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アドビ決算発表(2024年9~11月期、2024年11月通期)

アドビ(Adobe Inc.)は、アメリカの多国籍ソフトウェア企業で、主にクリエイティブ・デジタルコンテンツの制作やマーケティングソリューションで世界的に知られています。

1982年設立で、当初は印刷技術「PostScript」の開発で成功を収め、以降も革新的なソフトウェアを次々と提供してきました。

「Photoshop」「Illustrator」「Premiere Pro」「InDesign」などのソフトウェアを提供していて、これらは写真編集、グラフィックデザイン、ビデオ編集、デスクトップ出版など、クリエイティブ業界で広く使用されています。
また、Adobe AcrobatによるPDFフォーマットの普及や、電子サインサービス「Adobe Sign」により、ビジネスドキュメントの管理にも大きく貢献しています。

また、デジタルマーケティングの分野にも進出しています。企業が顧客体験を管理し、データ分析を活用してマーケティング戦略を最適化するための統合ツールである「Adobe Experience Cloud」を提供しています。

近年は、人工知能(AI)や機械学習技術にも注力しています。「Adobe Sensei」と呼ばれるAIプラットフォームを活用して、生産性とパフォーマンスを向上させたほか、2023年には画像生成AIの「Adobe Firefly」を発表しました。

2022年にコラボレーション型デザインツールを提供するFigmaを約200億㌦で買収することを発表し、界隈の人たちに大きな衝撃を与えましたが、欧州の規制当局の承認が得られず、23年12月に買収断念を決断しています。


四半期決算概要

アドビは12月11日に、2024年9~11月期の四半期決算を発表しました。概要は以下の通りです。

決算資料より作成

売上高

売上高は56億600万㌦で、前年の同じ期と比べ11.1%増加しました。
前回9月の決算発表時に公表されたガイダンスが55.0~55.5億㌦、市場の予想平均(Yahoo Finance)が55.4億㌦でしたので、それらを上回り、四半期ベースで過去最高を更新しました。

売上高の95%を占めるサブスクリプションの収入が前年同期比12.6%増と大幅に増えたため、規模の小さいプロダクト収入の減少(同28.9%減)、サービス&サポート収入の減少(同6.4%減)でも、ほとんど影響はなかったようです。

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