歴史的な書物との出会い; 美術展日記
こんにちは、うるしーです。
先日9/14(金)、上野の森美術館で開催されている[世界を変えた書物]展に行ってきました。
少しスケジュールきつきつで駆け抜ける感じになってしまったのですが、感想とか書いていきます。
[世界を変えた書物]展
この展示は文字通り、世界に大きな影響を与えた書物(稀覯本)の展示になります。
ちなみに全て科学書ですね。
数学や、宇宙論、電磁気学、化学、生物といった自然科学分野、建築や飛行・ロケットなど工学分野の稀覯本が展示されていました。
有名所だと、例えばユークリッドの「原論」、ガリレオの「星界からの報告」、ニュートンの「プリンキピア・マテマティカ」など。歴史にその名を刻む本たちですね。
比較的最近のものだと、アインシュタインの研究ノートとかも展示してありました。
展示方法も面白くてですね、入り口の『知の壁』というエリアなんか印象的でした。四方の壁が本棚になってるんですよ。まるで歴史的な図書館に足を踏み込んだかのような気分にさせてくれます。
古い本は見ているだけで面白いですね。
文字が装飾されてどことなく豪奢な感じがするし、意外にカラフルだし。フォントも格式張っているというか、ああ、当時の学問は特別な人達のものだったのだなぁとか考えたりしました。
ゲーテの「色彩論」
さて、色々な書物が展示されていましたが、中でも個人的に印象深かった本をここでは紹介します。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ著「色彩論」です。
ゲーテは文豪として名高い人物です。ファウストなんか有名ですね。ちゃんと読んだことないですけど(オイ)
一方で、彼は科学者でもありました。この色彩論もその成果の一つです。
分野としては光学にあたります。この本では、ゲーテが色彩に関する己の基礎理論について語っています。
なぜこの本が印象深かったのか。
理由は単純で、実はゲーテの色彩論は、私が(そしておそらく大体の日本人が好きな)印象派の絵画と関係しているからです。
印象派は近代の芸術運動の1つで、クロード・モネ「印象・日の出」が代表的な作品かと思います。その特徴は、対象に当たる光の動き、光による変化を捉え表現することで、色彩に富んでいることが挙げられます。
そう、色彩。
ここでゲーテの色彩論が出てきます。
正確には、モネ達より少しあと、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックらが中心となった新印象派の絵画に、色彩論が影響しています。
新印象派は、印象派の光の捉え方を受け継ぎつつ、当時でてきたゲーテの色彩論を元に、より科学的に、より理論的に光を表現しようとしていることが特徴です。彼らはそれを点描法により実現しました。
一応、理系の人なので科学の話大好きなんですが、一方で美術も好き。
かつてはどちらも接点無いと思っていたのですが、この事実を知った時、自分の中で科学と美術が線でつながったんですよね。
その結果、一層美術にのめり込むようになったのですが、そんな自分にとって、今回の展示でゲーテの色彩論をその目で見れたのは割と感動的というか、思わず「おおっ」となる出来事であったわけです。
まぁ内容はチンプンカンプンでしたけど!
まとめ
知の集積である本。
その中でも歴史に名だたる名著をこの目で見る機会は中々無いと思いますので、とても貴重な体験ができたかなと思います。そして、やはりゲーテとの出会いは良かったですね。
前述の通り、いろいろあって閉館までの40分程度で駆け抜けることになってしまったのですが、大変良い時間を過ごせました。
この展示は今月24日までなのですが、どこかで時間つくってまた行きたいと思います。そうしたら、また追記するかもしれません。
展示会の情報
最後に今回の展示会の情報を書いておきますね。
この展示は9/24(月)まで、上野の森美術館で開催されています。
入場料はなんと無料!
しかも館内で写真撮れます!!
みなさんめっちゃ写真撮ってました。僕は見るのに集中したので写真トラなかったんですが、次回はいろいろ撮りたいと思います。
ぜひみなさんも訪れてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
・wikipedia / 色彩論
・wikipedia / 印象派
・wikipedia / 新印象派