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今年やったゲームとか(2022)

今年は豊作の年だとなんだかんだ去年(2021年)から言われ続けていましたが、本当に豊作の年でしたね。書き出した時点で半年しか経っていないのに、もう去年以上の物量をぶつけられている感覚がありました。
とにかくやりごたえのあるゲームをやり続けた2022年。もうちょっと種類をやるべきだったのでは……? 反省もありますが、少しはインディーにも触れてるのでラインナップとしては概ね満足しております。
今年のトピックスとしては、ぜんぶSwitchに来るな……、という感想。
ペルソナ3.4.5を始め、ニーアオートマタ、バイオハザードといったPlayStationやXboxシリーズで展開し終わったはずのタイトルがこぞって移植されてきました。まだまだSwitchでの新規参入が見込めるということでの移植でしょうが、そう思うとPS勢とスイッチ勢はやはり層がぜんぜん違うんだなぁと改めて思います。

さて、本年度はSwitchのソフトが8割の様子。しかも物量がでかいものばかりぶつけられ、やりこみ要素どころかクリアすら出来ていないタイトルもあります。そのうえ3DS・WiiU のDLソフト販売終了ということでアンテナをそっち側に傾けていたのもあり、あまり新作の発掘が出来ていないのが心残り。ですが、ゲームばかりやってゲームのことしか考えてなかったのは例年通りなので、いつものように備忘録がてらだらだら書いてまいります。

POKEMON LEGENDS アルセウス

これまでとこれからの集約点

今年一発目はポケモン最新作。冬にも最新作発売が予定されており、ポケモンに始まりポケモンで終わる年になりそう……と覚悟しながら購入。BDSP発売後もあり、変に期待の寄ってしまったビッグタイトル。

従来のRPGではなく、ポケモンとしては全く新しいアクションゲームとしての登場。本作は野生のポケモン接敵したとき、対戦画面に遷移せず、そのままポケモンが攻撃してくる。人間を敵として認識した野生ポケモンが、他のポケモンに攻撃するようにプレイヤーを襲うのである。これがたいあたりやみずでっぽうならまだ冷静でいられるのだが、中にはかみなりやいわなだれ、はかいこうせんまで撃ってくるので心臓に悪い。さらに野生のポケモンの中には「オヤブン」と呼ばれる個体もおり、通常の個体よりひと回りからふたまわりほど大きいサイズとなっている。その個体が放ってくる「すてみタックル」を受けた際にはパニックで捕獲どころではない、ひたすら逃げの一手である。
もちろんポケモンバトルも可能である。野生のポケモンに手持ちのポケモンを投げつけることで、シームレスにバトルへ移行する仕様となっている。このポケモンバトルも非常に斬新で、過去作にはない仕様で非常に刺激された。

残念な点として挙げられるのが、操作性が若干悪い点。オープンワールドが当たり前になりつつある昨今のアクションでは少し難があるものとなっている。特に移動の補助と拡張を目的としたライドポケモンの使い勝手は特に難を感じ、せっかくの広い箱庭フィールドを駆け回りづらくさせている。カメラの仕様もデフォルトのままだとだいぶ酔いやすい仕様となっているので、初心者やライトユーザーにはお薦めしにくい出来になっていると言っていい。

もうひとつはバトルの仕様が説明不足な点。
おそらく9割のプレイヤーはストーリークリアまで早業力業の詳細な仕様を理解することはないと思う。「なんとなく」では理解できるものの、その次の瞬間には想定外の攻撃に襲われる……なんて経験をし、謎が解明されることなくゲームを終えることがほとんどだと思われる。分からないなら分からないでもいいが、いかんせん爽快感に欠けると言わざるを得ない。

総合的な難易度は高いほうだと思われる。
特にポケモンバトルの仕様が堅実で、従来の仕様だとレベル差があれば、相性有利であれば、キチンと育成していれば戦えていたものが戦えなくなっている。耐久のあるポケモンでも2、3発殴られると倒されるので、バトルの回転は非常に早い。反面、高速高火力なポケモンが必要になってくるので、好きなポケモンと旅をしたい!と思ってもバトルですぐに倒されてしまう……ということになる。

結論としては、これまでのポケモンシリーズを集約するとともに、新たな導となるにふさわしいゲームであると言える。もし「ポケモン」というゲームに完成形があるとすれば、間違いなくこのゲームの延長線上にあるだろうといえる作品でした。
余談ですが、「3DSの頃にアルセウスのプロトタイプ的な形でポケモンのアクションゲームを出していれば、もっと完成度が高かったのではないか」という憶測からウルトラサン・ウルトラムーンが再度叩かれてたのは笑っちゃいましたね。

星のカービィ ディスカバリー

ついに出た!3Dで走り回るピンクだま!

