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解説→中途採用比率の公表義務化について

どうも、斉藤 史朗です!

2020年発表された、中途採用比率の公表義務化

21年4月より施行されます。中途採用比率の公表義務化について、各企業から相談が入ったため、今回解説致します。

中途採用比率の公表義務化とは

厚生労働省による労働施策総合推進法の改正により、従業員が301人以上いる大企業に対して中途採用比率の公表が義務化されました。

こちらまだ掲載事例がなく各社が情報収集と施策について纏めている状況かと思います。ただし、過去同じような事例では、女性活躍推進法「見える化サイト」などもあり、国としては適宜企業側に情報開示を促し、働く個人にオープン/情報を可視化/そして各企業側への啓蒙、促す意味合いで実施しています。

今回も、「中途採用比率」という観点にはなりますが、過去のトレンドを追う事が大切ですし、そもそも国がなぜ、この施策を打ち出す事になったのか?その理解が必要です。今後適宜開示内容が変わるかもしれませんが、大枠の目的を理解していれば、どういう事を開示したい方がいいのか?という想定や対策にもつながります。

女性活躍推進法(過去事例参考として)

※好評情報の抜粋※
【1】 データの対象(単体ベースか連結ベースか選択)
【3】 管理職(合計、うち女性、女性比率)
【5】 平均年齢(合計、男性、女性)
【7】 新入社員の定着状況(男性、女性)
【9】 育休取得者数(合計、うち男性)
【11】平均年間給与
【13】有休取得率
【15】各種報告書での情報開示の有無 【2】 従業員(合計、うち女性、女性比率)
【4】 役員(合計、うち女性、女性比率)
【6】 平均勤続年数(合計、男性、女性)
【8】 産休取得者数
【10】育児休業復職率
【12】月平均残業時間
【14】女性登用に関する目標の有無・内容
【16】備考

では、上記のように、数値を掲載すればよいのか。という点に関してはそれで良いと思います。

ただ、自社ブランディングの観点を入れるのではあれば、表現をクリエイティブに考えるべきです。

規制の事前評価書要旨(厚労省資料)

~今回の趣旨~上記リンク内容から抜粋

【規制の目的】
人生100年時代において職業生活の長期化が見込まれる中、労働者の主体的なキャリア形成による職業生活の更なる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備をさらに推進していくことが必要である。このため、中途採用に関する情報の公表を求めることにより、企業が長期的な安定雇用の機会を中途採用者にも提供している状況を明らかにし、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングを促進していく。
【規制の内容】
常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は、「正規雇用労働者の採用者数に占める正規雇用労働者の中途採用者数の割合」の定期的な公表をしなければならない(義務付ける)こととする。
【規制の必要性】
中途採用に関する環境整備をさらに推進していくためには、中途採用に関する情報の公表により、職場情報を一層見える化し、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングをさらに促進することが必要である。したがって、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主に対して、「正規雇用労働者の採用者数に占める正規雇用労働者の中途採
用者数の割合」の定期的な公表を義務付けることで、中途採用に関する環境整備をさらに推進していくことが必要である。

上記を解釈すると、人生100年時代になる中で、中途採用を促進したく、硬直している所にメスを入れるという事ですね。

では、なぜ301人以上の企業を対象にしているのか。下記理由がございます。

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抜粋:令和元年厚労省資料/中途採用に係る現状等について

対象:今後301人以上の従業員がいる大企業

会社規模が大きくなると、それに応じて中途採用比率が下がる傾向が見えているため、今回301人以上の会社をピックアップし、中途採用の流動性を増したい。

※従業員5,000人以上の企業では、中途入社比率が37%に留まっており、組織が硬直化している可能性がある。

大手企業は新卒一括採用を行い、大企業に勤める社員の方が、定年まで1社で勤め上げるという流れを変えたい。という国の意向があると思います。

その他、新卒採用一括採用を廃止しまして、通年採用を促しているのも、同様な動きですね。

では、どう開示するのか


正直、正解が私も分かっている訳ではないのですが、上記を踏まえ各企業は、

中途入社割合が高いのであれば、より詳細に記載して、かつ中途入社が多い理由、背景、取り組み内容を明示したり、中途入社に力を入れる理由などを人事部長、経営者コメントで記載するとよい。

更に、中途入社のオンボーディングや入社後の支援内容、キャリアパスを記載する事で、外部へのブランディングになると思います。

たまたま、中途採用しているという事ではなく、意志を持って取り組み中途採用をしているというメッセージがあると、今後中途の方のエントリーも増加すると思います。

逆に、中途入社割合が少ない場合は、

悲観する事はなく、今後の改善施策を示唆したり、少ないながらも中途入社事例(異業界を中心に)を記載しながら、
入社してどう活躍しているのか?社員インタビューを実施する。
その際には、男性/女性それぞれ記載している方が多様性が見えるので良いと思います。

上記を整理している中で、掲載イメージに近いと思ったのはサントリーさんでした。同社はまだ中途採用比率公開に至っていませんが、項目の表現方法は、参考になると思います。

その他本件に関わる参考記事

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斉藤 史朗
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