ人にはその信念に沿ったコンテンツが提示される。このような現象を**「フィルターバブル」**と呼ぶ。
私が「正義」だと信じているものも、単に私が見たいと思う世界にすぎないのかもしれない。
2024年12月3日の夜、ユン・ソンニョル大統領は戒厳令を宣言した。それから10日が経過した。私が信じている世界では、何百回も弾劾が成立していたはずだ。しかし12月7日の最初の投票では、国民の力党の議員たちが一斉に退席し、有効な投票の条件すら満たせなかった。ようやく12月14日午後5時、2回目の機会において204票の賛成で辛うじて可決された。
弾劾案を可決するには、300人の国会議員の3分の2、つまり200票以上の賛成が必要だ。
私たちが注意を怠り、自らの視野を広げる努力を続けなければ、再び自分自身のバブルの中に安住することになるだろう。世の中は真実だけでは変わらない。他者にまで影響を与える信念に基づく行動があって初めて変化が起こるのだ。それは、おそらく「切実さ」から始まるのだろう。
フィルターバブルを脱出するための行動ガイド
1. 他の世代が集まる場所に行く
自分の世代ではない人々が集まる場所(例:公園や伝統市場)に足を運び、彼らの視点や会話を観察する。
2. ボランティア活動やイベントに参加する
共通の目標を持つ活動に参加し、他の世代や異なる社会階層の人々と出会う機会を作る。
3. 自分とは反対の意見のコンテンツに「いいね」をする
反対の視点の情報に触れることで、新しい考え方や視野を広げる道が開ける。
4. 反対の政治・社会的立場のポッドキャストやYouTubeチャンネルを購読する
ポッドキャストやYouTubeは比較的長い時間をかけてテーマを掘り下げるため、反対意見の論理を理解する大きな助けとなる。
5. 普段使わないキーワードで検索する
意識的に普段検索しないトピックや、自分の興味外のキーワードを検索する。反対の立場の人々が使う用語で検索することで、アルゴリズムによる情報の偏りから抜け出すことができる。
6. ランダムに本を選ぶ
意識的に興味のないテーマの本を手に取る。書店や図書館で目をつぶって本を選ぶことで、普段接しないアイデアや視点に触れる機会が得られる。
7. パーソナライズ設定を調整する
検索エンジンやソーシャルメディアのパーソナライズ設定を見直し、多様なコンテンツが表示されるようにする。例えば、カスタマイズされた推薦機能を制限し、関心のないテーマも表示されるように設定する。
8. シークレットモードを利用する
シークレットモード(Incognito Mode)はウェブブラウザのプライベート検索機能だ。検索エンジンでこれを使うことで、パーソナライズされた検索結果が制限され、より幅広い情報にアクセスできる。特定のテーマに偏った検索結果を防ぐのに役立つ。
2024年12月14日 — ユン・ソンウォン