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2021年度 都道府県別離婚統計からみる日本の実態

今回は、2021年度の都道府県別離婚統計を、実数と人口比の両面から分析していきます。


1. 離婚件数(実数)からみる状況


離婚件数 上位5都府県

  1. 東京都(19,605組、偏差値88.2)

  2. 大阪府(14,594組、偏差値76.0)

  3. 神奈川県(13,169組、偏差値72.5)

  4. 愛知県(11,130組、偏差値67.6)

  5. 埼玉県(10,626組、偏差値66.3)

実数では、人口規模の大きな大都市圏が上位を占めています。特に東京都は2位の大阪府と比べても約5,000組の差があり、突出した数値となっています。

離婚件数 下位5県

  1. 秋田県(1,043組、偏差値43.0)

  2. 高知県(1,043組、偏差値43.0)

  3. 福井県(1,018組、偏差値42.9)

  4. 島根県(863組、偏差値42.5)

  5. 鳥取県(788組、偏差値42.4)

下位5県はいずれも地方県で、人口規模が比較的小さい県となっています。最も少ない鳥取県は東京都の約25分の1の件数です。

2. 人口10万人あたりの離婚件数からみる実態

実数では見えてこない、人口規模を考慮した離婚の実態を見てみましょう。


人口比離婚件数 上位10県

  1. 沖縄県(21.7組/万人、偏差値83.5)

  2. 宮崎県(16.8組/万人、偏差値59.0)

  3. 北海道(16.7組/万人、偏差値58.5)

  4. 福岡県(16.7組/万人、偏差値58.5)

  5. 大阪府(16.6組/万人、偏差値58.0)

人口比で見ると、様相が大きく変わります。特に沖縄県は他県を大きく引き離して1位となっており、2位の宮崎県との差も顕著です。実数で1位だった東京都は35位と大きく順位を下げています。

人口比離婚件数 下位5県

  1. 岩手県(12.2組/万人、偏差値36.0)

  2. 新潟県(12.0組/万人、偏差値35.0)

  3. 山形県(11.8組/万人、偏差値34.0)

  4. 富山県(11.4組/万人、偏差値32.0)

  5. 秋田県(11.0組/万人、偏差値30.0)

人口比で見ても、東北地方や北陸地方の日本海側の県で低い傾向が見られます。

3. 注目すべき地域特性

実数と人口比で見える特徴的な地域

  1. 沖縄県

    • 実数では15位だが、人口比では1位

    • 人口当たりの離婚件数が他県と比べて突出して高い

  2. 東京都

    • 実数では1位だが、人口比では35位

    • 人口規模の影響を除くと、離婚率は全国平均以下

  3. 北海道・福岡県

    • 実数、人口比ともに上位

    • 地方中核都市としての特徴が表れている

地域ブロックの特徴

  1. 九州地方

    • 宮崎県、大分県、鹿児島県など人口比で上位

    • 九州全体として離婚率が高い傾向

  2. 日本海側

    • 秋田県、新潟県、富山県など人口比で下位

    • 全体的に離婚率が低い傾向

4. データから見える課題と示唆

  1. 地域による離婚率の大きな差

    • 最高の沖縄県と最低の秋田県では約2倍の開き

    • 地域の文化的・社会的背景の影響

  2. 都市部の特徴

    • 実数では多いが、人口比では必ずしも高くない

    • 人口集中の影響を割り引いて考える必要性

  3. 支援体制の重要性

    • 地域特性に応じた家族支援の必要性

    • 特に離婚率の高い地域での支援体制の充実

まとめ

2021年度の離婚統計を実数と人口比の両面から分析すると、以下のような特徴が浮かび上がってきます:

  1. 実数では大都市圏に集中するものの、人口比では地方圏で高い地域も

  2. 沖縄県の特異な状況(人口比で突出して高い)

  3. 地域による大きな差異の存在

都道府県の離婚件数(実数)


都道府県の離婚件数(人口比)


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