μ-210を双眼RFTにしたい(4)

純正レデューサは使えるのか?

Cloudy Nightでの2018年秋の議論を少し長いが引用・翻訳・要約すると、

A氏: タカハシはなぜM-210用のコマコレクタを作らないのだろう。現行のものは高価なフラットナー/レデューサ(FL/RD)で、コマは補正しませんよね?
B氏: 私はFL/RDを持っていますが、眼視にも撮影にも使えますよ。みんなこの文章について誤解しているのでは?(以下、https://www.astronomics.com/0-8x-reducer-field-flattener-corrector-for-photography-for-mewlons.htmlから?の引用があり、そこには”visual/photographic focal reducer”と書いてあるものの、撮影を想定した記述が続き、眼視用途に関する具体的な記述はない)。
C氏: 私はM-210・M-180用のタカハシの0.8倍FL/RDは、バックフォーカスがタイト(ダイアゴナルが入らない)で眼視には使えないのでは、と思っていました。実際はどうですか?
B: たしかにバックフォーカスはタイトですね。アダプタを作りました。Baader T2 BBHS Zeiss Prism diagonal を使うと光路が短縮できます。
D氏: 私は撮影用にフラットナー/レデューサを買ったんですが、眼視にも使えないかなと思っていました。あなたが引用してくれたことは、私がオーストラリアの業者に聞いたこととは違います。彼らがタカハシに問い合わせ、それを私に伝えたところによると、眼視用には設計していないということで、暗に眼視には使えないということでした。(中略)だから、FL/RDを眼視で使うのにどんなアダプタを使えばよいのか、調べてみます。光路短縮のために新しくダイアゴナルを手に入れる必要があるなら、それでも構いません。
B: 私の情報はサードパーティ経由ではなく日本のタカハシに直接訊ねて得たもので、FL/RDは眼視にも撮影にも使えるとのことです。これは新しくCRSバージョンが出る前、2011年のことです。その後タカハシはCRS版をリリースし、旧型にはコレクタ内蔵のバッフルチューブを用意しました。それで取り外し可能なRD/FL/CRは時代遅れになりました。眼視では、私のMewlon 300 はひどいコマ収差はありません。

とここで、M-210についての議論なのにB氏はどうやらM-300での状況を説明していたことがわかる。つまりM-210での本当のところはよくわからない。

これについては2009年の春にもCloudy Nightで議論があり、あるM-250オーナーの話として、FL/RDではバックフォーカスが足りずに合焦しないと聞いた、とある。

最近では2019年1月に、スターベース東京のブログに、以下のようにある。

“M(ミューロン)180C鏡筒に「μフラットナーレデューサー」を併用すると、焦点距離1760mm / F9.8 / イメージサークルΦ30mmとなりデジタル一眼レフなどのセンサーサイズに対応した写真用鏡筒となります。ミューロン(-CRSではない)は眼視や月惑星撮影専用と思われがちですが、実は本フラットナーレデューサーの併用で、銀河や星団への適性の高い、天体写真用の望遠鏡としても活かせるようになります”。

つまり、タカハシ直営のスターベースもFL/RDなしでは眼視+月惑星撮影専用だが、ありでは撮影だ、と暗に宣言しているように見える(しかし暗にしか述べてはいない)。
まとめると、合焦するとの情報もなくはないが、せいぜいダイアゴナルのみ使用時のことで、ダイアゴナルに双眼装置併用時に関しては情報を得られなかった。純正レデューサはやはり今回の目的のためには難しそうである。それでもELSを使えばなんとかなるかもしれないが、縮小率も81%程度(F9.3)で、もう少し短縮したい。

結論