ようやく時代に追いついたピンクだまです。
マリオやリンクから遅れること20年、ようやく3Dワールドで暴れまわる姿を見れました。物議を醸した「ほおばりヘンケイ」で異世界を駆け回る星のカービィ最新作。

謎のブラックホールに吸い込まれた先は、何かしらの文明が滅んだ跡がある異世界でした。一緒に吸い込まれたワドルディたちを救いつつ、襲い来るビースト軍団を撃破せよ!
ポップスターの危機でなくとも立ち上がるのが、われらがヒーローなんですね。非常にわかりやすいストーリーと、非常に優しいアクション要素。ワドルディコンプリートには骨が折れるものの、恒例となっている非常に緊迫感のあるラスボス戦はカッコいいカービィが見放題。
なんだこの満足度の高いゲームは……。

反面、ファン的に納得の行かない要素も。
コピー能力の総数が削られているのは仕方ないにしても、その操作説明がないのは非常に悪手。3Dでは初のコピー能力操作というところもあり、初心者はおろか経験者でも技を出すのに苦労する始末。過去作ではポーズ画面に遊び心たっぷりの説明があったのだが、なぜ削ったのか……。

どんなザコ敵でも飲み込めばワンパンのカービィですが、本作ではもはや飲み込むことすら致しません。ほおばりどまり、手心を加えており、完全に舐めプです。異世界の文明のものだから理解できない=コピーできないという認識を勝手にしております。

我々の文明が滅んだあとに、イカたちの文明が栄えたり、カービィがお邪魔したり、ピクミンが繁殖したりしていることを考えると、非常に人類滅亡が楽しみで仕方ないな……!!

カービィのグルメフェス

突然発表されて突然発売されて速攻ブームの去った、勢いしかなかった嵐のようなゲーム。令和のエアライドなんて言われてましたが、実のところ非常に荒削りな、レースともいえない、パーティーゲームとなっています。

イチゴを多く食べたひとの勝ち!といっていますが実のところは多く食べた人を蹴落とした人が勝ち、といったルールです。なんで食べたら食べたで身を守らないといけない。実を守るための鍵となるのがコピーフード能力なんですけど、これがまた微妙。
当たり外れが大きい割に、ルールによってはもろもろ似たような仕様……。しかもアイテムボックスからランダム選出されるんですけど、ものによってはイチゴしか出ないという。マリオカートでいうとコインかスターしか出ないアイテムボックスです。どんなゲームだ。
そしてこれまたコピー能力の操作説明がない点。隠しコマンド入れるなら説明をつけろ!

このようにバランスがだいぶ荒削りなゲームとなっておりますが、初戦パーティーゲーム。リアル友達と持ち寄って遊べばたいそう盛り上がります。(ローカルではふたりまでしか遊べないことには目をつむる……)

どうでもいいけど、攻撃食らっていちごを失うの、吐き出してない……? そして吐き出したいちごを別のカービィが食べてるってことなの、中々に業が深いというか……なんというか……。

ENDER LILIES: Quietus of the Knights

白百合の姫と死者操りの能力

悲壮ながらも美しいと言ってしまう世界観で描かれるメトロヴァニア。
死の雨が降り注ぎ、人間は姿も心も人間として生きられなくなってしまった王国、その地下で目覚めたのは雨に打たれても平気な少女、リリィ。
目覚めた彼女の前に現れたのは、雨に打たれ、人間でなくなってしまったひとりの剣士。しかし剣士の魂は浄化されており、リリィを護る為にここにいるのだという。王国はなぜ滅んだのか、リリィは何のために生まれたのか?
穢れた地を巡り、王国の民の魂を浄化する旅が始まる。

かなり素直なつくりのメトロヴァニアだという印象でした。
魂を浄化することで仲間になるかつての国民たち。中には特定のオブジェクトを破壊できる、もしくは特別な移動方法を得るといったような能力を得ることが出来、活動範囲を広げていくといった進め方。

能力を得ていくメトロヴァニアとして本作の特徴だが、国民たちの魂を浄化することで新しい能力を得ていく中で「クリアに必要のない能力」が多く存在すること。通常攻撃として使用できる能力をスタンドのように3つまで設定することが可能で、好みは勿論、そのエリアで出現する敵に対応した能力、ボス戦攻略に適した能力を組み合わせて立ち向かう事が出来る。
遠隔攻撃に特化させて良し、カウンター含むインファイトに偏らせても良し、バランスよく配分するも良し。個人個人でプレイスタイルに違いが出るであろう特徴で、本作の最も楽しかった要素だったのは間違いない。

