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「方舟」ネタバレあり感想&イメージイラスト描いてみた

イラストレーターのうるぽろです。

最近は読書にハマっていまして、特にミステリー小説がアツい!!!!

自分の中で、過去に何度か小説ブームが来ていたのですが…

この「方舟」を読んで完全にブームが再熱してしまいました。

そして、読んだ小説の感想をどこかに記録しておきたいなぁと思っていたのですが、「せっかくなら小説の世界観をイラストで表現してみよう」となりまして。

元々素晴らしい装丁があるにもかかわらず、厚かましくファンアートとして勝手にイラストを描かせていただきました。

ネタバレにならない程度に描いてはいますが、読んだ人は「あっ」となるはず…?

そして、イラスト下部は書籍の帯をイメージしておりまして、この帯をめくると……という仕掛けも入れてみました。
未読の方がいらっしゃるかもしれないので、イラストの全体像はこのnoteの最後に貼っておきますね!

ネタバレあり感想


ここから先は小説を読み終わった方向けになります。






はい。

「方舟」というタイトルから「ノアの方舟」をモチーフにしていることは分かっていて、読み始めから注意していたのですが…

最後にそういうことか〜!!ってなりましたね。

みんな度肝を抜かれたラスト。

まさかの謳い文句だった
「9人のうち、死んでもいいのは、死ぬべきは誰か?」の問いかけ自体が読者を誘導する罠だったとは〜!


「ノアの方舟」はそんなに詳しくないのでざっくりですが、
方舟に乗り込んだノアと一組ずつの動物たちが大洪水から逃れ、助かる。
という物語です。(ざっくりすぎる)

そして今回の小説において「方舟」は、全員が閉じ込められた「地下建築」を指していました。

なので、
「…ん?ノアの方舟的には、中に残った方が助かるんじゃ…?」
という違和感を持ちながらも、地下建築は浸水しているし、どんどん食料もなくなるし、死体も増えていくし、どう考えても早く「犯人」を見つけ出して外に脱出することが助かる唯一の方法だと信じちゃったわけです。

なんてったって、最初から「9人のうち、死んでもいいのは、死ぬべきは誰か?」をテーマにお話が進んでいたのですから…!

いや〜まんまとやられましたね。
やはりタイトル通り、方舟に乗っていた人が助かるという構図に痺れました。

ラスト、安堵から一気にどん底に突き落とされる感覚は本当に衝撃でした、、!
スマホアプリの通話シーンで、動悸息切れ起こしたのはきっと私だけじゃないはず(笑)

まさかのバッドエンド。
しかも、主人公たちが最後どうなるかまで文章で書き切らず、アッサリとした終わり方が、絶望感を際立たせていて上手いんですよね〜!!!

書いてはないけど、犯人以外のみんながそのあとどうなってしまうのか。
これを読者に予想させる文章の終わらせて方がうますぎる、夕木先生〜!

この終わり方は映画「SAW」感があって最高すぎますね。


あとどうしても語りたいのが…
犯人の麻衣ちゃんについて。

ミステリーにおいて犯人の動機は?!というのが気になるところですが、シンプルに「自分が生き残るため」だったのがホンマ強いなって思いました(バチェラーの友永さんかよ笑)

私は麻衣ちゃんの「生きたい」という人間の本能にすごく共感しています。
むしろ、他の人たちは自分が生きるか死ぬか分からない、不気味すぎる地下建築に閉じ込められた状況で、のんびりしすぎでは!?と思うほどでした。

もっと取り乱す人がいてもおかしくはないと思うのですが、こんな状況で外ヅラを保った人が多いことに違和感さえ覚えます。
事件は会議室で起きてるんじゃない、地下建築で起きてるんだ…ッ!てね。

もしかしたらみんなはどこかで「自分は助かるよね」「だって残るべきは犯人だし」って他人事にしてしまってたのではないでしょうか。
憶測ですが(笑)

そんな中、麻衣ちゃんだけが生きることに本気だった。

スマホアプリで主人公にネタバラシするのはなかなかに意地悪でしたが(小説の演出として仕方がないか笑)、かなり好きな犯人です。


方舟。大好きな小説なので、これはぜひ映像化して欲しい!!
ラストの絶望感を映画館で味わいたい作品です。

というわけで、冒頭のイラストの全体像を貼って終わります。

意味が分かると怖いイラストっぽくしてみました

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