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2021年 都道府県の婚姻件数ランキング

はじめに

結婚は個人の人生の大きな節目であるとともに、社会の動向を反映する重要な指標の一つです。本記事では、1975年度から2021年度までの日本全体の婚姻・離婚件数の推移、および2024年の都道府県別婚姻件数データを分析し、その傾向と意味合いについて考察します。

データ概要

  1. 全国データ

    • 期間:1975年度〜2021年度

    • 指標:年度別婚姻件数、離婚件数

  2. 都道府県別データ

    • 対象年:2024年

    • 分析対象:47都道府県の婚姻件数と偏差値

全国的な婚姻・離婚動向の分析


婚姻件数の推移

  1. ピーク期:1970年代後半

    • 1975年度の941,628組をピークに、緩やかな減少傾向

  2. バブル期の一時的上昇:1980年代後半〜1990年代前半

    • 1992年度に754,441組まで回復

  3. 2000年代の横ばい

    • 2000年度から2010年度まで70万組前後で推移

  4. 近年の急激な減少

    • 2021年度には501,138組まで減少(1975年度比約47%減)

離婚件数の推移

  1. 1970年代〜1990年代前半:緩やかな増加

    • 1975年度の119,135組から1990年度の157,608組へ

  2. 1990年代後半〜2000年代前半:急増期

    • 2002年度にピークの289,836組を記録

  3. 2000年代後半以降:減少傾向

    • 2021年度には184,384組まで減少

考察

  1. 晩婚化・非婚化の進行

    • 婚姻件数の継続的な減少は、晩婚化や非婚化の傾向を反映

  2. 経済状況との関連

    • バブル期の婚姻件数増加、その後の経済低迷期における減少傾向

  3. 価値観の多様化

    • 結婚に対する価値観の変化が婚姻件数減少の一因と考えられる

  4. 離婚に対する社会的受容度の変化

    • 1990年代後半からの離婚件数急増は、離婚に対する社会的スティグマの減少を示唆

2024年の都道府県別婚姻件数分析

婚姻件数上位5都道府県

  1. 東京都(69,813組)

  2. 大阪府(39,005組)

  3. 神奈川県(38,664組)

  4. 愛知県(33,509組)

  5. 埼玉県(28,345組)


婚姻件数下位5都道府県

  1. 秋田県(2,618組)

  2. 徳島県(2,457組)

  3. 島根県(2,337組)

  4. 高知県(2,332組)

  5. 鳥取県(1,977組)


偏差値による分類

  • 偏差値70以上:東京都、大阪府、神奈川県

  • 偏差値60-69:愛知県、埼玉県、千葉県

  • 偏差値50-59:福岡県、兵庫県、北海道、静岡県、広島県

  • 偏差値40-49:その他の道府県

地域差の考察

  1. 大都市圏への集中

    • 上位5都道府県はすべて大都市圏に位置

    • 東京都の婚姻件数は2位の大阪府の約1.8倍

  2. 地方と都市部の格差

    • 東京都と鳥取県の間に約35倍の差

    • 地方の人口減少や若者流出の影響が顕著

  3. 経済格差との関連

    • 婚姻件数の多い地域は概して経済活動が活発

    • 雇用機会の多さが結婚の決断に影響している可能性

  4. 人口動態との関係

    • 単純な婚姻件数比較では人口の多い都道府県が有利

    • 人口当たりの婚姻率での分析も必要

今後の展望と課題

  1. 少子高齢化対策

    • 婚姻件数減少が出生率低下に直結する可能性

    • 若者の結婚・出産を支援する政策の必要性

  2. 地方創生

    • 地方での雇用創出や生活環境整備

    • U・Iターン促進策の強化

  3. 多様な家族形態の受容

    • 法的婚姻に限らないパートナーシップの認知

    • 多様な生き方を尊重する社会システムの構築

  4. ワークライフバランスの改善

    • 長時間労働の是正

    • 育児・介護との両立支援

  5. 経済的支援

    • 若年層の経済的安定を図る政策

    • 住宅取得支援や結婚・出産に関する経済的負担の軽減

まとめ

日本の婚姻動向は、1975年以降大きく変化してきました。全国的な婚姻件数の減少傾向と、都市部と地方の格差拡大が顕著です。これらの変化は、経済状況、価値観の多様化、人口動態など、様々な社会的要因が複雑に絡み合った結果といえます。

今後は、個人の選択を尊重しつつ、多様な生き方や家族形態を受け入れる社会システムの構築が求められます。同時に、若者の経済的安定や地方の活性化など、結婚しやすい環境づくりも重要な課題となるでしょう。

婚姻動向は、社会の変化を映し出す鏡であると同時に、将来の人口構造や社会保障にも大きな影響を与えます。この動向を注視しつつ、柔軟かつ効果的な政策立案が必要とされています。


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