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23歳になった。偏頭痛になった。

23歳になり3回目の朝。

最近は朝活として新しい3Dのソフトで遊んでいる。絵が壊滅的な僕も、パソコン君が一緒ならいろんな形を、好きな色で塗ることができる。

超楽しい時間だ。

7時になったアラームを止めて、パソコンに向かう。

ソフトを開く。

今日は何作ろう。飛行機でも作ろうか。

パソコンの中で形をもてあそぶ。

右に曲げたり、複製したり、回したり、鉄にしたり。

数分後、飛行機なはずのそれは眩しい虹色になって渦巻いていた。

何がどうでこうなったかはわからないが、ただ虹色のそれがぐるぐる、ぐるぐる、、、

形を直そうとすると、重ねたカーソルも一緒に渦巻いた。それどころか、その渦はモニターを飲み込み、部屋を呑み込み、僕をも呑み込んだ。

「僕がおかしいんだ」ということに、ここで気づく。

手探りでパソコンを閉じる。依然と続く渦からなるべく逃げる。横になって目を閉じて。

もうアニメは見れないのかな、映画も観れないのかな。あの人と目を合わせられないのかな。あの景色は見れないのかな。とっても、とっても辛いな、


何分か経った

渦はもう終わったらしい。
色と形を取り戻した自室はとても美しかった。

慌ててGoogleに症状を打ち込む。

「視界 虹色 渦」

みたいな語彙だった。
そしてすぐに答えが出た。

「閃輝暗点」

という脳のバグだった。
過度なストレスと、それからの解放で脳の神経が変になるらしい。

調べてみたところ20分ほどで止まるみたいで、そこまで深刻な症状ではないみたい。

しかしここで気になったのは

「閃輝暗点が明けるとすぐに、偏頭痛が始まります。始まらなければおかしいので病院行ってください」


??????


まずこれから何かしらの頭痛がくるんだよな??

で、それが来ないとヤバいんだよな???


決められた二つの「痛み」のカウントダウンは始まっている。願わくば前者の「偏頭痛」だ。


いや、願わくば何事もなくていい!!!!!

ロキソニンを飲んで待機していると、
それはking gnuの飛行艇をBGMに、ゆっくりやってきた。







いっっっってえええええええええええええ


人間を初めて23年。頭痛は経験してきたが、種類が違う。脈打つ痛みというより、縄できつく締め上げられたギリギリギリな痛み。

何もできず、ひたすらうずくまる。


とまれ、

とまれ、

とまれ、、


みたいなことが今朝あった。

これは紛れもなく偏頭痛であり、僕は晴れて「偏頭痛持ち」になった。一時的なものではなく、生涯ずっと続くんだそう。

今までそんな節はなく、なんなら偏頭痛持ちな人間が意味わからない(普通の頭痛とは違う…?)だったので、非常に驚きだった。

今も左脳が疼く。つらい。ぴえん。


こうして偏頭痛持ちになったわけだが、実は最近コロナになり胃腸炎になり…と体が大変だった。

否が応でも「健康」を考えざるを得ない時間だった。

僕自身は無理をしていると思ったことはないが、体がそれに追いついてなかったのだろう。

心身の健康は、身体の健康あってこそ。

そんなことはわかっているが、わかっていなかった。

23になって「老い」を嘆く気はないが、もう小学生みたいに「通常体が健康そのもの」という認識から抜け出した方がいいと思った。

健康を、能動的にしよう。

腹が膨れればなんでもいいと思っていたし、いい料理を食べる意味もわからなかった。疲れてなければあんまり寝なくていいし、風呂もシャワーでいいだろ。

そのくらい元気だった。若かった。


でももう23。

ちゃんと食べよう。ちゃんと遊んで、ちゃんと学んで、ちゃんと寝よう。


そんな当たり前をちゃんとやりたい。

その裏には、なんとも言えない恐怖。


何もしないと、知らず知らず自由がなくなっていく。そんな恐怖。

いつか急に、こんな感じで目も見えなくなるのかな、足が動かなくなるのかな。

考えすぎだとは思わない。

最近は天丼も胸焼けする。
真夏のアウトドアもキツくなってきた。

多分そうやって、自由は消えてしまう。

今ある自由を、もっと大事にしたい。
今できる自由を、もっとやりたい。

レンゲが立つラーメンを食べたい
夏フェスのホルモンで踊りたい
しらない場所をフラフラしたい
山を走りたい

頭の左が痛い。ギギギと脳の肉を締める

痛いと思わせてくれたその痛みが、どうしようもなく「生きている」を教えてくれる。

人間23年目。どんとこいや。






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