日本のサービスデザイン専門家 赤羽太郎(あかばねたろう)氏に聞く。
赤羽太郎は日本のサービスデザイン企業アウトレットのサービスデザインチーム責任者で、シニアサービスデザイナーだ。「サービスデザインネットワークService Design Network」の日本事務局を運営し、HCD-net(人間中心デザインネットワーク)認定の人間中心デザイン専門家だ。
UXデザインとサービスデザインの違い
この二つのデザイン分野の違いは、主に接点の範囲とデザインの包括性にあると言える。
UXデザインは主にユーザーとサービスの接点(UI, User Interface)に重点を置く。 つまり、ユーザーが直接対話する部分をデザインすることが主な目的である。
一方、サービスデザインはユーザー接点だけでなく、サービスの全体的な内部運営まで包括的にデザインする。これはサービスの全体的な経験を考慮することを意味する。
サービスデザインの重要性
日本国内で10年以上続く企業は6.3%に過ぎない。このような状況で、サービスデザインは企業が持続的に成長するために重要な役割を果たす。
大手コンサルティング会社がデザイン会社を買収する傾向が見られるが、これはデザインがビジネス戦略に重要な役割を果たしていることを反映している。サービスデザインは高い投資対効果を持ち、これを通じてより多くのデザイナーが活躍できる場を作りたいと考える。
サービスデザインを実践するフレームワークと方法
サービスブループリント」である。サービスブループリントはサービスデザインで広く使われているツールで、サービスの様々な側面を視覚化して分析するのに役立ちます。このツールはユーザー接点だけでなく、サービスの内部運営まで包括的にデザインするのに役立つ。
サービスデザインに必要な技術
ユーザーのニーズと行動を理解するための研究能力が必要である。
HCD(人間中心デザイン)アプローチを適用できる能力が必要。
ユーザーインターフェイスデザイン能力も重要である。
様々な利害関係者と一緒に問題解決とアイデア発展のための共同創造能力が必要である。
赤羽根太郎は、サービスデザインプロジェクトを成功させるためにはT型人材が必要だと強調する。(T型人材とは、ある分野に深い専門性を持ちながら、他の分野に対する幅広い知識と理解を持つ人を意味する)。
デザインとコンサルティングの境界がますます曖昧になっているため、デザインとコンサルティングそれぞれの領域を再定義する必要がある。
"Designing for Service"という本の日本語翻訳プロジェクトを進めていると紹介された。日本語訳本は2019年6月に出版された。
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