パリ日記
この記事はbiolアドカレ2023の5日目です。
先日の記事はこちら↓
私も分類学徒のはしくれなので、こういう記事は助かります。ryo先輩はこのアドカレを立ち上げた方でもあるので、三跪九叩頭の礼をとりましょう。
はじめに
iGEMという合成生物学の国際大会に出場するため、11月頭にパリに行ってきました。
もともと旅好きなのもあって、本来の目的を忘れるくらいには楽しんできました。
で、その間に感じたことをスマホのメモ帳に書き付けていたものを、一応見れる形に手直ししたのがこの記事です。
ゆえに、若干読みにくい箇所もあるかと思いますがご容赦を。
※なお、以下の日記ではiGEMの内容について1ミリくらいしか触れません!
11/1 日本人オタク、パリへ発つ
朝4:30。つくばセンターに集合して成田空港に向かいます。徹夜でLobotomy Corporationをやっていたのでめちゃ眠い。
成田からはエールフランスでパリ、シャルル・ド・ゴール空港へ向かいます。直行便だと楽でいいね。
機内食、普通に和食じゃん(日本で補給してるから当然である)。コーヒーとかと同列で味噌汁を貰えるのが面白い。ワイン貰えば良かったと後悔。
東京からパリまでは15時間弱かかるわけですが、これが長いようで短い。当然電波を発する機器は使えないので、強制デジタルデトックスになるのは良いかも。
映画を見よう
機内で映画が見れたので、『ブレット・トレイン』を見る。見るのは3回目だけど変わらず面白い!!!
おれはタンジェリンが好き。
ヨーロッパの都市の夜景、美しい
スマホのカメラの性能を恨む。ウィーンも奇麗でした。
夜、シャルル・ド・ゴール空港着。
初めての入管なので緊張したけど、パスポートと航空券を見せただけで何もなく通れた。せっかく「サイトシーイング」って言う準備してたのに……
降りたターミナルから、出口まで鉄道で(!?)移動。シャルル・ド・ゴール空港、広すぎる。
預け荷物を待っていると、同じレーンでレユニオン島(フランス海外領土)からの便も扱っていてグッとくるぜ。
RERという近郊鉄道的なものに乗ってパリ市内へ。
国際大学都市駅で下車、宿まで歩いてチェックイン。
宿はエアビーで取りましたが、想像以上にナイスな宿でした。
※鍵を開けるのが難しすぎる点を除く
つくばセンターのファミマで買ってきたパンを夜食にして、この日はとっとと就寝。
11/2 「フランス人が教える、幸せのためのたった一つの習慣」とは、信号無視である
7時頃起床。昨晩の残りのパンを食べ、iGEMの会場へ。
おれたちの宿、こんな感じだったのか(昨夜は真っ暗で分からなかった)。
最寄り駅まで、国際大学都市の中を歩いて通ります。国際大学都市ってのは、パリ市内の大学に通う留学生向けの寮を集めた地区のことで、40カ国もの寮があるらしいです。そして寮の建築がよい!
国際大学都市駅から、トラムに乗って会場のパリス・エクスポ・ポルト・ドゥ・ヴェルサイユへ。
初めて見るパリの街並みにとても感動。絵に書いたような「ヨーロッパの街」!
ところでフランス人、普通に信号を無視して道を渡るのでビビる。「フランス人が教える、幸せのためのたった一つの習慣」とは信号無視なのではなかろうか。
会場着、長蛇の列、審査に遅刻しかける
11時。会場に着くも入場口まで長蛇の列。待つしかないのか……?となりながら並びます。てか、アジア人多いな(出場チームの過半数が中国なので当然である)。
……30分ほど並んだところで、メンバーが重大な事実に気づき始めます。
12:00からjudging session(審査)なのに、このままではどう考えても間に合わなくね????
