上野美術館巡り
1日かけて、上野で美術館3館をまるまる堪能してきた。
ヘッダーは、朽ち果てたモネの絵画。まさかこんなものまで堂々と展示させるとは。
元々は、睡蓮と柳が描かれていたようです。
上野の森美術館⇒国立西洋美術館(企画展)⇒東京都美術館(企画展)の順番に今回は鑑賞しました。
上野の森美術館では木梨憲武さんの個展が。
今まで、見たものに対して深く内省する癖があった僕ですが、ここでは思索不要。
というより、思索をする余裕などない。
ひとことで言えば、「これだけ熱中して作品制作ができるのは幸せなんだろうな」。これにつきる。
どの作品を見ても不純物は感じられず、健やかに色彩が外へ外へと伸びていた。
時にはこんがらがったりしながらも、しなやかに美しく、そして軽やかにキャンバスが彩られていく。
ポップな色調はとても愛らしく、親しみをこめて迎え入れてくれた。
おなかの底から、太陽が飛び出してくるような暖かみに満ちていた。
楽しい!…楽しい!…楽しい楽しい!!
こんなに心地よく人を楽しませるなんて、作者本人が楽しんでなきゃできないことだ。そう感じた。絵は嘘をつけない。
最後まで一気に見通し、高揚した気持ちで、ポストカードを選りすぐり買った。クリアファイルも。
見るだけで元気も気力も溢れてくる。
精神が潤い健康になってゆく…
初見でしたが、行って良かった!
ずっとあの空間に包まれていたい。
木梨憲武さんの個展が終わったあとは、国立西洋美術館の企画展「自然と人のダイアローグ」
稚拙な認識ではあるが、ざっくりとシュルレアリスムと印象派が好きな僕。
沢山の印象派の作品があり、気楽に楽しめた。
クールベの重々しい厚みにあふれた、低彩度の色彩はいつみても安心する。安心安定のクールベ。
コローの静謐なタッチもたまらない。
リヒターの空や雲は写真のように柔らか。
モネ、睡蓮が全く響かなかったのに、大聖堂の作品で思わず声が漏れる。
でもヘッダーにあるように、朽ちていく睡蓮の絵はなんか感慨深かったな…
さらっと見終え、恒例のポストカードを買う。
なんだか全体的に青くなっちゃったネ。
でも好みのものが買えて良かった。
途中で上野駅まで戻り、お昼御飯を食べた。
豆花に点心、台湾料理のお店でのんびり。
気力回復したところで、東京都美術館へ。「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」を見に行きました。
あまり宗教画や肖像画、ざっくりと言って人物画に興味のない僕…
でも、それは学生時代の記憶で、それ以来は見てこなかったから、食わず嫌いみたいで。なんか情けない話だけど。
結果として見られて良かったと思います。
楽しみかたがつかめた気がする。
真に迫ってカタルシスがあるわけじゃないけど、キレイなんだなというのはわかる。
訴えかけてくるものはないけど、上手いのはわかる。
好きな人(ルネサンスやバロック辺り)は訴えかけられるものがあるのかもだけど、僕は上手いなあ綺麗だなあ、どうやって描いてるのだろうと、貧相な語彙力で並みの感想になってしまう。
でも、楽しかったんですよ。気兼ねなく見れるというか。主題がハッキリしてるからこそ、頭使って見る必要もないし。
昔みたいに、つまらないなあとならなかっただけ、進歩だと思います。
一番最後の、ナイアガラの滝は凄い良かったですよ~!
滝の飛沫や大気の感じが、そのままキャンバスからでてくるような迫力が、清々しさを感じさせてくれた。
マクベスも、多数の赤色が緻密に描き込まれていて、じいと見てしまった。
連作・田園の情景は、牧歌的でのどかな空気が和ませてくれたのに対して、もともと三連作ではなかったそうな。
買い取ったオーナーが勝手に連作として飾ってしまったそうです。まこと面白い横暴なエピソード。
そんな感じに、ご紹介した三作のポストカードを購入。
お気に入りを手元に置けるっていいですよね。
そうそう、美術館へ行くと、ポストカード買うのが趣味なんですが(おわかりのように…)、案外すぐ無くなっちゃうんですよね。
筆マメさんではないですが、誰かにプレゼントを渡すときとかの、一筆箋代わりにしてます。
渡す相手のイメージに沿って絵柄を選ぶのも、楽しいものです。
1日中歩いていたので足が痛いですが、良く眠れそうです。
このあとは、10月に岡本太郎展がありますね!普段は生田緑地に見に行ってるのですが、レアな作品もあるとのことで、楽しみです。
国宝展では、長谷川等伯の作品が見たいなあ。
これからも上野界隈にはお世話になりそうです。
ところで、同じようにポストカード好きな人同士で、文通みたいのをやってみたい気もします。
お気に入りのポストカード交換、みたいな。
やりたい、めちゃくちゃやりたい。