デザインの価値を測定するための5つの研究
1."デザインのビジネス的価値"レポート - マッキンゼー, 2018
マッキンゼーのこの研究はデザインが「戦略」であり「競争力」であることを証明する。ビジネス戦略の中核にデザインを据えるべきだと明らかにする。このレポートの核心価値は、デザインに投資する企業とそうでない企業の経営成果の違いをはっきり示すことだ。
マッキンゼーはMDI(マッキンゼーデザインインデックスMcKinsey Design Index)*という指標を開発した。MDI(McKinsey Design Index)は、企業がどれだけデザインに強いかを評価し、それが各企業の財務成果とどのようにつながるかを初めて示す指標だ。研究チームは300の様々な産業と国の企業を5年間追跡調査し、200万件以上の財務データと100,000件以上のデザイン行動を記録した。
MDIスコアが高い企業は、5年間で収益と株主総還元率(TRS)がそれぞれ32%、56%高かった。これは、デザインへの投資が単なるコストではなく、長期的な収益向上に貢献することを証明する。医療技術、消費財、小売銀行など様々な産業でもこの傾向が一貫して見られた。TRSと収益の差は、第4象限、第3象限、第2象限間では微々たるものであり、市場は本当に優れた企業に対してのみ高い報酬を提供しています。デザインは特定の産業に限定されず、様々な分野で経営的成果を高めることができる。
投資対収益において大きな成果を示す。MDI上位25%企業は収益性が2倍以上増加し、株主収益率も業界平均より高かった。これは、デザインへの投資が単なる費用ではなく、高い収益率をもたらす投資であることを示す。
https://www.mckinsey.com/capabilities/mckinsey-design/our-insights/the-business-value-of-design
2.'デザインの新しい地平線' - InVisionレポート、2019
InVisionが発表した「デザインの新しい地平線」The New Design Frontierレポートは、デザインの重要性をより明確に理解できる資料だ。2018年には、InVisionは世界中の2,200以上の組織のデザイナーを対象にアンケートを実施して、The New Design Frontierを作成した。このレポートは、企業の収益にさまざまなレベルで影響を与えるハイパフォーマンスチームの行動、慣行、結果を探る。
このレポートは、より大きなチームが必ずしもより良いデザイン結果をもたらすとは限らないことを明らかにしています。成熟度の低いチームは大規模なチームが多く、収益に良い効果をもたらすチームは小規模なチームである。デザインに多くのリソースを投資しても、デザインチーム、プロセス、サポート体制が適切に調整されていなければ、多くの利益を生み出すことは困難です。一般的に、会社の規模が小さいほど、デザインの成熟度が高くなる可能性が高い....。
https://s3.amazonaws.com/designco-web-assets/uploads/2019/01/The-New-Design-Frontier-from-InVision-012919.pdf
3.デザイン経済、デザインが英国経済に与える影響 - 英国デザイン・カウンシル、2018
デザイン経済は2016年に英国に85.2億ポンド（GVA、Gross Value Added）を創出した。この価値は、英国の金融サービスおよび保険分野の価値の約3/4に相当する。Gross Value Added（GVA）とは、基本的に物品やサービスの価値から原材料やその他の投入コストを差し引いたものを意味する。
GVAは、経済活動の価値を測定するために広く使用されている指標だ。この価値は2014年から2016年の間に7%成長した。
デザイン経済は2009年から2016年の間に52%成長した。この価値の大部分（68%）は、デザインを活用する非デザイン産業（例：航空宇宙、自動車、銀行など）から生み出された。
https://www.designcouncil.org.uk/fileadmin/uploads/dc/Documents/Design_Economy_2018_exec_summary.pdf
4.デザイン価値指数 - DMI. 2015
ザイン中心の企業がデザインを重視しない企業に比べてどれだけ成功しているかを測定する。DVIは主に株価収益率などの金融指標を使用してデザインの経済的価値を測定する。デザイン中心の企業がS&P500に比べてどれだけ早く株価が上昇するかを測定する。この研究では、S&P 500指数と比較して、デザイン中心の企業がどれだけ高い株価収益率を示すかを分析した。研究結果、デザイン中心の企業はS&P 500より211%速く株価が上昇した。
https://www.dmi.org/page/2015DVIandOTW
5.IBMデザインシンキングの全体的な経済的影響 - IBM Design Thinking Effect Report, 2018
デザインの経済的効果を分析した調査分析レポートだ。フォレスターコンサルティングはIBMがデザインシンキングサービスを提供した他の企業を中心に、どのような成果を出し、どのような経済的利益を得たかを分析した。既存のほとんどのデザインシンキング研究は主にプロセスや結果に焦点を当てているが、この研究はデザインシンキングの経済的価値を定量的に測定した。ROI、NPVなどの財務指標でデザインシンキングの効果を具体的に分析して、デザインの活用価値を実証した。
ただし、調査対象のIBMと協力企業はデザイン活用に対する認識が世界最高水準なので、この研究結果を一般化するのは難しい。全校1位とその友達がABC方式で勉強すると成績が良くなるように、すでに高いレベルの能力を持っている生徒は良い成績を取るからだ。他のレベルの能力を持つ企業や組織に適用する際には注意が必要だ。
https://www.ibm.com/design/thinking/static/Enterprise-Design-Thinking-Report-8ab1e9e1622899654844a5fe1d760ed5.pdf
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