仕方ないので係のお姉さんにしどろもどろに伝えたところ、大慌てで案内してくれました。感謝してもしきれない。
どうにか3分前に入室。よかったよかった。
そんなこんなで慌ただしくjudging sessionを行いました。まあ全力は尽くしたと思います。
昼ごはんは会場のマクドナルド。ポテトに塩味がついてない!!!!というカルチャーショックを受けるなど。
他大学の日本勢の方とご挨拶しつつ、午後はブースに滞在。
そこそこの人達が来てくれたかな?
中国人、親切だし礼儀正しい
先述の通り、iGEMは出場チームの過半数が中国のチームなので、中国の方が会場にもめちゃ多いわけですが、これがまあ親切で優しい。
あと、清華大とか北京大の人が来てビビる。怖い。
向こうのアニオタも多い。呪術廻戦とチェンソーマンとFGOのオタクが来ました。
全体を通じて、なんというか、英語力不足を痛感しましたね……。
パリ滞在の生命線、ハンバーガー
晩御飯は、今後もお世話になる宿の近くのハンバーガー屋にて。
安くてうまく、しかも英語の通じる親切な店員ニキがいる最高の店。
11/3 パリにもワカケホンセイインコはいるし、うるさい
10時頃、のそりと起床。この日はメンバーと相談して、ブースに滞在するのを午前と午後に分けていたのです。
起きてリビングに降りたら食卓がこれで絶望しましたが、気を取り直して朝食にカロリーメイトを食べます。
用事は午後からなので、宿でダラダラした後、例のハンバーガー屋で昼食。
昨日と同じように国際大学都市の中を歩いていくと、ワカケホンセイインコがいました。東京のと同じくらいうるさい。
あと、「バゲットを持って歩くフランスのおじさん」が実在したのかという発見をする(この後も何度も見かける)。
team presentationを見守り、会場で寝る
会場に到着後は、team presentation。私は登壇しないのでマジで見守るだけ。
18時までブースに滞在しなきゃだったのですが、時差ボケに耐えきれず会場で爆睡。寝るのに都合いい椅子があるのが悪い。
ワインが水より安い国、フランス
ハンバーガーばっか食べてるのも何なので、夜は自炊することに。近所のスーパーへ買い出しに行きます。
ワイン、めちゃ安い(1ユーロ~)!チーズも安いぜ!
11/4 フランス国立自然史博物館という最高の施設
朝8時頃起床。昨日買ったバゲットを切り、チーズをのせて焼いて食べる。
この日は一日観光することに。まずはバスに乗って国立自然史博物館を目指します。
が、バス停がややこしい!(系統の番号が合ってるバス停で待ってたら、そこはもう使われてなくて、近くの別のバス停だった)
バス停を探してさ迷っていたところ、通りすがりの親切なフランス人のおばちゃんに教えてもらってこの罠を回避。ありがとうおばちゃん。
そんなこんなで国立自然史博物館到着。しかし、骨格・化石標本館に入ろうとするが予約で満員だと言われる。
仕方ないので、進化館の方に向かいます。フランス国立自然史博物館は、骨格・化石標本館や進化館、植物園に動物園からなる総合博物館なのです。
進化館、正直あんまり期待してなかったんですけど、めちゃ良かったです。まず、建築がよい。1階から4階まで吹き抜けで、開放感があります。
館内のインテリアと暗めの照明もよい(写真は撮りづらいが)。さすがフランス、驚異の部屋の伝統を感じさせます。
さらに、展示標本もマニアックな所まで網羅。
菌類も少ないながらも展示されていました。アミガサタケの仲間の標本が多いのは、重要な食菌として利用しているお国柄を感じさせます。
博物館を堪能したのち、メトロでパリ市街中心部へ向かいます。
セーヌ川を渡り、ルーブル美術館を外見だけ見る
ルーブルの最寄り駅で下車し、ルーブル美術館のほうへ歩いていきます。途中でセーヌ川を渡り、おおこれが……!と少し感動。
ルーブル美術館を外見だけ見ます(入場料も時間も足りないので)。
ルーブル近くのショッピングモールでおみやげを買います。日本製の文房具店があってびっくり。店員さん日本人だし。
せっかくフランスに来ているので、夕食はビストロでフレンチを食べることに。鴨の焼いたやつ、うまい!