本筋のストーリはマルチエンディングとなっており、到達点によって異なるエンディングが用意される。背景や世界観の全貌を知りたければ地下の奥深く迄潜る必要があり、ラスボスもまた、さらに地の底に眠っている。
明かされるストーリーは、かつて国民だったものたちの魂の記憶を読み取ることで飲み込んでいくかたち。それぞれ生前の活躍や人間関係、葛藤や想いを知り、近いや遺恨が残った彼らを従えるのは、なかなか複雑なプレイ感覚を得られる。
しかし、そのキャラクターらの背景に比重が寄ってしまう結果、本筋のストーリーが薄味に感じられてしまった感がある。あくまでキャラクターが魅力的だからというのもあるが、重厚なストリーをもっと味わい深く楽しみたかった、というのも本音である。語られない背景を想像で楽しみたい方にはおススメできる作品であることに違いは無い。また、BGMも素晴らしい。

マップがかなり簡素である。
各部屋を簡単な四角で表現しており、その四角と四角を線でつないでいるだけの仕様である。メトロヴァニアはマップを見るときのわくわく感が重要だと思っているので、もう少し凝って欲しかったというのが本音である。
ざっくりとした位置関係は把握できるが、具体的な構造を想像できないのは惜しいと言ってしまう。
また、マップ上ではどんな部屋であったか思い出せないのも、進めるうえでかなり不便な要素だった。見分ける要素が横長か、縦長か、正方形か、大きさぐらいでしか判断できないのは少し情報が足りなさすぎる。

予想を裏切られるのは良いことではあるが、倒すボスと得られる能力が多く一致しなかったのは終始付きまとう違和感だった。
「ここを突破するにはこんな能力が必要なのだろう、誰から貰える能力なのかな」に対して「お前から得れる能力、それなんだ」といった齟齬が終始付きまとったのはいい思い出。

なんだかマイナスな部分ばかり書いてしまったが、メトロヴァニアとして非常に満足度の高いゲームであったことは断言しておく。ストーリー、BGM、キャラクターの魅力は勿論、操作性についても文句なし。UI、グラフィックも十二分。買って損はしないゲーム体験を約束できる一作である。

「リリィの回避(ダイブ)強すぎwwこんなんどんな攻撃も当たらんでww」
→ クソデカ範囲攻撃(長判定)→ 「は?」
の冒頭2コマ漫画が見事過ぎた。
序盤の壁として立派すぎるよシーグリッドちゃん……。

マリオカート8 DELUXE コース追加パス

だれがここまでやれといった??? パート2

任天堂「マリオカート8DXのDLC出します!!!」
わたし「5年前出たゲームだが?(8は7年前)」
任天堂「過去のコースをリメイクします!!!」
わたし「成る程、マリカTourで出てるのを流用ね」
任天堂「全48コースです!!!(既存48コース )」
わたし「イカれてやがる(イカれてやがる)」
任天堂「2年かけて少しづつ出していきます!!!」
わたし「スマブラかよ。しかしいい値段しそう」
任天堂「2500円です!!!」
わたし「イカれてやがる」

追加コース第1弾発表!
任天堂「ゲーム内容を調整します」
わたし「素直にありがたい。何年ぶりだよ」

追加コース第2,3弾発表!!
任天堂「やっぱり完全新規コースも出します!!」
わたし「イカれてやがる」

追加コース4弾発表!!!
任天堂「やっぱりキャラクターも追加します!!」
わたし「イカれて(以下略)」
任天堂「次回以降も追加予定です!!!5体!!!」
わたし「(以下略)」

……これ以上言うことある???

Horizon Forbidden West

強くなれ、強く生きろ、強く活かせ。

前作「Horizon zero down」に時間を吸われたことが記憶に新しいが、それもそのはず100円セールなんぞやっていたのは続編が出るからであった。
前作の基本操作はそのままに、派生が豊かになった直接攻撃、属性の増えた弓矢、新しい武器種、スキル、必殺技。さらには立体的かつ、高速になった移動用のアクションをそのまま戦闘に活かすことが出来るようになった。これにより、同じ機械獣との戦闘において、何通りものバリエーションが生まれることが本作の最も楽しい点である。

無論、前作よりもさらに広大となったマップを駆け回るにしても、より好奇心を刺激される。過去の建造物がそのまま残り、自然に侵食され、原住民の住まいになっている光景はそれだけで、ひとつの物語を見せられたような感動を覚えていた。(膨大な時間が費やされた系の感動に弱い)

個人的に楽しんでいる要素の大半がストーリー展開、なぜ主人公アーロイが大陸の西側まで足を運ぶ必要になったか、そこで駆け回る必要になった目的などについてはネタバレ要素となっているため、多くは語れないのが悔やまれる。ただ、前作を楽しんでプレイした人には間違いなく刺さる内容であろうことは断言しておく。

