#20 自責するべき時、他責するべき時
僕は学生時代から「他責思考の人間は成長しない。何事も自責して考えろ!」と教えていただいてきました。
自責思考とは、問題が起きた時に環境や他人のせいにせず、自分が至らない点を受け止め、どうすればよかったのかを考え改善に努める姿勢です。
若いうちに叩き込んでいただいたことは本当にありがたいと思っていて、単純に物事の捉え方を変えることで、自分の経験値の溜まり方も変わってくるなと感じます。
他責思考で、自分の不幸を何でもかんでも他人や環境のせいにする人は、「自分は自分の力で幸せを掴む力の無い人です!」というネガティブキャンペーンをしているようなものなので、周りの人は離れていく傾向があります。
いい年をして、口を開けば「上司が仕事を教えてくれない」「あの人は自分と環境が違うから〜」「時間がないから〜」「景気が悪いから〜」という愚痴しか言わない人も多いものです。
(他責思考な人ほど自分の課題に目がいかないので直せるものも直せないのが難しいところですが…。)
しかし、自責思考が大切である一方で、自責の意味を履き違えてしまうと心を病んでしまうので、注意しなければいけないポイントがあるなとも思います。
仕事の観点で言うと、特に新人のうちは、できないことが多い分、自責しようと思えば何でもかんでも自責できてしまうんですね。これが怖いところ。
そのときに考えるべきなのは、「これは自分が今すぐどうこうできる問題なのか?」ということ。
悩みすぎて潰れてしまう人の特徴としては、客観的に見ても自力でどうしようもない問題を自責して1人で勝手に追い込まれる傾向があります。
自分の成長に限界を決めず全てを改善していく姿勢も一理ありますが、あれもこれも考えてプレッシャーに潰れてパフォーマンスが落ちてしまえば本末転倒。
そうなると、本当に自責をすべき、改善できることに目を向けられないため、悪い状況がいつまでも続くことになります。
これは自己愛に欠けている態度で、心と時間がもったいないです。
上手くいかない時こそ、選択と集中の考え方で、反省点を自分にできる範囲に絞り、「ピンポイント自責」をするべきです。
それ以外の部分は、現時点ではどうしようも無いと割り切り、思い切って他責してしまって問題無いと思います。(他責というより、「改善の保留」という言い方がしっくりくるかもしれません。)
そうやって少しずつ、自責→改善→自責…のサイクルを回し自分のできることを増やしていくことで、当初は難しすぎた困難も乗り越えられるようになります。
他責思考は相手をコントロールしようとしてしまっているので、無闇におすすめできないですが、
自分の自責すべき点に集中することで、次第に他人のことはどうでも良くなってくる感覚があります。だってどうしようもないから。
思考の癖というのは簡単には変えられないものですが、自分が日々気持ちよく毎日を過ごすためにも、たまに他責しながら無理なく課題を改善していきましょう。