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FOMCと金融政策決定会合を終えて

今週の重要なイベントであったFOMCと日銀の金融政策決定会合についてまとめました。

これからの転換点になったとも言え、まだまだ楽観視することはできない状況になりました。
簡単にまとめていきたいと思います。

FOMC

まずFOMCでは、市場の予想通り0.25%の利下げが行われ、アメリカのFF金利は4.25-4.50%になりました。
これはすでに織り込まれていたため、特段のサプライズではありません。
今回のFOMCで重要だったのは、四半期に一度公表されるドットチャートなどの経済見通しとパウエル議長の記者会見でした。
9月に公表した見通しからどう変わっているのか、パウエル議長はどのような温度感で話すのか(タカ派かハト派か)、このようなことが注目されていました。

結果、経済見通しについては、まずは来年の利下げ予測が9月発表の4回から2回に変更となりました。
また、来年末のインフレ予想も2.1%から2.5%へ上方修正されました。
そして失業率は4.4%から4.3%へとわずかに下方修正されました。

記者会見については、パウエル議長は今後の利下げは慎重になるべきと発言し、追加の利下げはインフレ抑制の進展次第としました。

ただパウエル議長は、インフレ率が2%まで下がるために、さらなる金融引き締めは必要ないとも発言しています。


今回のFOMCから考えると、次回1月では金利据え置き、3月はまたデータ次第となりそうです。
利上げの必要性が出てくるような流れにはなって欲しくないなと思います。
「インフレは一時的」の再来にならないことを祈るばかりです。


この日の米国株は、FOMCのイベントを受けて下落し、ダウは2.58%安と10営業日連続下落、S&P500は2.95%安と6000を下回り、NASDAQは3.56%安と20000を下回りました。
また、ドル円はドル高円安に、暗号資産も軒並み下落しました。
10年債利回りも4.5%を超えてしまいました。株にとっては重しとなります。


日銀金融政策決定会合

FOMCの次(日本時間では同日)に、日銀の金融政策決定会合がありました。
事前に今回は利上げは見送りとの記事が出ていた通り、日銀は今回は利上げを見送りました。
また、日銀の植田総裁の記者会見において、全体的に円安を牽制するスタンスではなかったことや、輸入物価の対前年比は落ち着いているなどの発言を受けて円売りが加速し、ドル円もFOMC後からさらに上昇しました。

植田総裁が就任したばかりのときに、同じように日銀の金融政策決定会合の記者会見で、インフレについて円安の影響はないとはっきり答えたことがあり、あとで政府に呼ばれていた気がしたのですが、今回は大丈夫でしょうか。
それにしてもなぜ円安を牽制しないのか少し疑問に思ってしまいます。

今後の利上げ時期については、春闘やトランプ政権の経済政策などを見極めたいとし、次回の1月の会合での利上げ可能性が低下、さらにドル高円安となりました。

まとめ

FOMCと金融政策決定会合が連続であり、市場も敏感に反応していました。
ドル円については、FOMCでのタカ派と、日銀のハト派+円安は物価上昇に関係ないよ、という発言でするすると上昇してしまいました。
本日、口先介入があったようで下落していますが、実際の介入があってもすぐに元のレートに戻るので、これこそ「円高は一時的」でしょう。

FOMCでのパウエル議長の発言から、今はまた労働市場への懸念からインフレへの懸念にシフトしたと考えられます。9月には労働市場への懸念から一気に0.50%の利下げをしました。

これからはインフレ指標の結果に市場は敏感になりそうです。


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