アクション面で大きく変わったことは、武器が一度に6つ持てるようになったこと、属性攻撃の全体的なバランス調整などが上げられるだろうか。前作ではある種一通りの攻撃が多くの機械獣に通用していたが、バリエーションの増えた今作では一辺倒では通用しない。場面ごとにアセットしている武器を切り替える必要があるほどに。
だからこそと言っては何だが、武器のマイセットのようなものは欲しい仕様だったかなと。
高所からの落下に耐えられるよう、シールドウィングなるものが追加されたのも語らずにはいられない。元は盾としての運用品を、壊れたので落下傘代わりにしている代物であるが、これがなかなか楽しい。ちょっとの坂道でもジャンプから無理やり発動してしまう(かなり不格好になる)。

4月に大型アップデートが予定されており、まだまだ遊びつくせそうにない本作。さらにVRでしか遊べない、新たなHorizonも発売されており、認知度が上がり続けているはず。おいそれと「次回作が楽しみです!」と言いたくない派の人間なんですが、新作が出続けて欲しいなと思うシリーズである。

MONSTER HUNTER RISE/SUNBREAK

モンハン人気、上昇は留まるところを知らず

間違いなく2022年で最も時間を吸われたゲーム。
「俺のしたかったモンハンではない」とか言いつつ買ったら買ったで400時間もやってるのアホすぎる。

ようやくアクションゲームとして地に足つけたな、と上から目編の何様評価。実際モンハンって子供から大人まで遊んでるゲームなんですけど、結構玄人向けのゲームです。操作がややこしすぎるのは勿論、具体的にどういう状況で、どういう行動が効果的なのか(閃光玉が効果的な場面、肉質や弱点部位の概念、各種スキルの発動条件、等……)が一見分からない。もちろんこのご時世調べたらいくらでも出てくるんですけど、ゲームの中だけでは分かりにくい仕様になっていました。
ところが今作、どういう風の吹き回しか、そういった情報がいくつか、ゲーム内のノートで把握できるようになっていた。これはなかなか衝撃的な進化でした。

アクション面についても、作品を経るごとに進化してきたが今作は随一。
個人的に、アクションゲームとしての「難易度」=「行動不能時間の長さ」という考えなのだが、これについてかなり進化していた。
今までは技を出したり、逆にモンスターの攻撃を食らって吹っ飛んでる間は一切行動に係る入力を受け付けず、ただハンターが剣を振り回したり吹っ飛ばされているモーションを見ているだけだった。今作は技を出したあとにはなんかしらのキャルセルが可能、吹っ飛ばされても姿勢を立て直すことが可能になったりと、何かしらの入力で「行動不能時間が短くなる」調整がされており、非常に快適に遊ぶことが出来た。

モンハンにある程度慣れている身でも大きな進化を感じる一方、Switchの普及も相まってか、これまでモンハンを遊んだことの無い層がモンハンに手を出している姿が見られたのも印象深かった。

相変わらず謎要素も多いゲームである。世界観を壊すコラボクエスト(恒例ではある)、コラボ衣装・武器。エンドコンテンツは相変わらずなのは置いておく(それでもだいぶ楽しく、整ってきた方ではあるが、やらないので……)として、追加コンテンツの紹介PVの司会進行をゲーム内キャラクターに任せるなど、プレイヤー側がどう受け取ったらいいのかわからない提供を続けるのが開発側の悪い癖である。PVのつくりは毎回テンション上がるかっこいい出来になっているのに、それを紹介する側が微妙と言わざるを得ないの、なんとも惜しい……いや、ゲームの中身あんまり関係ないなこれ。

強いていうなら、モンスター数が少ないのは不満点としては間違いなく、エンドコンテンツに至る迄が速かった印象は拭えない。亜種モンスターを頑なに出さない姿勢になにか意思を感じるものの、それに変わる楽しみが無いのは如何とも言い難い。プレイヤー側の意見をどう反映させているのか不明なあたり、まだ伸びしろがあると言えなくもないが、発展途上なゲームだと思ってしまうシリーズであるというのが正直な感想だ。

STRAY

迷い猫サイバーパンク

数年前から話題には上がっていた、猫を操作するアクションゲーム。
オープンワールドとも噂されておりましたが、実際は箱庭式での登場となりました。

ストーリーや世界観なんてものはこのゲームを語る上での飾りでしかありません(いやすごく魅力的ではあるんですけど)。Strayの魅力はとにかく猫、猫、猫。猫を操作するゲームとして、これ以上猫になりきれるゲームは無いと思われる。
細い道を抜け、室外機を乗り継ぎ、素早い身のこなしで障害を乗り越える……理想の“猫”の姿があなたの操作で走り回る。

