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うろこ流! 小説の書き方講座 #1[文章の基本]
どもどもー! 「お前の苗字読みにくい!」でお馴染み洞施(うろせ)うろこと申します。
普段はボーイズがラブってるWEB小説やらそのキャラクターの絵やら書(描)いてTwitter・投稿サイト界隈をふらふらしている者です。以後お見知りおきを。
さて、今回から『うろこ流! 小説の書き方講座』などというものを始めようと思います。
小説書く歴が長いだけの素人が何を、と思いました? だがしかーし! 素人だからこそ分かる悩みというのもあるのは確かなのですよ。この悩み、高みにいる御方には分かるまい――!
というわけで、素人による初心者向け小説講座、開始です!
第一回 『文章の基本』
記念すべき第一回。テーマは正しく『文章の基本』です。
ここで扱うのは本当に基本中の基本。小中学校で習うような話になります。
「馬鹿にするなよ」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これが意外にも初心者が迷う点だったりするんです。
ここ数年で投稿型のWEB小説サイトが多数生まれ、更にはそのサイトに投稿された作品の中から書籍化、コミカライズ、何とアニメ化までされる時代になりました。
そんな玉石混交な作品群の内、みなさま(これ読みにくいわー、ないわー)と1ページ切りした作品もあることでしょう。
残念ながら相容れなかった作品達の中で、まず小説の体をなしていない文章、ありませんでした?
段落の頭が一字下がっていない。『…』(三点リーダといいます)が二個繋がっていない。どころか『。。。』だの『、、、』で表現されている。「」の中に「」が入って誰の台詞か分からないなどなど……
謂わば学校で習う作文の作法から大きく外れてしまった文章です。
WEB小説なんだからそんなカタイ文章作法なんて、という考えもあると思いますが、これ、読む方からすると結構読みにくいんです。
よく考えてみれば、私達は学生時代に教科書やら課題図書やらで『正しい文章作法』に慣らされているんですね。つまりは、そこが基本になるわけですよ。
そうなるとほら、基本から外れた文章を読みにくいと感じてしまうのは仕方がないことなのです。
なので、正しい文章作法を外れた時に感じる『読みにくさ』を、私的な考察も含めて挙げていきましょう。れつごー!
・段落の前は一字下げよう。
小学校で作文を習った際に、まず言われるあれです。「書き始めは一文字空けましょう」というもの。
「」で始まる台詞や、()で始まる心情、箇条書きの場合は不必要ながら、地の文で始まる段落には必ず一字下げが要求されます。
実はこれ、明確な理由がない作法で、未だ必要・不要で論争が起こる問題でもあるんですよ。
ではどうして、ここで私が必要だと主張するかというと、単純に『読みやすさを重視』するからです。
多くの場合、段落は一文だけでは構成されませんよね。複数の文を一つの塊として認識してもらうのが『段落』という概念だと思います。
それが、頭の高さを全て揃えられて並ぶとどうでしょう。
今ストック中(書きかけというだけ)の自作から。
文頭がきっちり並んでいると、どこからどこまでが一塊なのか判別しづらくないですか? どこで息をつけばいいやら、てな感じで。
WEB小説で段落ごとに空行を入れる形式ならまだ読めそうですが、それもなければ息が詰まりそうな見た目になっちゃいます。
みっちりと詰まって見えてしまうのは悪印象。見た目だけで読むの大変そう……なんて思う人だって出てきかねません(私がそうだったりして)
段落ごとの一字下げ、読みやすさアピールの手段としてかなり有効な手だと思いますよ。
・三点リーダ(…)、ダッシュ(―)はニコイチで。
実はこれも明確な理由がない論争だったりして……
三点リーダ・ダッシュ共に、『二つで一塊』という作法があります。例えば『あの時、僕には何も理解できていなかった――』とか、『そんな言い方……』という使い方をします。
始めは印刷所の都合(印刷技術の問題)により二つセットでなければならなかったらしいのですが、今はその問題も解決されています。
さて、ならどうして私がニコイチ推しをするのかと言いますと、『一個だと分かりにくい!』からです。
何が分かりにくいのか。まず三点リーダから説明しますね。
三点リーダは沈黙であったり、絶句であったりする表現に使われます。
まあ、それこそ何も言わないことを表すための「…」だけならまだ分かりますが、もしこれが言葉と言葉の間に入ったらどうでしょう。
「お前…そんな言い方はないだろ!」
「お前……そんな言い方はないだろ!」
上の台詞は三点リーダが単なる読点(、)と変わらないように見えてきませんか?
