都道府県別婚姻件数から見る日本の結婚事情
今回は、全国47都道府県の婚姻件数データを分析してみました。実数と人口比という2つの視点で見ることで、日本の結婚事情の実態が見えてきます。
1. 婚姻件数(実数)から見る結婚の現状
婚姻件数 上位5都府県
東京都(69,813組、偏差値96.1)
大阪府(39,005組、偏差値72.1)
神奈川県(38,664組、偏差値71.8)
愛知県(33,509組、偏差値67.8)
埼玉県(28,345組、偏差値63.8)
首都圏と関西圏、そして中部の中心である愛知県が上位を占めています。特に東京都は2位の大阪府の約1.8倍もの婚姻件数を記録しており、突出した数値を示しています。
婚姻件数 下位5県
秋田県(2,618組、偏差値43.7)
徳島県(2,457組、偏差値43.6)
島根県(2,337組、偏差値43.5)
高知県(2,332組、偏差値43.5)
鳥取県(1,977組、偏差値43.2)
下位5県はいずれも地方県で、人口規模が比較的小さい県が占めています。最も少ない鳥取県は、東京都の約35分の1の婚姻件数となっています。
2. 人口10万人あたりの婚姻件数から見る結婚の実態
実数での分析では見えてこない、人口規模を考慮した結婚の実態を見てみましょう。
人口比婚姻件数 上位5都府県
東京都(49.8組/万人、偏差値82.0)
沖縄県(47.8組/万人、偏差値77.0)
愛知県(44.6組/万人、偏差値69.0)
大阪府(44.3組/万人、偏差値68.3)
福岡県(43.0組/万人、偏差値65.0)
人口比で見ると、実数では19位だった沖縄県が2位に浮上するなど、異なる様相が見えてきます。
人口比婚姻件数 下位5県
新潟県(32.6組/万人、偏差値39.0)
山形県(32.1組/万人、偏差値37.8)
岩手県(30.7組/万人、偏差値34.3)
青森県(30.6組/万人、偏差値34.0)
秋田県(27.7組/万人、偏差値26.8)
人口比で見ても、東北地方の日本海側の県が低い傾向にあることがわかります。
3. 注目すべき地域特性
実数と人口比で見える特徴的な地域
東京都
実数、人口比ともに1位を維持
結婚適齢期人口の集中と、結婚のしやすい環境の両立
沖縄県
実数では19位→人口比では2位に急上昇
若い人口構成と結婚を重視する地域文化の影響か
地方中核都市を持つ県
福岡県:人口比5位と高順位
広島県:人口比8位
地方での結婚機会の中心としての役割
4. 見えてきた課題
地域による結婚環境の格差
都市部と地方の結婚機会の差
経済基盤の地域差による影響
出会いの機会の地域差
東北地方の構造的課題
実数、人口比ともに低位
若年層の流出と結婚機会の減少の悪循環
特に日本海側での深刻な状況
必要な対策
地域特性に応じた結婚支援策
若者の定住促進と結婚支援の連携
経済基盤の強化と結婚支援の一体的推進
まとめ
婚姻件数の分析からは、日本の結婚を取り巻く地域差が鮮明に浮かび上がってきました:
大都市圏、特に東京への一極集中
人口比で見た沖縄県の特徴的な状況
地方、特に東北地方における構造的な課題
都道府県の婚姻件数(実数)
都道府県の婚姻件数(人口比)