体験できるのは徹底された“猫の視点”。猫にとって人の足は毛づくろいするためのもの、扉や垂れた布は爪を研ぐためのもの、缶は上から落とすもの……?
このゲームの最たる魅力であるひとつ、猫の“粗相”はゲーム攻略においてほとんど意味を成さない。対戦中のゲームをひっくり返しても、積まれた本をなぎ倒しても、誰にも怒られない。街の住民から目の敵にされても、裸足で追いかけてくる輩は現れないのだ。また猫の特徴をうまく味方につけた仕様として、寄り道が正当化されることだろうか。猫とは気まぐれである。所構わず良さげなところがあれば爪研ぎを始めるし、たまたま迷い込んだ路地に寝心地の良さそうな毛布があれば昼寝をしてみたりもする。

迫る脅威を回避しながら仕掛けを解き、身軽さを活かして自在な道を静かに駆け抜ける。たまに寄り道して爪を研いだり、水を飲んだり、昼寝しながら……気ままに……。
が、しょせんは猫である。ただただキーボードの上で動いているだけの気持ちで動いているだけで、実は我々はコントローラーで操作している気になっているだけかもしれない。

ELEC HEAD

ビリっと閃け!アタマを使え!

Swichに来てくれて非常にうれしかったインディーゲームのひとつ。
個人的には2022年ベスト楽しんだゲームです。
それぐらい「望んでたゲーム」。

電気が常に流れる頭を持つロボットを操作し、仕掛けを解いて進んでいくゲーム。彼は何のために生まれたのか? 何のために進むのか?
そんなこと考える暇があったら目の前の仕掛けを解く方法を考えろ!
ってぐらいには骨太な謎解きをさせられるパズルアクション。

常に電気が流れるアタマを持つロボットは、当然歩く道すべてに電気を流すし、壁に当たれば繋がる天井にまで電流が流れる。足場が鎖で繋がれていれば鎖を通じてあらぬ方向へ電気が流れるなど、ステージはすべて通電するように出来ている。
基本的に、
「電気が流れると動く仕掛け」
「電気が止まるともとに戻る仕掛け」
「電気が一度でも流れると動き出す仕掛け」
などの仕掛けを動かしていくが、
『動かす必要がある仕掛け』
『動かしたらダメな仕掛け』
『タイミングよく動かす仕掛け』
を見極め、どういう順序で動かし、乗り継ぎ、電流をコントロールしなければいけない。

さらにこの仕掛けを一層面白くするアクションとして
「アタマを投げる」というものがある。
このロボット、発電しているアタマだけをぶん投げて、カラダだけで動き回ることが可能となっている。制限時間はあるものの、身体機能の劣化無しに周囲を通電させずに動き回れるのだ。
このアタマを載せた状態と、カラダだけの状態をも切り替えながら、電気を流し、と思ったら止めて、また流し。アタマ投げとジャンプのみで道を切り拓いていく

骨太アクションは良い歳した自分でも十分アタマを悩ませられるレベル。
比較的簡単に解けたと思いきや、10分20分足止めを食らうほど苦しめられたり、純粋にアクション要素として難しかったりする。
足止めを食らったときは本気で「なにか取得していない能力があるのでは!?」と思ったりもした(メトロヴァニアのやりすぎ)が、なんてことはない、足りていないのは自分のアタマだった、というだけのことである。

純粋に難しい仕掛けでも、一度寝て起きたらあっさりクリア出来たりとアハ体験が楽しめたのでそういった満足度も高いのだが、中には「そんなのアリか!?!?!?」となるような、アクションゲームに慣れた人ほど引っかかりそうな解き方があるので、そういった作りこみも含めて作者には敬意を表したい。

やりこみ要素もすべて謎解きという徹底してアタマを使わせれるゲーム。
かわいいロボットの見た目に侮るなかれ、ビリリと痺れるゲーム体験にお値段、プレイ時間以上の満足感間違いなしのゲームであった。

LIMBO / INSIDE

なにこの…………なに???
えも言えぬとはこのことか、言葉にならない悲鳴だけをことあるごとに出してしまう……。そんなホラー調の2D謎解きアクションゲームが2作品。
両作とも同様の作りとなっており、ストーリーらしきものはあるが、なんとも不気味な雰囲気の世界観、化け物としか形容できない生物、説明し難い機能の機械……これらをゲーム中の説明は一切無しで進んでいく。

一切合切サイレントと言うわけでなく、環境や仕掛けの音、特に操作キャラが死ぬときの効果音は派手に聞こえる。嫌がらせか???
とにかくなんとなくで「察せ!」と圧のすごいストーリー構造ではあるが、先の展開を知るには先へ進む必要がある。先へ進むには仕掛けを解く必要がある。これが中々にシビアなつくり。
単純に頭を捻るものも多いが、多いのは「タイミング良く動け動かせ」というもの。トライアンドエラーを必要とする都合、タイミングをミスれば容赦なく操作キャラは死ぬ。リスポーンは早いものの、それだけでハイペースで少年の無惨な死をハイペースで見る羽目になる。別のところで心が折れるが??

