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新サービス「ウルカモ」で不動産売却ユーザーの体験をアップデートしたい。業界の課題とサービスに込めた想い
◆はじめに
ツクルバで執行役員/事業部長をしています山田と言います。今回はこの度リリースした新サービス「ウルカモ」についてお話したいと思います。
今回スピード最優先で、構想から4か月でのMVP(Minimum Viable Product)リリースとなりました。現場は終始ドタバタ、チームに無理を強いながらもついにここまで来れました!まずは胸をなでおろしつつ、ここを出発点に最高のサービスにしていきたいので是非是非拡散頂けると嬉しいです!
まず、私について軽く触れます。私は新卒でドリームインキュベータという戦略コンサルファームに入社し、前職ではAnyPayというfintechスタートアップでブロックチェーン事業の立ち上げ/責任者をやっていました。
コンサル時代はいわゆる業界トップ企業の戦略策定をお手伝いさせて頂いていたわけですが、既に勝者である大企業の大資本を前提とした戦略を描く中、幼少期より反骨精神の強い私は「たとえ何もない弱者でも、ユーザーに向き合って本当に必要とされるものを作れば世の中を変えられるんじゃないか?」と考えるようになり、高級スーツを脱ぎ捨てスタートアップの門を叩きました。(正確にはクローゼットに長年しまい込んでいます。梅雨明けに見たら全部カビてました)
AnyPayには社員10人目でジョイン。入社当時はpaymoというわりかんアプリ、その後新規事業としてブロックチェーン事業を立ち上げました。「既得権益者に仇なす」スタンスの界隈プレイヤーの勢いとブロックチェーンのdecentralizedな仕組み/思想は大好きでしたが、出てきたばかりの技術に法規制や税制が追いつかない、サービス提供者と利用ユーザーにも結構な距離感がある・・・そんな違和感を持ち始めました。(今でこそNFT初め一般層にも徐々に広がりを見せるものの、3年前は今とは大きく違いました)
そんな中、技術そのものや分散型の仕組みはあくまで目的実現のhowだ、自分が事業を通じて成し遂げたいのはユーザーファーストな世界だと改めて思い直し、純粋にユーザーに向き合うことで大きく変えられる業界、それをしたい/でき得る会社はないかと探索。そんな経緯で3年前に不動産流通業界でいざ上場する直前のツクルバに入社したのでした。
◆不動産売却領域の課題
私は今、ツクルバで居住用不動産の売り手向け事業の立ち上げを統括しています。既存事業の”カウカモ”で買い手側ユーザープールができたので、これを利用して逆サイドのビジネスを作ろうというわけです。
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不動産業界というと、知らない人から見ても古くてあまり良いイメージはないかもしれません。この業界の売却領域の課題はずばり、「①ユーザー層とサービスのズレ」と「②仲介業の限界」です。
①時代の変化にサービスが追い付いていない
家を買うのはいつの時代も若者。なので買い手向けビジネスは若者と時代の変化に向き合い、様々なサービスが作られてきました。一方、売り手向けはどうか?
▼“一生に一度の買い物”はもう古い。30-40代が家を売り、住み替える時代へ変化
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グラフをご覧ください。実は首都圏マンションは新築と中古の流通量が近年逆転しています。中古を買う人が多いというのは逆から見ると誰かがそれだけ売っているということ。では売り手は誰?実は若い世代(30-40代)もそれなりに売っています。
アンケート調査をしたところ、売却経験者の1/3が40代以下。実際、カウカモに問い合わせ頂く売り手の方はもっと偏っていて、半分以上が40代以下だったりします。
首都圏、特に東京では中古物件の流動性がしっかりあるわけです。なので、賃貸でなくあえて持ち家で、ライフスタイル/ステージ変化に合わせた住み替えはもはや珍しいことではなくなってきている。これまでは「家の売却」というと「家を売って地元に隠居」、「転勤/離婚」といったシーンが大半だったところから、「ライフスタイルの変化に合わせて軽やかに住まいを替える30-40代」という新しいユーザーセグメントが登場しているのです。
▼中高年に向いて設計された現在の不動産売却サービス
そんな中、不動産業界の売り手向けアプローチは未だチラシや電話、古いwebフォーム。営業マンを家に派遣し、営業所に集客し・・・UI/UXはお世辞にもイマドキとは言えず、非効率に感じる方も少なくないはず。しかし、これはある意味当たり前で、物件売却者のボリュームゾーンである60-70代向けに最適化されているのです。なので、既存サービスがダメだとかではなく、あくまで昨今新しく生まれたセグメントユーザーには最適化されていないよね、ということだと思っています。
②仲介会社は“実際の買い手”ではないので、出せる情報に限界
みなさんはモノを売る時何をしますか?車なら一括見積り、小物はメルカリ?自分自身を売り込むときはビズリーチでしょうか。複数の買い手と直接繋がり、選択するのが今や普通ですよね。
では不動産はどうか。一般的な流れは以下です。
仲介会社から「いくらで売れそうか」の見積を取得(不動産にも一括査定サービスがあるが、価格を出すのはその先の仲介会社)
見積額、他条件を比較して契約する仲介会社を決定
契約仲介会社が大手ポータル(suumo等)に物件を掲載、実際の買い手探しがスタート
内見を経て買い手が見つかり、ユーザー間の売買契約で終了
ここで、意思決定のためにユーザーが求める情報と仲介会社が出せる情報に差が生まれます。仲介会社はあくまで”仲介”であり、直接的な買い手ではありません。なので見積り額とはコミットメントではなく過去の市場取引から推定した相場価格です。複数仲介から相場価格を集めても、算出方法は各社同じだし、微妙に異なる価格をどう解釈して契約先を決めればいいのか・・・。「複数の買い手と直接繋がり、選択する」という行動を取るイマドキのユーザーにはどうも納得感をもって判断できない、そんなことが起きているのではないでしょうか。
そんなわけで、新しく生まれたユーザーセグメントに向けた最適な不動産売却体験を作るべく、ウルカモを開発することにしました。
◆どんなサービス?何がいいの?
