「大きい丸の中心を狙う意識」精密射撃時のテクニック@基本射撃
公安職、自衛官の恒例イベントの一つに「実弾射撃」がある。 この実弾射撃、毎年結構な割合で級外者がどうしても生じる。「射撃は減点法」「外れる要因有れど、あたる要因なし」とはよく言ったもので、その要因はあまりにも多岐に渡るため、今回は射撃時の狙い方に関してテクニックを紹介したい。
人間の優れた能力の一つに、「円の中心点を正確に見出す能力」がある。
射撃の低練度者がやりがちな照準の一つに、「的を見過ぎて、照星がボヤケている」がある。これは真逆で、ボヤケている的にクッキリと見える照星の頂点を重ねて射撃するのが正しい見出しだ。日本の自衛隊、警察及び海上保安庁が保有する小銃の照門は穴を通じて照星を視る孔型照門(ピープサイトという)であり、照門の孔の中心点に照星の頂点を保持して見出す事は別に難しくはないだろう。
さて、低練度者がやりがちな照準のもう一つに、「標的の黒点を狙うも、余りにも小さい為、なかなか狙いが付けられず、ミスを誘発する」というもの。コレを解消する手段の一つに、「黒点から少し広めの円形を意識して、その中心点を狙い、思い切りよく軽い気持ちで射撃する」というものだ。もし許されるなら、標的の中心点から広い範囲を黒く塗ってしまい、より大きな円にするのも良い。
「黒点を大きくするだけでは、結局外縁までの何処かにあたるだけじゃない」と思うかもしれないが、案外ド真ん中にあたったりする。円の中心を正確に見出す、人間の優れた能力の作用だ。
筆者はかつて拳銃射撃が非常に苦手だった時に教官から「10点圏狙うんじゃなくて、7点圏あたりまでのエリアを狙ってみな」という教えにより、3級から特級まで一気に点数が跳ね上がった経験がある(本当だよ)