あなたの知らないイギリス【国旗】
こんぺこ~
ぺこらです。
前回は、「イギリス」という呼び名と場所についてお話しました。
今回は、イギリスの国旗について少し触れてみたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。
1.国旗を見る
では、さっそくですが、イギリスの国旗を見てみましょう。
青地に赤と白の十字とクロス。「ユニオンフラッグ」もしくは「ユニオンジャック」と呼ばれます。なんだか背筋がピンとするようなカッコよさがありますね。
でも、少し気になるところ、ありませんか?
子供の頃、私はすごく気になりました。なんで、そこズレてるの?って。
――そう、斜めに入った赤い線。
よぉーく見ると左右で微妙にズレているんです!
今までなんとなく感じていた違和感はこのズレでした。
だって、線を引くならまっすぐの方が楽ですし、バランスが取れている気がします。ですが、イギリスの国旗の斜め線はズレているんです。
一体どうしてなのでしょうか?
ちょっとズラした方がおしゃれだから?
国旗を複製されたら困るから?
違和感を感じることで存在感をアピールしている?
その答えに至る前にもう少しユニオンフラッグを紐解いていきましょう。
2.複数の国旗が重なってできている
前回、イギリスの正式な国名は、
『 グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国 』
とお話ししました。連合王国、つまりは、複数の国で構成されている。
そう、イギリス国旗も複数の国旗が重なってできているのです。
それでは、ひとつひとつ国旗を見ていきましょう。
まずは、イングランド。ユニオンフラッグと比べると、赤と白の十字というとてもシンプルなデザインです。この十字は、聖ジョージクロス(Saint George's Cross)と呼ばれます。キリストの聖人でありイギリスの守護聖人である聖ジョージ(聖ゲオルギオス)のドラゴン退治の伝説にちなんでいます。
なんとなく赤十字にも見えなくもないですが、そちらとは関係ありません。(たぶん)
こちらは、スコットランド。明るい青に白の斜め十字が入っています。
この斜めの十字は聖アンドリュークロス(Saint Andrew's Cross)と呼ばれています。キリストの聖人でありスコットランドの守護聖人、聖アンドリュー(聖アンデレ)に由来しています。
そして、北アイルランド。こちらは白に赤の斜め十字、と色はイングランド、形はスコットランドに少し近い印象を受けますね。
この斜め十字は、聖パトリッククロス(Saint Patrick's Cross)と呼ばれ、北アイルランドの守護聖人、聖パトリックに由来しています。
いずれもそれぞれの守護聖人が由来とされる十字が描かれており、イギリスにとって(ヨーロッパにとっても)キリスト教が重要であったことがわかります。
3.国旗を重ねてみよう!
それでは、この3つの国旗を重ねてみましょう。
む、むむむむ……?
なんだかとっても、変。
スコットランドの青とイングランドの赤が混ざってしまって濁った黒に近い青になってしまっているし、北アイルランドの聖パトリッククロス(Saint Patrick's Cross)が全面に出てきてしまっています。
これでは、美しくないですし、上にある国が上位であるような印象を受けてしまいます。
そこで、取り入れられたのが「カウンター・チェンジ」という手法です。
今一度、イギリスの国旗を見てみます。
上下の視点でみてみると一番上位に来ている国はイングランドでしょうか?
では、二番目と三番目は?スコットランド?それとも、北アイルランド?
実は、ユニオン・フラッグでは、「カウンター・チェンジ」手法を用いて、上下左右非対称にしています。そして、非対称にすることで上位下位が視覚的にわからなくなっているのです。優劣がつかない……
そう、つまりは平等かつ公平なのです。
ちょっとズラすだけで印象が変わるのはなんだか不思議ですね。錯視の世界ですね。
このことからユニオン・フラッグは、まさに連合王国に相応しい国旗といえるでしょう。
ちなみに、言葉としては、ユニオン=連合王国、フラッグ=旗、ジャック=船首に掲げる旗という意味になります。
いかがでしたでしょうか?
イギリスの国旗についてほんの少しでも興味を持っていただければ幸いです。次回のテーマは少し悩んでいるので次回までのお楽しみ、ということで。
また、お会いできるのを楽しみにしております。
ではでは!
今回の画像は、イラストAC様、一部は自作しております。ありがとうございます。
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