色んな人に投げたお話まとめ
一文とか二文で終わる、少し不思議なお話を考えてみました。
501号室の部屋は和室なのに畳ではなく、フローリングである。その下の401、301、201、101号室の天井と床はとても新しい。
心霊スポットを作る方法として、ある場所に花を置き続ける、というものがある。つまりは周りの人にそこが幽霊の出る所以があると思わせればよいのだ。ある日、小学生が横断歩道のまえで「カッコウ、カッコウ」と言って盲目の人を騙して横断歩道を渡らせてその盲目の人が事故死した、そのため横断歩道では盲目の幽霊が出るという噂が広まった。私が撒いた噂はいじめにあった小学生が自殺した、だったのにどうしてそう変わったのだろう。
その絵を持つ人だけ絶対呪われないという絵がある。周りの人が死んでいくのだ。しかし絵の持つ力は呪いを跳ね返す力があるだけなはずだ。
その足が不自由な霊能力者の家にはやたら段差が多い。その霊能力者が逃げたくても逃げられないようにするためだ。
山の中の神社の周りには雑草が全く生えない。また、どんな夏にもセミの声一つ聞こえない静かな神社だ。代わりにセミの抜け殻がご神木に大量についている。ちなみに羽化直後のセミが一番おいしいらしい
その町には二つ、神社がある。周りの地域には一つしかないのに。二つの神社はお互いが向かい合うように建っている。神社の間には家も田んぼも畑も何もない。どちらの神社を参る人もどちらの神社も参らない人もいない
その村ではダムの底に沈むことに反対したものは誰もいなかった。土地の買い上げの値段が高かったわけでも、災害が多かったわけでもない。ダムは予定通り建ったが、自殺者が多いダムとして有名である。
昔からその町ではある一族が神様のように崇められていた。しかし、その一族が何をしたわけでも何の謂れがあるか分からない。誰もが自分の親から「〇田さんの家は大事にしなさい」と言われている。
その地方では抜けた乳歯は大切に保管しなければならない。乳歯はその人にとっての分身のようなものだからだ。だから、その地方では誰かを呪うのも簡単で、乳歯を潰せばいいだけだ。
その地方では、やけに変死が多い。
「こんにちは」 と一日一度留守電が入っている。その正体を暴こうと私は電話の前でずっと待っていた。着信音が鳴った瞬間、電話を取ると「でたでたでたでたでたでたでたでた……」と子供の声でずっと繰り返される声が聞こえた。
近くの神社の神様を私は心の底から信用している。隣の部屋の人間がうるさいなぁと思ったら、大きな病気をして入院していなくなったし、ムカつく上司は仕事中の大けがで仕事を辞めた。神社にいるのが神様なのか、それとも全く別の存在かは分からないが、私はその存在を信じて今日も願掛けをする。
人を呪わば穴二つ、というがそれは本当だったらしい。私の同僚が死んだ。誰かに呪いをかけていたらしい。私の顔写真が死という字で大量に埋めつくされた紙で包まれたものがあったが、それは関係ないことを祈っている。
隣人がとてもうるさい。 イラつきが頂点に達したある日、また叫び声がしたので壁をドンっと殴ってやった。その日から叫び声は聞こえないが、隣人がベランダで「どうしようどうしようどうしよう」という呟いている声だけが聞こえるようになった。
警察署の前に張り出されている「今日の死亡事故」はどんなときも0件にならない。たとえ事故が一件も起きていない日でも。
偶然乗った電車内の人全員が座席の上で正座してこちらを笑顔で見ていた。
君が代の二番目を知ってる、と言った友達が直後から声を出せなくなって早、3年が経つ。
海に白い手が生えているように見えた。船長に報告したが、それはサメだと言って取り合ってくれない。いつの間にか消えていた。
冷蔵庫が突然ブーと音を鳴らすのは大概その中の温度が下がりすぎているからである。ちなみに冷蔵庫内の気温は10度で幽霊の温度は4度くらいらしい。
朝、起きたときに口が乾燥しているのは、おおむね口を開けて寝ているからだ。が、ごく稀に夜のうちにあまりにも怖い体験をしたから、が理由のこともある。
友達の家の犬を一晩預かることになった。初めは初対面の僕のことを警戒していたのだが、夜には僕のベッドの中に入って一晩を明かしてくれた。それを友達に話すとその犬は暑がりなのでそんなことはしないという。あぁ、そう言えば犬は夜中の間すっと震えていたような
その肉屋は全く臭くなかった。生ごみの袋の山でさえも。だから、その肉屋が殺人で捕まった時、妙に納得してしまった。
その学校ではある交霊術が広まったが、それは絶対に成功させてはいけないし、成功できたものもいない。
その廃病院は地元の人が週に一回手入れをして、町から修繕費も出る。しかし廃病院がまだ経営していたころ、地元の人はその病院を使うことはなかった
その地方では新雪で雪だるまを作ってはいけないと言われているが、雪だるまを作った人にはまだ出会えていない。
これは嘘なのですけど、と彼女が嘘のお経と嘘の交霊術と嘘の除霊方法を教えてくれた。今からその方法を教えるから、実践してもらっていい?
