ウルシスト 千晶
漆って愛おしい と心に沸き出る思いを 戯れに、このnoteに書き残してみようと思うもの
漆とは 『つよきもの』 前の記事を書いた次の日に、能登に豪雨災害が発生した。 幸い、、と言っていいのか分からないが、記事に書いた友人も、ほかの知人たちも、浸水被害は受けたものの無事だった。もちろん東京にいる自分は何の被害も受けていない。 にも関わらず、1週間以上、頭も心も体もずん…と落ちたままだった。何かできることはないのかと、周囲に呼びかけ土砂掃除用のタオルを集め、能登に向かう友人に託したり、被災したわけでもない自分が凹んで何になる!と自らに怒りを向けてみたりするもの
漆は接着剤。人のご縁もくっつける。 漆器ギャラリーオーナーでエッセイストの高森寛子さんが、手紙のなかに書いてくれたことば。いまから14年前、まだ漆器を仕事にする前のこと。 以来、私のとても大切なことばになった。 高森さんのギャラリー「スペースたかもり」を訪ねるきっかけになったのは、まだ世に出たばかりの一人の女性漆芸家との出会いだった。当時私はまだ会社員。あまりにも忙しい毎日に、ぷつっと糸が切れたように突然旅がしたくなり、金沢へ。その旅先で偶然言葉を交わしたのが彼女だった
漆とは 『心しずまるもの』 と友人が言った。 「結局、心しずまるものに落ち着いたのよね」 ワクワクするもの、心ふるえるものも良いけれど 最後には心しずまるものに帰ってくると。 漆器を手のなかにおさめると、ほっとする。 まるで人肌に触れたように、 固いのに柔らかく、 乾いているのにしっとりと吸いつく質感。 いまはいろいろ便利でコスパの良いものも多いから、多くの家庭で日常の暮らしから漆器が遠のいているけれど、時間に追われ、ときに殺伐とした空気が流れる現代こそ、漆器を両
漆とは 『深きもの』 初めて漆の魅力にとらわれたとき それは 吸い込まれるようだった 目の前に現れた少し大きな朱塗の器は 少し暗い部屋の中で 凛として 艶やかで あかく そして透明 深く 深く 吸い込まれるようだった あの瞬間 あの感覚 谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』のなかで、暗闇と蝋燭の灯りで見る漆器の美しさについて著したのを読んだのは、それから何年もあとだった。 私があの日体験したのは、そんなここちだったのかもしれない。 あの妖しいほどに深く、鈍い光を放つ朱
漆とは 『ここちよきもの』 Chat GPTに聞いてみた 問「漆の魅力を語ってください」 答『漆(うるし)は、日本の伝統的な工芸材料として古くから愛されてきました。その魅力は・・・うんぬんかんぬん・・・(後略)』 924文字で立派に答えてくれて うん、その通り でも。。。 長いな 7文字で言えるよ 『ここちよきもの』 そういえば 7の漢字(大字)は『漆』 ウルシストとして活動を始めてずっと、 「漆の何にそんなに惹かれるの?」 「なぜ漆なの?」 よく聞かれて
この草子、 目に見え、心に思うことも耳に聞くことも口に出すことも、 すべてが漆つながりになってしまう 漆を愛するウルシストが 漆って愛おしい と心に沸き出る思いを 戯れに、このnoteに書き残してみようと思うもの 「草子」には 綴じ本、書物といった意味のほかに、 書き散らした原稿、という意味もあるらしい 漆草子はおそらく後者になりそうで これが枕草子のように1000年先まで残ることは無いにしろ 漆塗りに触れたときの幸福感は、1000年先まで残ってほしいのです きっと