香りが自慢なの!え?臭い?!ヒドイ!【ヘクソカズラ】
こんにちは、うりぼうです。
とうとうオリンピックも終わりました。
私も色々な競技を見ましたが、選手の皆さんはすごい努力をされてここに立ってるんだな、ということを、選手たちの涙や喜びからすごく感じました。
それだけの努力、私は何かしてこれたかしら...
それはさておき、八月もまもなく中旬。
この間年が明けたと思いきや、気づいたら夏も終わろうとしています。
もうね、光陰矢の如し、です。
そんな暑い夏。今回は可憐に咲く「ヘクソカズラ」をご紹介したいと思います。
どんな野草?
「ヘクソカズラ」は、アカネ科ヘクソカズラ属のつる性の多年草です。
つる性ですので、フェンスや家の柵などに巻き付いている姿見かける方も多いのではないでしょうか。
このつるは年数が経つと、下の方から木質化してきます。
白い1cmくらいの釣り鐘のような形をした花は、中の色が赤いというツートンカラーで、とてもお洒落さんです。
葉っぱは細長く、アサガオというよりはヤマイモに似ている気がします。
まるっこい果実は熟すとオレンジや黄土色になります。写真の果実はまだ熟していないので緑色ですが、丸い形なのがわかりますね^^
コロコロとしてかわいらしい果実ですが、毒成分が含まれていますので食べることはできません。しかし、薬などとして利用されることがあるようです。
毛の多さや花の様子など変異している個体も多いそうで、例えば白い花の一部に赤い斑が入っていたりすることもあるようです。
で、名前の「ヘクソ」ってなに?
ご存知の方も多いと思いますが、「ヘクソカズラ」は漢字で書くと「屁糞葛」と表記されます。
これは、茎をちぎったり葉を揉んだりつぶしたりすると、「屁」や「糞」を連想させるような悪臭を放つことから名付けられた名前なのですが、なんとも言い難い名前...ちょっとかわいそうです。
少しでもかわいくなるように、個人的に「ヘクソカズラ」を見つけた時などは「ちゃん」付けしてみようと思い立ちました。
フルネームは長いので、前半と後半に分けて「ちゃん」付けを試みたのですが、「カズラちゃん」だと、ほかの子たちとの区別がつかないものですから結果「ヘクソちゃん」になってしまって、余計に残念な結果に。
うーん、ごめんよ。
他にも、かわいらしい花なので「早乙女葛(サオトメカズラ)」と呼ばれたり、花の中心部分の赤がお灸(やいと)に似ていることから「灸花(ヤイトバナ)」と呼ばれることもあるそうです。
絶対こっちの方がかわいいと思いますが、インパクトはどうしても「ヘクソカズラ」の方が強いですね。
悪臭のわりにかわいい花を咲かせる様子から諺にもなりました。
「屁糞葛も花盛り」
しかし、あまり良い諺のように思えないのは私だけかな?!
においに挑戦。
私が「ヘクソカズラ」を知ったのは、自己紹介にも書かせてもらった、有川浩さんの『植物図鑑』でした。
この小説の中で「ヘクソカズラ」はなかなか重要な役割を果たしていて、最初から登場し、最後になると「ヘクソカズラ」に泣かされてしまうという、むしろ裏の主人公ではないかくらいに頑張って(?!)います。
小説の中でも、もちろん「ヘクソカズラ」のにおいのことは触れられていますが、実際に見たことのなかった私には、「うわー、そんな臭いんや」と思っただけで、想像の域を超えませんでした。
夏を迎え、とうとう実物の「ヘクソカズラ」と出会った時は、小説の内容がわっと浮かんで、ちょっと感動したものです。
しかし、彼らの香りを私は敢えて試しませんでした。(おや?!)
先に強烈なにおいだとわかっているものに対して、どうしても挑戦する勇気が出なかったのです。かわいいからそれでいいじゃない、と^^;
そんな感じで、においを知ることがないまま月日が流れていったのですが、今回「ヘクソカズラ」を取り上げるにあたり、やはりこれだけはクリアせねばならぬ、と、先日、とうとう重い腰をゆっくりとあげて、葉に手を伸ばしましたよ!
そっと一枚いただき、葉を揉みます!
もみもみ。
恐る恐る花に近づけてみたのですが...
あれ?緑っぽい香りしかしない?!
恐怖の心が宿っていて鼻が遠かったのか、それとも揉み足りなかったのか。どうやら初体験は失敗した模様です。いつかまた再挑戦した暁には、ご報告したいと思います。
みなさんは試されたことがありますか?
おわりに
今回は「ヘクソカズラ」をご紹介しました。
名前のインパクトが強すぎてかわいそうな程ですが、「よく見るとかわいい花なんだよ」ということを、この子たちを知らない方に知っていただけたら嬉しいです。
ご存知の方が多いかもしれない植物でしたが、ご存じの方には何かしら新しい情報が得られたなら幸いです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
【余談】
ちょっと余談になりますが「「ヘクソカズラ」の花ってドレスみたいだな」とずっと思っていました。
白い花びらがひらひらしていて、内側が赤のおしゃれなドレス。
折角なので、気分転換もかねて久々に絵筆をとってみました。
拙いイラストですが、こんなイメージだよ、と伝われば嬉しいです。
イメージなので、果実のある場所おかしい、花は下向きには咲かないよ、本来葉っぱは対生でしょ?などなど、突っ込みはぐっと飲みこんでいただけると助かります^^;