「中古不動産のソーシャルマーケット」と題して、「売り出し前中古不動産の、売買意向のマッチングの場」を提供します。
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サービスコンセプトはこちらです。
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開発の起点は売り手の課題でしたが、ウルカモは売り手/買い手の2サイドプラットフォームなので、買い手向けサービスの側面も持ちます。両視点からサービスの位置づけやメリットが異なります。
売り手からみたウルカモ
既存との違いやメリットは以下です。
売却を決める前に、気軽に使う(勿論決めている人も使えます)
無料の会員登録・規約同意で使える(売却開始時に仲介会社と結ぶ「媒介契約」なしに利用できます)
簡単手軽に家を投稿し、買い手ユーザーからの反応が直接見える
買い手がいるなら売りに出そうかな・・・そんな時もそのまま不動産プロが併走するから安心
更に現状課題を踏まえ、簡単手軽&高揚感をテーマにしたアガるUI/UX、仕組み、デザインをプロダクトに落とし込みました。(家を売るのって買う時と違って全然楽しくないんですよね。そんな感情面も変えることで家の売却体験を良きものに、という想いも込めています)
色々悩む前に、まずは手軽に自宅を掲載してみましょう。買い手からの反応が来てアガったら納得感を持って売却に進むのはいかが?けど全部勢いで進めるには不動産売買は複雑・高額なので後半の実売却プロセスはプロがちゃんとエスコートしますよ、というものです。
買い手からみたウルカモ
今首都圏のマンションは、空前の在庫不足となっています。コロナ禍で在宅時間が増え、住宅に置かれる価値がより高まることで購入需要は逆に伸びています。「棚に並んだ商品から買いたいものを選ぶ」スタンスでは、本当に欲しいものには出会いにくくなっているのです。
ウルカモには、売り出す前のここにしかない物件が並びます。売り出し意向の強さは各自様々。ウルカモ上で以下ができます。
物件を探す、投稿内容を閲覧する
スキ:手軽ないいね機能
買うかも:本格的に気に入った時に送るsuper like。これを付けた物件が実際に売りに出たら「内見ファストパス」を手に入れられます
コメント:想いを売り手に送れます
鮮度の高い売り出し前物件の情報にアクセスできるだけじゃなく、あなたの能動的なアクションで売り手の売却意向を高めることで、売り出される確率を上げられるかもしれません。(という行動をして欲しいと願っている)
◆最後に
まずは最速でローンチを目指そうと、まだまだ粗削りながらリリースしました。MVPとはいえこの短期間でローンチまで来れたのは、本当に良い仲間に恵まれたなとつくづく思います。
そしてここからが本当の勝負。そして繰り返しますが、まだまだ粗削りなのでユーザーの声を拾いに拾ってサービス改善を超高速で進めていきたい。家の売却体験をどんどんアップデートしていきたい。ですので、家をすぐに売らない人でも、是非一度使ってみてください。そして改善点を教えてください。みなさまのご利用、ご連絡お待ちしています!!
これから連載的に、話者と共に視点を変えながら新サービス「ウルカモ」の事業/サービスにまつわるnoteを書いていきます。
引き続きお付き合いのほど、宜しくお願いします!
ツクルバでは新サービス「ウルカモ」はもちろん、「cowcamo(カウカモ)」をはじめとしたやがて文化になるサービスをともにつくっていく仲間を募集中です。
PM、デザイナー、エンジニア、BizDev、コーポレート、そしてもちろん不動産エージェントも。
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