おそらく愉快な世界設定ではないだろうし、たぶん笑えない結末を迎えているんだろうという思いのまま両作ともエンディングを迎えた訳だが、それでも恐ろしく印象に残られるゲームなことにまちがいはなかった。

昨今、操作が難しいゲームに溢れ、自分の思い通りにキャラクターを操作することが難解となりつつある時代。INSIDEに限った話ではあるが、自身の操作とキャラクターの動きがリンクしていることがこんなに絶望的なことがあるのか、と思い返して唸らさせられた。

スプラトゥーン3

地球をまるごと塗りかえろ!!! 世界が待ってたSTG!!!

まさかSwitchで2作も出すとは思わなかった!!!
3人称シューティングとして異例の人気を誇る、もはや任天堂の顔のひとつになりつつあるビッグタイトル、3作目です。
これまでの仕様を受け継ぎつつ、2で出し切ったと思われていたコンテンツの味を、どう絞り出してくるのか期待をしておりましたが、そんな不安をはねのける巨大コンテンツの貫禄、現在進行形でもろに食らっております。

前作2の勢いは押し寄せる波のようでした。毎週のように追加ブキ、月一のフェス、アップデート、追加コンテンツ……。勢いが収まるころにはすべてのコンテンツを出し切った完全体がそこに君臨していたような、後から思い返すものが多すぎるといったコンテンツでした。
その発売が5年前。現在、コンテンツという概念の消費速度は何倍にもなってます。2のころの勢いで提供すれば、瞬く間に抜け殻になりかねません。

3の勢いは打って変わって、緩やかとも言えます。
シーズンの概念が生まれ、3か月に一度大型アップデートが入り、そこで10個ほどブキの追加が行われたり、ギア・ステージの追加、バランス調整等、大幅な環境の変化が起こるといった仕様に。
フェスも不定期な開催になり、後述の「ビッグラン」といったイベントも増え、パッケージが販売されたゲームとは思えないほど「一度買ってプレイして終わりではない」ことを前提に作られているデザインに。

上記のデザインの是非はともかく、この長期的なコンテンツ寿命はどれほどの長さを見積もっているのだろうか、考えると少し恐ろしいものを感じる。
この勢いを考えると、Switchの次世代機で出るであろうスプラトゥーン4の発表まで持たせるつもりなのかもしれないが、それがいったいいつになるのか? ある程度見据えての提供速度なのか、ただ間延びさせるためだけの速度なのか、冷静に見極めていたい所存。

ナワバリバンカラフェスマッチ

2のバトルはあまりハマれなかったような記憶(通信速度の影響か、仕様の問題かは不明)で、3のバトルは初代と2の間のような印象を受ける。
また、ステージの仕様に特色が無く、純粋な殴り合いが強い方が勝つステージ構成が多く、正直言って面白みが無い。2のステージが好きだったとまでは言わないが……。
ブキの追加も難産の模様。22年冬に追加された完全新規のブキ3種は早くも「残念ブキ」の烙印を押され、23年春には新規ブキの追加は無かった。スペシャルは新規のものが多く、スペシャルの殴り合いが現状最大の楽しみといっても過言ではない。
現状の仕様では2の延長線上にあるような仕様ばかりで、これまでと比べて特色が無い。初代から2に進化した時と比べて発展した部分が感じられず、超大型アップデートが入っただけのような印象が拭えない。あくまでバトルの中の仕様の話ではあるが、「3」としての特徴はこんなもので良いのか? と素直に疑問を抱くところ。

とはいえ、進化している部分もない訳ではない。ナワバリバトルを始め、フレンドとの合流・部屋への乱入が選べるようになったなど、ロビーが使いやすくなったのは素晴らしい調整である。
また、ガチマッチ改めバンカラマッチの仕様も、S+以下とXマッチで住みわけが行われたのも、なるほど英断だ、と納得した。賛否両論あるみたいですが、どうせ自分の実力への満足なんて自分でしか決められないので、この使用には肯定的です。
他にも、エモートやネームプレートなどで個を出せるようになった仕様も素晴らしい。敗北エモートがオミットされたのはよろしくないが、バッジなどの収集要素は非常に楽しませてもらっている。

あと番外編ではあるが、本作で一番楽しいモードはロッカーだと思います。
一生遊んでいられる反面、細かいUIが気にならないではない。それでも起動すれば一回は入りたくなるロッカールーム、素晴らしいモードです。

