【ショートショート】ムゲン
宇宙人はこう言った。
「ゲーム・オーバーだ」
戦争に、我々は負けた。この星はヤツらのものだ。
途方に暮れたニンゲンは宇宙へと飛び立った。
何割かしか残らなかった数少ないニンゲンは、更に数を減らされた。
地球 が見えなくなる頃には、戦前の人口の二割しか残っていなかった。
飛行三○○○日目。
ようやくニンゲンが住むことができそうな星があった。
不時着。
酸素もあって水もある。
「この星を、地球と名付けよう」
誰かがそういった。誰も反対なんてしなかった。
しかしこの星には先住民がいた。
私たちに歯向かってくる。ロケットの中から銃を取り、朱い天に掲げる。
「ゲーム・スタートだ」
戦争の始まりは、そう、この言葉がいい。
宇宙人は銃口を向け、不敵に笑って見せた。
~fin
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