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夜をゆっくり待つのです。【コマツヨイグサ】+α
こんにちは、うりぼうです。
GWもすっかり明けてしまいました。その間にも「立夏」が訪れ暦の上ではもう夏です。
「立夏」は二十四節気の一つで、「春分」と「夏至」の間に当たる節気ですが、この間テレビ番組で二十四節気と実際の季節感のズレのお話をしていました。
二十四節気はもともと中国で生まれたもので、中国での気温に合わせた節気の名称になっているとのこと。例えば立春であれば日本だと二月の寒い時期ですが、中国の方は少しばかり暖かくなり始めているそうです。
私はてっきり昔の暦(陰暦)の関係かな、と思っていたので、考えもしなかった理由に驚かされました。
とはいえ今年は気温が高く、4月中に既に夏日を記録しましたので(関西)、「立夏」と言われても違和感がないような気がします。
そんなわけで今回は、初夏から咲く「コマツヨイグサ」を紹介したいと思います。
「マツヨイグサ」の仲間との出会い
「マツヨイグサ」の仲間は夜に咲くものが多いです。私が最初に「マツヨイグサ」の仲間と出会ったのも、夏の夜でした。
駅からの帰り道だったか、遠くの街灯の光がうっすらと辺りを明るく照らしている中、普段は濃いグリーンしか見えないはずの空地の草の中に、ぽつんと黄色いお花が見えました。
その時はまだ名前も知らなかったので、とりあえず写真にだけ収め、後で調べようと思い撮った写真がこれです。
携帯カメラのフラッシュで明るいですが、結構暗い場所だったので、夜もこんな風に花が咲くんだ、と驚いたのを覚えています。
家に帰ってさっそく調べてみるとこれは「マツヨイグサ」の仲間であることがわかりました。
漢字で書くと「待宵草」。「宵を待つ草」。
風流だな、雅やかだな、と言葉の表現の豊かさ美しさのようなものを感じました。
そして今、改めて調べてみた分類
一度知ると不思議と目に入ってくる野草。「マツヨイグサ」は家の近所にも生えていたので、それ以来通勤時の楽しみにもなりました。(早朝にもまだ花は開いています^^)
とはいえどうやら前に見たものとは雰囲気が違うような気がします。
私の中では「マツヨイグサ」は「マツヨイグサ」であり、それでいいや、と思っていたのですが、改めて図鑑をぺらぺらめくっていると、「マツヨイグサ」と私が勝手に一括りしていた植物にも、それぞれ名前があり分類されていることに気づきました。(今更^^;)
「これは植物に申し訳ない!私の中でもちゃんと区別しなければ!!」
そうして分類をしたところ、近所に生えていたのは「コマツヨイグサ」。そして、夜の写真の方はもしかしたら「メマツヨイグサ」なのかもしれない、という結論に至りました。
調べてみるものですね。
では、分類を紹介しますね。間違いがあればご指摘ください。
【5/10 追記】花びらの大きさを花の大きさとして勘違いして記事を書いてしまっていたため、該当箇所を修正しました。ごめんなさい。
👑印はチェックポイントです^^
■ マツヨイグサ
・花がしぼんだ後は赤っぽいオレンジ色になる👑
・茎は直立、葉はギザギザ👑
・花の大きさはだいたい2~4㎝程度
■ コマツヨイグサ
・花がしぼんだ後は赤っぽいオレンジ色になる👑
・葉は深いギザギザで、茎が地面を這うように伸びる👑
・花の大きさはだいたい2~3㎝程度
・円柱状の種子
■ メマツヨイグサ
・花はしぼんでも黄色👑
・葉には目立ったギザギザはなく、茎は直立👑
■ オオマツヨイグサ
・花はしぼんだら白っぽくなる👑
・葉には目立ったギザギザはなく、茎は直立👑
・花が大きい。5㎝以上!👑
イラストを描こうかとも思ったのですが、見たことがないのもあり描けませんでした...いつかすべてを見れたときは、イラストも描ければ良いな^^
コマツヨイグサ
前置きがすっかり長くなりましたが、今回の主役「コマツヨイグサ」を改めて紹介します。
先ほどの分類通り、地面を這っている様子がわかりますか?(いまいちな写真ですが^^;)
そして、しぼんでしまった花は赤っぽいオレンジ色をしていて、葉っぱには切れ込みが入っています。
まさに「コマツヨイグサ」ですね^^
「マツヨイグサ」の仲間の多くは夕方~朝にかけて花を開きますので、別名「ツキミソウ」とも呼ばれているそうです。
「コマツヨイグサ」もその例に当てはまります。上の写真は18時に撮影したものですが、どうやら開いたとこだったようで、まだ咲いていないものもちらほらとありました。
「コマツヨイグサ」は一日花と言われていて、夕方から朝まで花を咲かせると、そこからまた開くことはありません。その辺りもなんだか一生懸命で良いな、と感じました。(花芽はひとつの個体にたくさんあります。同じ花は咲かない、ということです^^)
花が終わった後は、円柱状の種子が育っていくのですが、この円柱状の種子は上から見ると四つ葉に見えてとても可愛かったりします。
この赤っぽい、しぼんだ花の付け根の部分です。(赤丸のところ)
この写真だけではわかりにくいですが、花が落ちたあと上から見ると...
小さな四つ葉がいっぱいで、なんだかかわいらしく見えてきます。
この部分は触るとすごく硬くて驚きました。みっしりと種の素が詰まっているのでしょうか?!
マツヨイグサの仲間には風流な名前が多いと思う
ここまで「コマツヨイグサ」を中心に「マツヨイグサ」の仲間を紹介してきましたが、個人的に「マツヨイグサ」の仲間の名前は素敵だな、と感じます。私がそう感じた仲間を紹介しますね。
■ アカバナユウゲショウ(ユウゲショウ)
「ユウゲショウ」は漢字では「夕化粧」と書きます。考えた人はセンスのある人だな、と思わせるとてもいい響きの名前です。
名前の由来は「午後遅く(夕方)に咲くから」だそうですが、実際には昼間咲いていることも多いそうです。
私が撮影したのも14時頃と、今の時期では昼過ぎです。
「アカバナユウゲショウ」については、なつめぐさんの記事が詳しいのでそちらをご覧ください^^
■ ヒルザキツキミソウ(モモイロヒルザキツキミソウ)
「マツヨイグサ」の別名でも呼称されている「ツキミソウ」ですが、実際には植物として存在していて、白い花を咲かせます。
植物の「ツキミソウ」は「マツヨイグサ」と同じく夕方から咲くのですが、この「ヒルザキツキミソウ」は日中でも花を咲かせます。
名前の通り「昼咲」なのですね^^
もともと園芸種として北アメリカから入ってきたこともあり、桃色と白のグラデーションが美しい花です。
「ツキミソウ」に「月見草」と最初につけた人もセンスの良い人だな、と思います。
「月を見る草」。夜にしか咲かない、というのをこの名前だけで美しく表現できるなんて、よほど言葉の表現力に長けた方なのでしょうね。
おわりに
今回は、夜に花を咲かせる「マツヨイグサ」と、その中で特に「コマツヨイグサ」についてご紹介しました。
日中ではなかなか咲いているのを見る機会が少ないかもしれませんが、見かけたら是非とも観察してみてくださいね^^
その時に、今咲いているこの花は明日にはもう咲かないんだな、と花との出会いの幸運を感じていただければと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。