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#24 仕事のアウトプットを記録/更新しておくと何かと便利
日々、求職者様と転職相談や模擬面接をしている中で、「仕事を通じて自身が工夫したこと・苦労したこと」というのは、意外と言語化しにくいものなのだなと感じます。
皆さんこれまで成果を出し、会社に認められてきた方々ですので、「業務でもっと上手くやるにはどうしたらいいだろう?」と考え、知識習得や試行錯誤をされてきたはずなのですが、
「その過程を人に伝える」という前提が無いせいか、自身の知見の多くが無意識の中で蓄積されている人が多い印象があります。
そんな中で急に、仕事でどんなことを工夫してきましたか?と聞かれても困ってしまいますよね。
ただこういった場合、転職活動での職務経歴書の作成や面接ではひと苦労します。
エージェントとしては、ご本人の強みや経験を伝えきれないまま採用お見送りとなってしまうのは避けたいため、なるべくアピールとなり得ることを一緒に深掘りするのですが、
自分がどれだけ仕事と向き合ってきたのかを、赤の他人が想像できるほどの高い解像度で言語化できる人は、やはり転職活動においても強いなと感じます。(逆にたくさん学ばせてもらってます。美味しい仕事です。)
僕も忘れっぽい人間なので、記憶だけに頼ると過去の仕事のことはほとんど覚えておらず、年に数回の人事考課でさえ、特に定性的な項目には苦戦したものです。。
そのためにも、日々の仕事のアウトプットの記録と更新というのは、ベタではありますが非常に役立つと思っています。
日記やノート等に自身の工夫や困りごと、成功事例をメモしたり、会って話す人に共有してみるという具合ですね。
これは転職活動に限らず、様々な場面で有効だと思っていて、
例えば後輩指導など、他人に自分の経験やノウハウを伝える際には、記録を振り返ることで「自分は新人時代にどんな壁にぶつかって、どう乗り越えたんだっけ?」という過去を思い出せ、当時の自分の視座に立ち帰ることができるため、より説得力や親近感のあるアドバイスが可能になります。
また、メモがなかなか更新できなかったり、人に会っても新しいネタがない日々が続いたときには、
最近の自分が新しいことを学んでいない事実にハッと気づかされ、知らぬ間にコンフォートゾーンに留まっている状況を客観的に認識できるという意外な効用もあります。
ビジネススキルを着実に伸ばし、アピールが上手な人の中には、転職するしないに関わらず、職務経歴書を毎年更新している方も多くいらっしゃいます。
(アメリカではLinkedInが主流なので、多くのビジネスパーソンはリアルタイムで更新しています。)
そうすることで、「自分はこの期間で、外にアピールできる経験を積むことができただろうか?」という定期的な内省が生じ、毎日の業務にプラスアルファを加えて新たな価値を生み出す動機づけにも繋がっていきます。
自身の成長を思考の中に留めていると、その過程で生じる多くの葛藤、努力、データが記憶の彼方に忘れさられている可能性が非常に高いです。
その忘れ物は、周囲に自分を表現したり、困っている人の手助けになる可能性を秘めています。
今この瞬間の積み重ねを、是非記録してみてはいかがでしょうか。