企業考察→楽天グループ株式会社(楽天エコシステム/楽天経済圏)
どうも、斉藤 史朗です。
普段はマーケティング業務に従事しており、法人向けサービスにて人材派遣・人材紹介・健康経営・業務改善/アウトソーシング・キャリア自律などに関するコンテンツを作成しています。
本記事は、2021/2/23にnote投稿した記事の続編になります。
最近、楽天株式会社・楽天グループ株式会社の事業継続にメディアなどで話題になっています。
中田敦彦さんのYouTube大学・NewsPicksホリエワンでの楽天特集「どうなる楽天!?」もタイムリーな話題でした。今回皆さんが注目している同社の動向についてまとめてみました。
※本記事は、個人見解となりますので、予めご了承下さいませ。
競合が変わりつつある
楽天の発足当時の事業はモール型ECです。 自社で商品を持たず、EC内に店舗を作り、そこに企業が出店する形式です。 インターネットやホームページが少ない時代、格安でサービスページを立ち上げる事が出来、多くの出展者を集めました。 競合としては、AmazonやZOZOをベンチマークしていました。
ZOZOは、2020年にZホールディングスに参画し、ヤフー・LINEとのサービスシナジー施策を適宜行っています。
業績は、同グループ前後の推移を見ても順調に業績を伸ばしており、シナジーの一定の効果は出ているのではないでしょうか。
上記2社とのEC競争は続いていますが、楽天の第二の柱は金融・フィンテックサービスです。
楽天グループのフィンテックサービス
▼楽天銀行
▼楽天証券
▼楽天カード
▼楽天生命
▼楽天損保
▼楽天ポイントカード
▼楽天ペイ
▼楽天Edy
▼楽天キャッシュ
などが該当されます。
全体の売上構成をフィンテックが占める比率が高いだけではなく、高い利益率で楽天全体のサービスを支えたり、新規事業や投資にチャレンジ出来る土壌を作ってます。
このフィンテックサービスを、直近訪れている「3年で計9000億円」の返済計画の中で、キャッシュ確保を目的に、IPOや株式を一部売却させるのではないかと言われています。
2023年12月には、楽天銀行株を一部売却完了し、約600億~700億円の資本増強されていました。
楽天の金融サービスの改変にも影響は出ていて、このタイミングでSBI証券は、2023年9月より"ゼロ革命"として売買手数料を0円にて、新規顧客開拓に向けて施策を講じてきています。
楽天の金融サービスへの投資が難しくなるタイミングとみるや、攻勢を掛けてきています。
モバイル事業で、ドコモやKDDIやソフトバンクと戦っている弊害が、ここに現れています。
売上収益に占める各セグメントの比率(2023年度第2四半期)
▼インターネットサービスセグメント:52%
▼フィンテックサービスセグメント:32%
▼モバイルセグメント:14%
フィンテックに於ける競合はSBI証券、ヤフーLINE連合、docomo×マネックス辺りになるでしょうか。KDDIも後発ながら金融やペイにも参画しているので、注目はしています。
改めて、モバイル事業の沿革について触れていきます。
<モバイル事業の沿革>
2014年 MVNO参入
2017年 MNO参入表明
2020年 全国スタート
経済圏争いの基盤になるモバイルで如何にシェアを獲得していくのか、楽天の戦いが始まっています。
MVNOでも一定のシナジーは取れますが、MNOの価格が下がる前は、第4位の会社でも食い込める算段がありましたが、3つの誤算がありました。
MNO参入後に出てきた、3つの誤算とは
①菅政権によるモバイル価格見直しの介入
②コロナワクチンによる経済停滞
③ソフトバンク&ヤフーが仕掛けたPayPayによる死角
この辺りの影響で、楽天が想定よりもシェア獲得に苦戦しています。
しかし、2023年12月28日に、携帯キャリアサービスの契約数が600万回線を突破し、順調に契約数は伸びています。
楽天の危機はどの程度なのか?
#四期連続赤字
過去最大3728億円。ただし売り上げは好調で、過去最大の1.9兆円。
これだけの規模にも関わらず大きなチャレンジをする同社のマインドに感服しますし、メガベンチャーと評する会社だと思います。
ここに続くのがサイバーエージェントになると思いますが、売上高3000億円超えてベンチャー魂を宿している会社は殆ど見た事がなく、経営風土を保っている同社に尊敬の念を抱いています。
#自己資本比率
15→4%へ。自己資本を売り出し資金調達を繰り返した中で危険水域に突入しています。
#株価低迷
2021年ピークに達した時に比べると、1500→600になっています。
ただ、2023年10月時点では、500という最低ラインからは脱出したので、返済への糸口が市場から見え始めているのかもしれません。
法人顧客からの契約獲得が重要
今まではTVCM中心に、楽天経済圏をフル活用して、契約件数を増やしてきましたが、今後は法人向けにシェアを取っていくソフトバンクやドコモからリプレイスしていく事が求められます。
ソフトバンクの場合、他グループ会社の商材を提案したり、ヤフー、ラインとの連携をしてクロスセルが見込めそうな体制です。
楽天の場合、個人向け商材に強く法人向け営業への体制不足を元々感じており、調べてみても法人獲得に向けて戦略が見えていないので、ただモバイルが安く使えるだけでは、付加価値が見えづらく、法人メリットになる武器が必要かと思われます。
楽天モバイルがプラチナバンドを取得!
電波環境の不安がずっと続いていましたが、プラチナバンド取得によって、改善されますし、より少ない基地局で拾いエリアをカバーすることが可能になります。
配送周りの改善
Amazonとの違いは配送スピードと配送料についてです。
長年の課題であったこの点について、楽天スーパーロジスティック導入や配送料込みの39ショップなどによって、ユーザー満足度は改善されている。
それでも新卒採用では人気がある
学生に人気な理由は、楽天グループとして様々なサービスを展開しているので、豊富でかつ膨大なデータ量を自社で保有していて、GAFAなどの企業に比べて、自分のやりたいことやれそうな環境が整っている事が理由。
今回の参考文献
以上になります。
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