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クスノキとアオスジアゲハ

こんにちは、うりぼうです。

本来であれば今週、野草記事を投稿するところなのですが、野草は来週までお休みさせていただいて、今回はうちの植木鉢クスノキとアオスジアゲハについて書きたいと思います。

今回は植物というよりも、虫がメインになります。

虫が苦手な方は、引き返してくださいね^^

クスノキ

うちの家にはクスノキがあります。

気付いた時には家の庭で芽をだし、土に根を広げ、徐々に葉っぱを広げていました。

きっと鳥の落としものだろう。そう考えた私の頭に、近くの神社が浮かびました。

その神社にはいくつもクスノキが生えていて、その中の一本が特に私のお気に入りです。

よく話しかけたり、しんどい時には寄りかかったりしていたそのクスノキ。

この子はもしかしたら、そのクスノキの子どもなのかもしれない。

庭の片隅で葉っぱを広げ始めた小さなクスノキを、私はなんとかしてあげたいと思いました。

しかしそのまま放っておくと、大木になり家まで傾いてしまう。そうなっては大変。

そこで土を掘り、クスノキ根っこから取り出すと植木鉢に植え替えたのでした。

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植え替えて一年くらいたったころのクスノキです。

まだ若く、枝分れもあまりしていません。この時はまだアオスジアゲハがやってくるなんて知りもしませんでした。

アオスジアゲハ

クスノキは大きくなり、最初の植木鉢では苦しそうになってきたので、ひと回り大きな植木鉢に植え替えてあげました。

枝ぶりも立派になり葉も増えてきたある日、葉っぱに小さな黒い虫が住んでいることに気が付きました。

その虫はアゲハ蝶の一番小さな時の黒い幼虫、鳥の糞に似せている姿に似ているのですが、アゲハ蝶よりもシンプルな雰囲気でした。

そもそもアゲハ蝶は柑橘系の木に卵を産むはず。

クスノキは柑橘系だったかしら?と一瞬浮かんだ妙な考えをすぐさま否定し、調べてみることにしました。

「クスノキ」「アゲハ蝶」

検索で引っかかってきたのは、アオスジアゲハでした。

あの綺麗なブルーラインの入った蝶!

まさかこんな住宅地の小さな植木鉢に植わったクスノキを見つけてくれるなんて!

嬉しい気持ちと、ここで蝶になってほしいなという気持ちが膨らんできます。

黒い虫はどんどん大きくなって、まさにアオスジアゲハの青虫になりました。

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いなくなる青虫

まもなく蛹かな?

なんて楽しみにしていたのですが、ある日青虫たちは忽然と姿を消してしまいました。

これまでも、黒い幼虫の頃にはたくさんいたのに、大きくなるにつれ徐々に数を減らしていました。

クスノキにはたくさん葉もついているので、飢えて死んでしまったということは考えにくい。

鳥に食べられてしまったのかしら。

悪い想像が浮かびますが、それでも周辺を探してみたところ、三匹ほどいた青虫のうち一匹だけを発見!

何故かクスノキから離れた石の上にいました。

蛹になろうとしてクスノキを降りて行ったのかな?

もしそうだとしても、青虫の緑色は石の上ではあまりにも目立ち、鳥に見つけられる可能性もあります。私は迷いながらも彼(彼女?)をクスノキに戻してあげました。

青虫はその後、無事に蛹となりました。

幾日かが経過し、私が出社する時間には羽化の兆候を示して、帰宅した夜には抜け殻だけになっていました。

ほっとしたのと同時に、羽化を見てみたかったな、と少し残念な気持ちにもなりました。

それから二年

毎年アオスジアゲハはやってきてクスノキに卵を産み付けます。

しかし蛹にまで到達することなく、気づいたら一匹もいなくなってしまいます。

葉っぱにはかじられた跡が確かにあるのに、だれかが住んでいたことなんてなかったかのように、クスノキは何度も季節の変化を迎えます。

そんなある日のことでした。

アジサイの世話をしていたとき、ふとアジサイの葉に青虫の糞がたまっていることに気づいたのです。

アジサイは、クスノキの隣に置いています。今ではクスノキの方が背が高い。

糞があった位置からそっと上を見上げてみると...

あ!

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今年も葉が食べられていたので、幼虫がいるかと大分探していたのですが全く気付かないうちに蛹になっていたようです。

ところで、以前はクスノキから移動していたはずなのに、なぜ今回はクスノキで蛹になったのだろう。

気にかかった私は調べてみることにしました。

すると、ほかのアゲハ蝶は蛹になるときに移動することが多いそうですが、アオスジアゲハは食草(うちの場合はクスノキ)で蛹になることが多いことが判明。

枝などではなく、葉の裏で蛹となり、クスノキにうまく溶け込めるように、ほとんどが緑のままだそうです。

葉の裏で、葉が落ちたりしたら大変!とも思ったのですが、そこも考えているようで、葉と枝を糸で補強するそう。

写真ではわかりにくいのですが、たしかに葉の根元は糸で固定されていました。

また、蛹に入っている筋は、葉の葉脈を模しているそうです。クスノキで羽化することが前提の体のつくりに驚きました。

もしかすると、以前別の場所で見つけた青虫は、他の子が何かに襲われているときに飛ばされたか逃げたのかもしれません。

この子は無事に羽化できるといいな。

アオスジアゲハの羽化

蛹から羽化するまでは約10日。

毎日欠かさず蛹の観察をしていた私は、9月18日16時前、ある変化に気づきます。

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あれ?黒い。翅の青い部分も透けてきている!

蛹を見つけてから10日。期間もちょうど。

これは今夜から明日の早朝に羽化するのではないだろうか。

次の日もお休みで、絶好の観察日和!

私は羽化を見守ることに決めました。

⚠️ここからしばらく蛹の写真ばかりです。気持ち悪い方はスクロールして飛ばしてください。

[17:08] 翅の部分の黒が濃くなってきた。

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[0:22] 先の方まで黒くなってくる

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[4:51] ほぼ真っ黒。
相当眠い...私の予定では5時ごろに羽化の予定だったけれど、全体的に白っぽくなってから羽化と書いてあった。これは...まだまだだな...。

間接とはいえ、照明当ててごめんね...

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[5:48] 白っぽくなってきたのか、朝が来て白っぽく見えるのかちょっとよくわからない...。寝そう。途中で何度かカクンとなった。

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前の写真と比べると白い。内側の身体と、蛹の内側をうまく剥がしている最中なのかな?

[6:57] 小さな「パキッ」という音がする。ん?おお??割れた?

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おおお!動いてる!

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おおおおおおお!
がんばれ!がんばれ!落ちないように気を付けて!!

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よいしょ、よいしょ!

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翅は徐々に伸びていき、たまにパタパタと動かしながら乾かしています。

美しい翅。青も綺麗ですが、少し入った赤もとても綺麗。

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その後、2時間ほど翅を乾かしたこの子は、うちのクスノキから飛び立っていきました。

蛹から羽化できない子もいる中、一生懸命に出てきたこの子に「おめでとう」と、とても素晴らしいことを経験させてくれて「ありがとう」を伝えたいです。

寒い冬を越えて、また蝶の季節がやってきます。

クスノキは葉を広げ、またアオスジアゲハを迎えるのでしょう。

命は、すこしづつ分けあうことで続いている。

また、帰っておいでね、アオスジアゲハ。


今回は蝶々のお話でした。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


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