私が生理に苦しめられていた記憶

生理という言葉を見るだけで具合が悪くなるほど、私の生理は重かった。
そりゃあ私より酷い人はたくさんいるとは思うけど、それでも多分きつい寄りだったのだと思う。
そしてそれは間違いではなくて、そんな生理に疑問を持ち婦人科で検査した結果、婦人科系の病気持ちだった。子宮腺筋症というやつらしい。手術が必要な類ではなかったが、それが原因で生理が重くなっていたとのこと。
病気が判明してからは低用量ピルを処方された。幸い私は副作用に悩まされることがなく、生理が格段に楽になった。更に数年後には生理を止める薬に移行した。ついに、あの生理から開放されたのだ。本当に楽。最高。
生理のない平和な生活をして一年が経った今、ふと思った。
今後子供を生む予定もないため、生理をまた経験することはないかもしれない。そうしたら、今までの苦痛を忘れてしまうのではないか、と。
なんだか途端に不安になった。巷でよく聞く生理に理解のない同性のおばさんになってしまうのではないかと。
だからこそ、正直あまり思い出したくもないけど、私の生理体験をメモしておこうと思う。
未来の私へ、忘れてるかもしれないけど、私はとんでもなく生理に苦しめられていました。


私の生理の歴史

生理が始まったのは確か小学生高学年の頃。もちろん慣れていないから痛くはあったが、正直この頃は痛みも血もそんなに酷くなかったと記憶している。それが変わったのは高校生。なんだかだんだん酷くなってきた。痛くて保健室に行ったりしていたけど、行ってもベッドに横になるだけだし、横になったらなったで血が気になる。おまけに保健室の先生は女性だけど煩わしそうにしていて居づらかった記憶がある。

ここから専門学校に進学し、更に痛みがひどくなっていく。専門学校なので皆勤賞の概念があるのだが、一度だけ痛み止めを忘れ、友人から貰い受けるも遅く、痛くて耐えられず早退したことがある。これで皆勤賞を逃したのでとても記憶に残っている。生理め。

専門学校卒業して社会人になる頃、流石におかしいだろうということで、社会人になる前に一度確認しようと意を決して婦人科に行くことにした。同じ女性ならきっとわかると思うが、若い頃に婦人科に行くのは本当に勇気がいる。婦人科の検査は膣内に器具を入れる場合がある。入れない方法もあると思うが、これがあり得るというだけで凄くハードルが上がる。特に性交渉経験していないと、下世話な話ではあるが、その器具が最初に突っ込まれるものだと思うととてもハードルが高いと思う。最初を大切にしたいとかそういう話ではなく、純粋に未知の経験への恐怖。痛みを想像して怖いというのもある。そもそも婦人科という場所自体が少し行きづらい感覚もある。とにかく、当時の私はとても頑張ったと思う。行こうと決心して偉い。

ただ、その努力も虚しくこの時点では病気は見つからなかった。この生理の重さは体質だという診断だった。今思えば低用量ピルとか処方してくれなかったのかな?と思うが、このときは特に何もなかった。お腹温めたりしてねみたいなこと言われた記憶があるが、そんなのすでにやっている。
なので、体質なのだということで諦め、そのまま社会人に。依然として痛みはひどく、本当に駄目なときは休まざるを得なかった。

そんな生活を続け、確か2年後くらい。改めて婦人科に行ってみようと思い立った。なんでだったかは覚えていないが、これのおかげで病気を見つけられたので本当にこのときの私は偉い。前回と違う婦人科にしたのも偉いポイント。いや、2年前には発症してなかっただけかもしれないが。

また股に器具を突っ込まれて検査した結果、子宮腺筋症と判明。このときはなんだか現実味がなかった記憶があるし、病気だからこんなに苦しかったんだとホッとした記憶もある。当時は結婚前提の彼氏がいて、妊娠出産への不安とかもあった(後に別れたので子供を生む予定は消えた)。今まで病気というのがなかったので、自分が病気だというのが不思議な感じだった。それでもやっぱり、病気で、かつ薬で対応できるのだとわかったのは嬉しかった。まあ、この病気私の場合は薬飲みながら閉経まで逃げ切れ!がんば!って感じみたいなので、ホッとしていいんだかなんだかではあるが。

