タントーブレードの特性
筆者はこれまで40数本のナイフを購入してきたが、その中でも最も最初に購入し、尚且つ未だに使い続けてる個体にアメリカ、ベンチメイド社のベストセラーナイフこと、ニムラバス141SBKがある。
航空機エンジン用タービンブレードに用いられるステンレス鋼154CMとアルミニウム製ハンドルを採用しており、非常に軽い。
軽い 重量バランス良し 頑丈 と、三拍子揃った個体であり、以前ナイフ格闘に長けた某人物に「オススメのナイフ」を聞いた所、「ニムラバス持ってるんでしょ?充分過ぎるでしょ」とさえ言われている。
最も、現在では国内在庫どころか米国内でもだいぶ入手が難しくなってしまった。一応紹介できるルートもあるにはあるのだが…。
前置きが長くなった。ニムラバスシリーズには2パターンのブレードのタイプが存在している。
ニムラバス140はユーティリティと呼ばれる形状のナイフである。こちらは普段使いにも適した形状であり、包丁として使うにも良いだろう。実際、ニムラバス140はキャンプでの調理や釣りの際、魚の3枚卸に使う知人もいる。
一方で筆者の保有する141SBKはタントー(日本語の短刀に由来)ブレードと呼ばれる、より直線的な形状となっている。
こちらは斬撃(SLASH)よりも刺突(STAB)に優れた形状であり、刃がカーブしたユーティリティ、ドロップポイント等のナイフが「綺麗に斬る」のに対してこちらは「斬りつつ圧して破壊しながら刺さる」といった特性がある。軟部組織を刺した際、より「汚い傷口」になりやすい。
☆致命傷になりやすい≠ストッピングパワー☆
一般的に「刺突(STAB)」の方が致命傷になりやすい。しかし、ストッピングパワーという観点で見ると、「斬撃(SLASH)」の方が優れているとも言われている。激痛と共に、大量の出血が興奮を止めてしまうともある人物から教わった。
いずれにせよ、どちらの方が良いとも言えない。ナイフを使用する戦闘員の癖、好み次第で決まる。ナイフ、手斧等を始めとする近接武器は所詮は拳の延長線に過ぎない「道具」である。
筆者は装具にタントーブレードと両刃の両方を組み込んでいた。それとは別に作業用のフォルダー(折り畳み)も入れていたが、そちらはユーティリティ形状である。