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好決算でも期待値満たせず:ネットフリックス決算発表(2020年7~9月期)

DVDの宅配レンタルからスタートし、今や世界トップのネット動画配信事業者に成長したネットフリックス。
日本でも会員数を増やし、この9月に有料会員数が500万人を突破したことを発表しています。

最新の決算動向

10月20日、ネットフリックスは2020年7~9月期の四半期決算を発表しました。

 (万ドル)    売上高  営業利益  純利益  1株当たり利益
2019年7~9月期    5,245      980     665    1.47ドル
2020年4~6月期    6,148   1,358     720    1.59ドル
2020年7~9月期    6,436   1,315     790    1.74ドル

売上高は64億3600万ドルで、前年の同じ時期と比べ22.7%増加しました。
7月の4~6月期決算発表時に公表されていた見通し(63億2700万ドル)を上回り、四半期ベースで過去最高の売上高となっています。

支出面では、原価のほか、開発費や一般管理費は増加したもののマーケティング関連の費用は前年同期とほぼ同じ程度に抑えたこともあり、本業のもうけを示す営業利益は13億1500万ドルで、前年同期比34.2%増加しました。
こちらも7月の見通し(12億4500万ドル)を上回りました。

ただ、為替関連の未実現損失を計上したことから、税負担の引当額が減ったものの、純利益は7月の見通し9億5400万ドルを下回る7億9000万ドルとなりました。それでも前年同月比18.8%の増加であり、四半期ベースの過去最高を更新しています。
1株当たり利益は1.74ドルで、18.4%の増加となっています。

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有料会員数の推移

ネットフリックスは、ここ数年、新規会員数を大幅に増やしてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、とくに20年1~3月期は1577万人、4~6月期は1009万人と、大幅に増加しました。

そのため、7~9月期以降の下期に関しては、上期の反動もあり新規会員数の伸びは減少するとの見通しを明らかにしていました。
7月の見通しでは、7~9月期は250万人との予測でしたが、実際は220万人にとどまっています。

下の図は、有料会員数の累積データを地域別に見たものです。

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北米(米国、カナダ)が最も大きな市場ですが、EMEA(欧州、中東、アフリカ)がそれに肉薄するところまで拡大しています。
日本を含むアジア太平洋地域は、全体の中ではまだ少数ですが、最も成長している地域として、貢献度が高くなっています。

ちなみに、この7~9月期の地域別の純増数は、
 米国・カナダ 177万人
 欧州、中東、アフリカ 759万人
 ラテンアメリカ 256万人
 アジア太平洋 1,012万人
で、全体の半分近くをアジア太平洋地域が占めています。

コンテンツが続々完成、製作も再開

新型コロナの影響で、コンテンツ制作の一時停止や延期が相次ぎました。
しかし、現在では「ストレンジャー・シングス」のシーズン4や「ウィッチャー」のシーズン2など人気タイトルの制作が再開されています。

報告書の中では、すでに予定していた作品のうち、50作品以上の撮影が完了しているほか、20年末までに150作品以上の撮影が完了するとの見通しが示されています。

新規コンテンツも好調で、9月に公開された「ラチェッド」は公開開始から4週間で、4800万視聴されたようです。

10~12月期の見通し

10~12月期の見通しが公表されています。

売上高 65億7200万ドル
営業利益 8億8500万ドル
純利益 6億1500万ドル
新規有料会員数 600万人

新規会員数は、年末年始の時期を迎えることもあり、復調を見込んでいますが、やはり上期急増の影響は残るようです。
利益に関しても、慎重な見方をしているという印象です。

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まとめ

・2020年7~9月期の売上高は前年比22.7%増加
・1株当たり利益は1.74ドルで前年比18.4%増加
・新規有料会員数は220万人で予測(250万人)下回る
・コンテンツ制作再開、50作品以上が撮影完了
・10~12月期は新規会員数復調も、利益見通しは慎重


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