ヒーローモード:Return of the Mammalians

1,2とタコ軍団との戦いを描き、オクト・エキスパンションではタコとの和解、そして前時代の遺産との戦いに終わったスプラトゥーンのストーリー。次はいよいよ新たな敵が……? と思ったらまたもや前時代の遺産との戦いでした。確かに前作からの不安要素ではありましたが、こうも衝撃の事実を引っ提げて来られるとは……。ネタバレありきの話題なので、これまで。
しかし、すりみ連合3人の扱いがどこかぞんざいなのは気のせいだろうか。
それとも、今後の追加コンテンツで株を上げてくれるのだろうか。

サーモンラン NEXTWAVE

スプラトゥーン3で2番目に楽しいモードです
個人差あれど、一番やりこみがいのあるコンテンツだと思ってます。

自分の能力で行けるところまでしか行けない仕様、終わりの見えないやりこみ要素、定期的に設けられた目標基準……、あとはやりがい以外の報酬があれば文句なしなんですけどね!!!!!

ポケットモンスター スカーレット/バイオレット

そんなに怖いか? 新世代が!!

ポケットモンスター 第9世代 開幕
早いことで、Switchポケモンも2週目に突入です。
まごうことなき名作ソードシールド、バグと思い出の入り混じったダイパリメイク、新しい風を吹かせたLEGENDSアルセウス……。その3つの作品を経て生み出された完全新作ポケットモンスター、如何なるものか? 自分はダブルパックを購入しパルデア地方を2週したのち、出した結論が以下のものである。

「傑作と言わざるを得ないが、本当にこれが傑作で良いのか?」

本作はポケモン史上初、オープンワールド採用型RPGとなっており、フィールドすべてを地続きで移動できるシステムとなっている。また敵(=野生ポケモン)との遭遇も従来のエンカウント性からシームレスに限りなく近いシンボルエンカウントに。ポケモンセンターも外に追いやられ、ガソリンスタンドのようなシンプルな作りにまとまっている。

Switchのパフォーマンスの低さはほかハードと比べ顕著ではあるが、それでもゼルダの伝説botw、ゼノブレイドと比べて世界描写のクオリティ、キャラクターの挙動、カメラの動きや画面の見せ方などが劣っていると言わざるを得ない。

不意にエラー落ちすることも触れないわけにはいかない。
動作が重いのは常にであり、さらに遅くなったと思えばソフトが強制的に終了することも少なくなかった。処理が全体的に重いというのはキャラクターを操作するときに限らず、ポケモン図鑑・捕まえたポケモンを預けるボックスも処理が重い。挙句の果てにはクリア後のスタッフロールですらも多少カクつくといった有様であった。

オープンワールド仕様になったことでアクション要素が高まり、それまで培われてこなかった技術が心許ないというのはプレイヤー側としても理解できる。しかし、それまでもあった要素のボックス内の挙動など、「過去の作品では問題なく出来ていたこと」が出来なくなっている、または不便になっているのは非常に残念である。特にポケモン図鑑の仕様は過去最悪、GBAソフト・ルビー/サファイアのそれに劣るレベルであるとはっきり断言できる。

無論、評価すべきところも多くある。
まず第一に「新世代のポケットモンスター」というコンテンツとしては間違いなく大成功であること。
ソードシールドから3年で出来たとは思えないほど、「まったく新しいポケモン」として世に出てきたのは衝撃と言わざるを得ない。新規ポケモンも多く、新しい試みも多く果たしているのは、登場から25年経つコンテンツとしては衰えがなさ過ぎる。むしろ増してるまである。
次にキャラゲーとしての発展。ポケット“モンスター”ではなく、ポケモントレーナー、つまりヒトのキャラクターを売り出し進めているのが昨今の流れでもある。アプリゲー「ポケモンマスターズEX」などが代表的か。いやどれだけ地盤を盤石にするつもりだ欲張りちゃんか? と思えども、これまた大成功な試みなのでぐぅの音も出ないのである。非常に魅力的なキャラクターが味方、ジムリーダー、的組織幹部、四天王にまで揃っているので最早バイキング状態なのだ。

最後はやはり、ポケモンの生物としての置き方だろうか。ポケットモンスターはゲームである以上表現に限界がある。ソードシールドまでは特に、ポケモンの数を増やす反面、対戦の中での挙動や生物としての表現方法に多様性がほぼ無いに等しくなっていたのだが、今作は違う。一匹一匹に“威嚇”や、“眠る”といった、感情豊かなモーションが追加されているのだ。このことには非常に感動したし、やはり続編が永遠に出て欲しいと思える所以はここにあるなと再認識させられた要素である。特にリザードンやヘラクロスなどに「地上」「空中」用の待機モーションがそれぞれ使い分けられていたことには感服した次第である。