ここから低用量ピルを試すことになった。低用量ピルは飲んですぐは副作用が起こる場合があるようだが、最初に書いたとおり私は幸い何もなかった。ただ単純に生理が軽くなった。これがもう本当に凄かった。仮にこれが普通なのだとしたらそれは同性間でも理解できないことがあるよなという感じ。空腹による腹の痛みと下痢の時の腹の痛みくらいの差がある。この差の詳細については後述。

それを続けて数年後、低用量ピルでも数ヶ月単位で止めていたため、ついに生理を止める薬に移行した。これも副作用あり得るみたいだが、同じく幸いして私は全く副作用なし。ただただ生理のない生活を送っている。これがもう本当に最高で、なんであんな生理に苦しめられていたんだろうという感じ。
生理が365日ないことを想像できる?本当に天国。旅行に生理がかぶる不安もないし、いつでも白いスカートを履ける。土日に生理が被ってなんだか休みが無駄になったような気分になることもないし、平日に生理が来て学校仕事を痛みに耐えながら乗り切る必要もない。これが男性のデフォルトだと思うと、性差についてメリットデメリットは色々あるとは思うけど、こればっかりはずるいなあと思ってしまう。

私の生理の詳細

私の重くなった頃の生理についても書いておきたい。最初の通院時にもこれなのに診断されなかったので、これが病気によるものなのかはわからないが、誰かが同じだと思ってくれたら一度は通院を検討してみてほしい。
私は自分が普通でデフォルトの生理を経験しているとずっと思っていた。みんな苦しいんだと自分を慰めていた。でも結局それは違った。自分が苦しいならそれは苦しいのだから、勇気を出して通院してみてほしい。病気じゃなくても薬で対応できるはず。ときには私みたいにいくつかの病院に行ってみるのもありだと思う。

生理の日はいつも痛みとの闘いだった

私の生理はいつも夜明けに始まった。生理前の軽い痛みでなんとなく来そうだなあと思ってナプキンをつけて寝るから、おもらしして大変ってことはあまりないけど、代わりに痛みが本当にきつかった。毎回、痛みで目が覚める。痛みで目が覚めるのって本当に気分が最悪なのをしっかり覚えてる。
時間は大体4,5時位。そう思うと生理の始まりの時間が同じくらいって人体ってすごいね。それで痛くて目が覚めたら急いで痛み止めを飲む。軽い痛み止めじゃ効かないから、私はリングルアイビーα200を愛用していた。イブプロフェン多めだし、なんか見た目可愛いから好きだった。終盤には当時新しく発売された生理専用のエルペインコーワ使ってた。これほんとによかった。

話が逸れた。それで、痛み止めを飲んでベッドに戻って悶絶する。ずっと悶絶する。なんでこんな苦行を受けてるんだろうといつも思ってた。そして、なんだか気づいたら目覚ましで目を覚ます。今でもこれが痛みによって気絶してるんだか、落ち着いてきて眠れてるのかがわからない。どちらにしても目覚めは本当に最悪で、朝からフラフラ。痛みは引いているけど激痛による倦怠感で具合悪い。この状態で通学通勤。本当にきつかった。よく頑張ってたと思う。
ただたまに通学通勤できなかったこともある。その時は痛みが7,8時の家を出る頃に来る。こればっかりはもう学校会社どころではない。悶絶して気絶なのか睡眠なのか判別できないレベルの痛みを感じているのだからどうしようもない。幸い親は心配してくれていたし、会社もブラックではなかったので休んでも許された。最悪午前休でなんとかなるが、夜明けに痛むときと違って寝直せないので午後から動くのはだいぶ辛かった。
本当にごくまれに、記憶にある限り1,2度だけ通学通勤中に発生した時は本当に死ぬかと思った。水で飲む前提の薬をそのまま飲みこんで祈ってた。あまり記憶に残ってないが、まあ何とか学校会社に到着できていたんだと思う。