夜のセーヌ川沿いを歩いて帰ります。
そんな感じで宿にたどり着き、疲れが出たのかすぐに僕は寝てしまいました。メンバーは遅くまで酒盛りしてたみたい。元気ですね。
11/5 オタクは骨格標本と化石を堪能し、フランスが名残惜しい
朝、8時頃に起床。自炊したときに残ってたバターを朝食とする。
午前中は、iGEMの閉会式をサボり、昨日のリベンジで再び国立自然史博物館へ。リーダー自らが行こうとしているので文句ないでしょう。
今度こそ予約して、いざ入館!
素晴らしい、素晴らしい展示。もともと骨格標本を作るのを趣味にしていたので、本当に楽しい!
クアッガやステラーカイギュウ、ドードーの骨格標本があるのはさすがフランスと言わざるを得ません。お前らが滅ぼしたので当ぜ
この建物は、1階が現生種の骨格標本メインで、2階・3階が化石のフロアになっています。
そして化石の方もすごい、しれっとタイプ標本がおいてある!
フランス国立自然史博物館にはこの分野の権威がいる(いーちー情報)らしく、脊椎動物の系統進化に力が入っています。実質脊椎動物進化学だ、これ
無脊椎動物もなかなか力が入っております。というか3階は全部無脊椎動物。
写真を撮り忘れましたが、厚歯二枚貝に力が入っていてお国柄って感じだな~と。
まだまだ展示は楽しめるので名残惜しいのですが、時間が時間だけに泣く泣く退館。宿に戻ってチェックアウトします。
そして例のハンバーガー屋でフランス最後の食事。5日間本当にお世話になりました。
結果発表~~~~~~!!!!!
ハンバーガーをほおばりながら、会場からのライブ中継で結果発表を見守ります。結果は……
Silver Medal!!!
まぁ妥当か……と思いつつ、来年はGold Medal取りたいな~悔しいな~~~という気持ちも。
とりあえずJudgeからのフィードバックが来るまでは反省してもしょうがないので、切り替えて帰国に集中します。
さて、初日と同じように空港にRERで向かおうとするも、空港行きの列車がなぜか運休?ということで、途中からバスに乗り換えて空港へ。
バスの車窓を眺めると、シャルル・ド・ゴール空港周辺、田舎すぎるなと(成田と似たようなものか)。
シャルル・ド・ゴール空港でお土産などを物色したのち、飛行機に搭乗します。
さようなら、全てのパリ
夜遅くにパリ発、いざ羽田へ。フランス名残惜しい~~~!!!
機内食、フォンダンショコラが美味しい。
✓ワインを頼む、リベンジ成功
呑んだら眠くなったので、しばし睡眠……
11/6 そして日常へ
目覚めて、飛行機の中で日の出を見る。パリで夜になってからまだ7時間くらいなので、変な感じ。
コーヒーを取りに後部に行き、フランス人の赤子と触れ合う。赤子はもともと言葉が通じないので、むしろコミュニケーションが楽だねぇ。
映画を見よう2
コーヒーを飲みつつ、『TENET』と『オーシャンズ8』を見る。
TENET、映像技術がすごい。クリストファー・ノーランのことだから、撮影めちゃ大変だったんだろうなぁ……
オーシャンズ8、見たことないと思ってたけど、たぶん昔に見たことある。
機内食の朝ごはん、いくらなんでも飲み物が多すぎる。
そうこうしているうちに、日本に近づいてきて、東京の夜景ってヨーロッパに比べて白いな(ヨーロッパは黄色い)と思ったり。
東京、気温が生暖かい街
無事に飛行機は羽田空港に着陸。入国審査と税関もすんなりと通れました。
東京、パリよりもだいぶ湿度も高いし暖かいです。
羽田からは電車とバスでつくばへ。
あっという間に、
ああ、帰ってきてしまった……