ポケモンに始まりポケモンに終わる年でした。
ダイパリメイクの出来をぶつけられた時にはどうすればいいんだこれ状態でしたが、すべて終わってみてもやっぱりどうしたらいいんだこれ状態ですね。どうするんだこれ
実際、メディアミックスの幅が広がり過ぎて、一切ゲームとしての「ポケモン」に触れなくても「ポケモン」というコンテンツに触れることが出来る時代になっていると言えます。そんな中でポケモンのゲームに多くを求めることは案外筋違いなのかもしれません。
ですがやはり、コンテンツとしてのポケモンといえば旅の中の未知との遭遇いだと思っています。ポケモンバトルも然り、ジムリーダーや四天王の存在も然り、ストーリーと伝説のポケモンも然り、そして勿論、ポケモンとの出会い。これらすべてが旅や冒険の中で出会うからこそ、思い出として深く残り、一層思い入れのある作品として成り立っていると思います。

だからこそ、旅や冒険をするポケモンのゲームは出続けて欲しいし、その体験をみんなに味わってほしい、それらを通して野生のポケモンや魅力的なトレーナーに出会ってほしいと思います。
……という訳でゲームフリーク&株式会社ポケモンさん。
どうか「ポケットモンスター」で得られる旅や冒険の体験を半端なものにさせないでください。100%楽しい思い出でなければという訳ではありません。ただ純粋に旅をしている感覚を味わいたい、ゲームであることを忘れて冒険を楽しみたい。そんな体験が出来るのが「ポケットモンスター」だと思っています。お気持ち表明になってしまっておりますが、その体験が失われるような作りになっている本作、非常に遺恨が残りますが、来るべき第10世代、最高の「ポケットモンスター」で旅が出来ることを楽しみにしておきます。

総括

所感

物量で殴られ続けた一年でした。
ゲームしかやってない割に消化しつくせた実感が薄い。噛んでも噛んでも味の無くならないガムを次から次へと口の中にぶち込まれる感じ。吐き出せばいいのに、未練たらしい自分は「まだ味が出るから……」と吐き出せずにいて、そのまま一年が終わっちゃったような形ですね。たとえが汚い。

本年度の発売で購入に至れなかった面白そうタイトル
ベヨネッタ3 1,2をWiiU でクリアに至れずに見送り
ホグワーツ レガシー PS5だし……、新規IPは怖かった。

反省

えー、これまで無かったことなのでもはやどうしたらいいのか分からないところまで来ちゃってるんですが、一応大いなる反省を込めて、ここに懺悔致します。過去最高レベルに積みゲーを積んでおります。

昨今、物量が大きくやりこみ要素も多く、無限に遊べてしまうゲームが増え、それと同時に自分の集中力、好奇心、継続力が軒並み低下していくという30歳一歩手前の諸症状(?)に襲われてしまいました……。
ただやる気のない言い訳ではあるんですけど、解決策も見当たらなく。
実際ここで「今月はこれだけやるぞ!」という目標とかを立てた時点で、それはもはやゲームとしての存在意義を失っている(持論)ので、具体的な解決方法が「とりあえず、やる」しか無いのがなかなかネックなんですよね……。

とりあえず、自責の念と(供養と言ってしまったら二度と遊ばない気がするので)を込めて積みゲーを羅列させておきます。

OCTOPATH TRAVELER 4年ぐらい積んでるもはや置物
Horizon Forbidden West クリアにたどり着けない
moon どこ行ったらいいか分からんくなった。
METALLIC CHILD 難しくて突破できなくなった。
DEATH STRANDING 時間が4割増しで感じられるので……。
バディミッション BOND スプラの波に飲まれた
OMORI 起動すらしてない。
魔法使いの夜 起動すらしてない

来年に向けて

と言ってもこれをまとめてるのが2023年なんですが。
2023年はペルソナ3Pに始まり、5月にはゼルダの伝説ティアーオブザキングダムが控えており、またも質の高い物量をぶつけられております。
おそらく新型Switchも展開されると予想しており、一層Switchブームが頑強なものとなる見込み。
そろそろPS5を置いとくべきなのかな〜、とも思いつつ、やりたいゲームがスパイダーマンとホグワーツ・レガシーしかないのも悩みどころ。
3DS、Wii Uの販売終了に伴う爆買いのせいで、人生初の積みゲーに埋もれておりますが、なぜかなかなか幸せな気分ですね。こちらについては、別でまとめたいところ。

Switch BEST play
2022 BEST GAME

それでは、2023年も良きゲーム生活を。

どれだけ溶けるかな、時間……

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