山頂のラブホテルはいかない方が良い。害虫がたくさんいるし、ネオンとその賑やかさに惹かれていろんなものが来るからだ
この部屋は何の対策もしなくても害虫が一匹も入らないですよ。3LDKでオール電化。駅に近い立地で、大学からも近いです。家賃が少し安いだけで、他に気になるところなんてないですよ。
一人暮らしの僕のインコは「おかえりなさい」ということはないが、ある日から朝から晩までずっと「来た」と言い続け餓死した。
そのマンションの一室では風呂場に鏡が二つ置いてある。一つは普通の鏡で、もう一つはよく見なければ分からないほど、とても小さい鏡だ。二つはちょうど合わせ鏡の位置に置かれている。
コールセンターで働いたときに先輩から、「この番号からかかる電話には絶対に出なさい」と言われた。その番号に出ても無音が続くだけで、何も聞こえない。
あの町では田んぼの真ん中に案山子が立てられているが、いつから立っているかも、誰が立てたのかも分からない。あの案山子が立てられて以降、周囲の田んぼには鳥や虫が入らなくなった。
彼が眠るとき、必ず「殺してやる」という呟きが私の耳に届く。彼と別れた後でも、それはまだ聞こえる。
おそらく夢だとは思うのだが、幼い頃私は大きな口を開けた怪物に飲み込まれたことがある。この前の胃カメラの検査で見た光景と全く同じであった。
あの、1分くらいずっと画面に向かって人の名前と死因をいうだけのCMに心当たりはありませんか?
昔、抜けた乳歯をとっておいた箱の中を見てみると、大量の土で埋まっていた。歯は消えていた。
人を呪うのは簡単で、殺したいなら神様に自分の命を捧げればいいのよ。そう言って笑っていた叔母が先月ある神社で消息を絶った
近頃、仰向けで寝ているときでも背中が冷たいと感じるが、どうしてだろう
行くときは二股の道だったのに、帰るときは三叉路になっていた。次来たときは目の前には一本道しかなく、帰るときは道がなかった。 ところで僕はそのとき、どうやって帰ったのだろうか。
記憶力が良い彼はある神社に行くときだけ必ず道に迷い、たどり着くことができない
この町では「〇△%さま」という神様が祀られていて、本社の中にある小さな祠を除き、とても管理が行き届いた神社がある。
何事も放任主義だった母が「盛り塩だけは欠かさずしなさい」と言っていたことを、部屋に貼ったお札が一晩でボロボロになった今になって思いだした。
安心してください、と霊園の中の至る所に看板があるが、何故安心してもいいのか、何を注意すべきなのかは書かれていない。
へぇ、みんなはみみのちかくでじ分の名まえがずっとよばれることなんてないんだね。
時々、何もなくても踏切が下りることがあるが、電車が来るときは必ず踏切が下りるため、地元住民は踏切を気にしていない。
「寝てる間の記憶は飛んでいるのに、なんでそんなに安心して眠れるの?」という声が寝る直前に必ず聞こえるようになった。
このカメラは絶対に心霊写真が撮れるカメラなのだが、彼を撮る時だけ、決まって画面が真っ暗になって何も見えなくなる
旅先で引いたおみくじの結果が大吉だったが旅行の欄だけ黒く塗りつぶされていたのはどうしてだろう。
鏡が自分そっくりなんじゃなくて自分が鏡そっくりだと最近、教えてもらったが、誰から教わったか、いつ教わったか定かではない。
その家の畳はいつも一枚だけ新しく、その理由を聞くといつもはぐらかされるが、あの日だけは「聞いてくれる?」と何かに怯えるように言われた。
大量に人形を収集していた彼が「もうホンモノではなくなった」と言って人形をすべて捨ててしまった。
その地区で出るごみはすべて各家庭で燃やさなければならならず、ごみ処理センターにゴミが持ち込まれることはないが、そこの煙突から煙が絶えることはない。
実家にカーテンを閉めてはいけないし、その部屋の電気も消してはいけない部屋があった。ある日、停電した夜、その部屋から出火して家が全焼してしまった。そののタンスの中の誰の存在を知らなかった神棚だけが無事だった理由が今も分からないままだ。
ある家が一家全員が首をつって心中したことで心霊スポットとなっているが、その家でそんな事件は起こっていないし、住人は今でも家族仲良く元気に暮らしている。
内見に行ったマンションはどの部屋の扉にもお札が貼られていたが、一つだけ貼られていない部屋があって、その部屋を勧められた。
その集落では18歳になると髪の毛と爪と唾液を混ぜたものを神社に投げつけなければいけなかったが、それはある時いきなり広まった慣習で、誰が広めたかもどんないわれがあるかもわからない。
飛び降り自殺は大抵、頭から落ちることはなく足や腰から地面にたたきつけられることが多い、という女子高生の会話を盗み聞きして以降、頭から落ちて死んだ自殺者の死体をよく見るようになった。
昔、影踏みをして遊んでいて、影の頭の部分を踏まれてから、私には頭の影ができないの。
もうずっと、屋根裏から視線を感じるが、うちには屋根と天井に人が入れる隙間なんかない
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