#51 体育会精神が仕事で役立ってるなと思う時
僕は小学生〜高校生の時代、約10年近く運動部に所属していました。
(好奇心旺盛で競技は転々としていましたが。)
社会人として働く年齢になって、体育会系で鍛えた精神に助けられてるな〜と思うことが多々あるのでまとめてみます。
「勝利」という逆算からやるべきことを考える。
仕事の進め方には、「積み上げ思考」と「逆算思考」の2つの考え方があります。
スポーツにおいては、ほとんどが逆算思考の一択で、
まず最初に「勝つ」と決めてから、そこまでの道筋を逆算し毎日の練習計画に落とし込みます。
プロスポーツ選手の試合前インタビューなんかを見ると、「絶対に勝つんだ!」という気合が感じられますし、勝ちにいかない選手は誰1人いませんよね。
勝利という結果にこだわるからこそ、自分の至らない部分、相手の弱点を分析した上で、解像度の高い準備ができるのです。
ビジネスの場においても、常に他者との比較で、多少なりともそこに勝ち負けが存在します。
現状の延長戦上で物事を考える「積み上げ思考」では、スケールや変化の大きい仕事ができなかったり、努力の方向性を誤ってしまいがちで、勝利から逆算をする人にはなかなか勝てません。
逆算思考が身についている人は、成果を出すための根拠集めとして、様々な側面から検討ができます。
世間一般のイメージとは違うかもしれませんが、僕個人的な印象では、体育会出身の方との仕事では、進め方がきめ細かかったり、言葉の解像度が高い傾向があるなと感じます。
僕自身、ついつい現実の延長で考えがちなタイプの人間ですが、
仕事で数値目標を追っている時は、スポーツをやっていた感覚を大切にして、「あの時の自分ならどう思考するだろう?」と、よく自問自答しているものです。
日々の失敗の中からフィードバックを得ようとする。
スポーツの場では、毎日が勝負の連続で、失敗の数をひたすら重ねるのが日常です。
いくら練習を重ねたところで、本番でその成果を出せるかどうかは別問題ですし、
失敗を通じて見えてくる自分の弱さ、至らなさは非常に大きな学びを与えてくれます。
そのため、勝つとは決めているものの、心の奥底では、「失敗するのは当たり前だし、失敗しないと始まらない。」という事実を、体感として理解するようになります。
「負けたらどうしよう…」と、うじうじ悩むことに意味は無く、「まずは勝つためにできる準備をし、仮にダメでもそこから学べばいい。」ということを、スポーツは教えてくれました。
この事実を理解していたおかげで、仕事においても失敗への心理的ハードルが低く、
気軽に物事に取り組んだり、失敗しても落ち込む暇もなく、淡々とPDCAを回せている感覚があります。
もっというと、失敗を繰り返すことで確率論的に
自分の得意な分野、不得意な分野も見えてきて、強みを活かせる働き方にも繋がってくるのです。
逆に「失敗しないように、失敗しないように…」と長年生きてきた人は、
変化の大きい仕事が苦手だったり、歩んできたレールから外れたくないという傾向を感じます。
(日本の学校教育の弊害だと思います。)
そう感じた時に思い出したい僕の好きな言葉に、
「専門家とは、非常に狭い分野で、ありとあらゆる失敗を重ねてきた人間のことである。」
という海外の物理学者の名言があります。
「自分」という狭い分野で失敗を重ねることが、自己理解に繋がるはずだと思います。
「できない理由」ではなく「できる理由」を考える。
日々の仕事において、組織の大きな変化や、業務の集中などにより、一時的にマンパワーが必要な場面はどうしても生じるもの。
そんな大切な場面で、しっかり踏ん張り切れるかどうか?というのは、自分の成長や組織の貢献に大きく役に立ちます。
(もちろん、そうならないようなリスクヘッジや業務改善は日頃から必要です。)
こういった時に、過去の経験や自分のキャパシティに囚われ、真っ先に「できない理由」を探し、必死にプレゼンを始める人がいますが、それは最終手段の話。
どんな場面でも、まずは「できる理由」を探してみるという姿勢が無くては、一向に現状を変えることはできません。
こういったマインドセットについても、スポーツで敵わない相手に対峙した時の感覚で、少しずつ養うことができたなあと感じています。(もちろんまだまだですが。)
これらの考え方がスポーツの場でないと鍛えられないというつもりはありませんが、
幼いうちから勝負事に触れているというのは、ビジネスの現場の感覚に適応するためには、とても理にかなっているのでは?と思うものです。