例文の『お前』と『そんな言い方〜』の間に生じているはずの絶句度合いが薄れて見えてしまう。これは思ったよりも表現力が削がれてしまうんです。
言わずもがな、小説というのは基本的に文章しか表現方法がありません。そんな中で絶句が単なる息継ぎに見えてしまうのは余りに残念。そんな事態を避けるためにも、三点リーダはニコイチセットをお勧めします。
次にダッシュ(―)ですが、もうこれは単純明快。
横書きメディアだと漢数字の一(1)や長音(ー)と見間違えるから!!!!
長音に関しては縦書きでもそうですね。となると、とても致命的じゃないですか。
「私ずっと―あなたが好きでした」
「私ずっと――あなたが好きでした」
ね? 長音と見間違えたら、素敵なはずの余韻が謎の節回しに変わってしまうんです。何故にこの娘は急に歌い出したんだ、と聞かれても文句は言えない。
ちなみに、最近ありがちですが『、、、』と『。。。』を代用するのは読み手目線で(ないわー)と思います。
なんでそんな細かく息継ぎしてるの。無言で文締めるのやめて。句読点は句読点だよ。あれ、もしかして私今LINEのやりとり見せられとるん? なんて。
少なくとも小説を読んでる気分にはなれないですね。
三点リーダとダッシュ。正しい活用をすれば表現も広がります。ぜひぜひニコイチで!
・「」の中に「」は難しい。
これも数年前からよく使われるようになった手法ですね。
個人的に複数人が同時に同じ台詞を発した場合のそれは許容範囲かなぁ、と思っていたりします。
「「「なんでやねん!!」」」
といった使い方ですね。斬新だし、コンパクトにまとめられて読みやすい(個人の感想です)
ただ、別パターンとして、あるキャラクターの台詞を遮るように別のキャラクターが話す表現で使われるケースがあります。
「今日こそ告るって「お前、先週からずっとそれ言ってんじゃん」」
と、告るクン(仮にA君とします)の台詞に友人(こっちはB君で)が被せてきたという場面ですね。
一読み手である私の視点で言いますが、この表現は目が滑ります。A君とB君の言葉が融合して見えてくるんです。なにこれ特殊召喚?
全く違う言葉を発している二人の声が混ざって見えてしまっては理解しづらい。A君とB君の台詞が独立していない感じが抜けないんですよ。
「今日こそ告るって――」
「お前、先週からずっとそれ言ってんじゃん」
と、分けてくれた方が各々の口から出た台詞だと判別しやすいです。
これだとA君の台詞が間延びして見える、と感じたら、地の文追加しちゃえばいいと思います。『俺の言葉をBが遮ってきた』なんて一文が付け加えられるだけでも、間延び感は減りますし。
ということで、「」内の「」は使いようではあるものの、注意が必要だと思います。
・感嘆符(!)、疑問符(?)の後は一字空けよう。
段落の最後ならば不要ですが、段落や台詞の間にきた『!』や『?』などの記号の後ろには一文字分のスペースが入ります。
これに関してはJISだったりW3Cだったりという機関の細かい規定や英字印刷の慣習なんかがぐっちゃんぐっちゃんに入り混じってできた暗黙のルールなので『これが正解だ!』とは言いがたいのですが……(今回こんなのばっかりですな)
実際、ネットメディアなんかでも空いていたりいなかったりと、対応が別れているそうです。
そんな中で私がスペース空けを推奨する理由ですが、これも『読みやすさ』を重視した結果です。
記号が付くのは大体文末ですよね。通常、文末は句点(。)で区切られます。
句点の位置と大きさは、文字からしたらだいぶ小さく隅の方に配置されています。つまり、パッと見ると句読点の部分は空間があるようにも見えるんです。
このお陰で文末である(もしくは一つの区切り)と判断しやすくなっています。
対して感嘆符や疑問符などの記号ですが、大体は文字と遜色ない大きさをしています(・は別ですが、この記号を文末に使うことは考えにくいです)
そうなると、スペースがなければ見た目で文末と判断しづらいのでは、と思いますね。
「やった!一番乗り!」
「やった! 一番乗り!」
例文の「やった!」が、独立した一文として見えるのは、下の方なのではないでしょうか。
スペースの利用は見やすさと割り切って空けちゃいましょう!(異論は認める)
いかがでしたか? 超個人的見解を多分に含む文章の基本講座ですが、それぞれに理由があるものでしたね。
途中で何度も出てきましたが、文章作法の根底は『読みやすさ』だと思います。
小説を書きたい。しかも誰かに読んでもらいたい。そうなると、読んでくれる誰かに配慮するのは当然のことですよね。
作法なんてカタイこと、なんて思わずに、読者のためにできることを覚えましょう!
……と、説教くさい締めになりましたが、今回の講座はここまでです。
次回はプロットって何さ? についてお話したいと思います。
ではではー、またお会いしましょう。洞施うろこでした。
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