ちなみにこれは些細なことだけど、私はなんでか空腹になると生理痛が増すタイプだった。なので隙あらば何かを口にしてないといけなくて、その分太ったのもしんどかった。
友人には逆に満腹だと痛みが増す人もいたので人体マジで不思議。完全に蛇足でごめん。

痛み以外もつらかった

生理の辛さはほぼ痛み全振りだったが、当然の権利のように血の量もまあまあだった。
多い日用で一時間なので、学生時代は休憩時間は必ずトイレに行っていた。ただ、幸いして血も痛みも最初の3日が強くてあとは惰性程度だった。痛みは初日が酷くて、血の量は2日目がピーク。なので耐えれていた部分も多い。親が使ってなかったから使わなかったが、今思えばおむつタイプも使えばよかったと思う。タンポンは個人的に突っ込むのが疲れるのでよほどじゃないと使わなかった。

痛みに隠れていたしそれが生理症状だと自覚していなかったが、その他にも色々あった。これらは薬で軽減したからこそ生理のせいだったんだなと気づいた。

まず貧血。
といってもこれは診断を受けていないので貧血のような何か。寒くて仕方なかったり熱っぽいのに熱はなかったりめまいがしたり。
これをなぜ貧血だと思ってるかというと、鉄分サプリを飲んだらだいぶ改善したから。グミサプリの鉄分葉酸のやつには本当に救われた。普通に美味しくて一日の個数上限超えて食べたくなるくらいだから、サプリ飲み忘れがちな人でグミ好きな人はグミサプリおすすめ。

次に眠気。
もう昼間眠くてしゃあなくて、仕事の日は昼休みずっと寝てた。
もともと寝るのが好きだったのもあって体質だと思っていたが、薬飲んでから全然ないので、まず間違いなく生理からくるものだったと思われる。今考えたら意識飛びそうな程の眠気は普通じゃない。生理に付随する眠気って寝不足とかの眠気じゃなくてまじで意識が飛ぶやつ。
男性に説明するとしたら、鼻炎薬飲んだときの眠気。まじで抗えない。

最後に精神不安定。
思春期が関係しているところもあると思うけど、意味もなく泣き出したり、普通に考えたら怒らないようなことで自分でもびっくりするほど怒ったり、とてつもなく死にたくなったりすることが定期的にあった。
単純に精神不安定なだけだと思っていたけど、これが低用量ピル飲んでから全然なくなった。まじで薬飲んでからは真っ暗い部屋で何もできずにダバダバ涙流す無駄タイムが一度も発生していない。
これはすぐに気づけるもんではなかったから一年後くらいにそういえば…?となったけど、はっきりと薬飲んでからなくなったと断言できるくらいピタッと消えた。

今書き起こしてて思ってるけど、生理に関連するデバフが多すぎる。なんだこれ。女という性なだけでどれだけいじめられてんだ。 
ってことで唯一嬉しかったことも書いておく。それはお腹もゆるくなったこと。
もともとがひど目の便秘がちだったので、生理中はお通じ良くなって嬉しかった。普通であればデバフなんだけども、腹痛を伴うお通じでも嬉しいと思える程度には便秘がちだったので…。

逆に言えばそれくらいかな…嬉しかったこと…。

薬を飲んでからの生理

低用量ピルを飲んでからここから生理がどう変わったかも書いておきたい。

まず痛み。
痛みで目覚めるということはなくなったし、全然痛くなくなった。といってもある程度はやっぱり痛いし、前述の痛みになるのではないのかという恐怖から、ちょっと痛くなったらすぐ痛み止め飲んでた。それでも今までは3日は痛み止め飲んでたのが初日か2日目どっちか一度だけ程度になった。

次に月経量。
これは目に見えてわかるので差がすごかった。痛みと同じく最初3日は血の量が多くて多い日用じゃないと駄目だったのが、初日と2日目は念の為普通の日用(しかもなんなら一枚で一日行けそうレベル)で、ほかは軽い日用(こっちも一日一枚で行けそうレベル)で済んだ。夜だって初日とかでも夜用じゃなくて昼の普通の日用で事足りそうなレベル(けど不安だから軽めの夜用つけてた)。まじで少ない。
今までは軽い日用ってなんだろう?生理来る前の不安なときにつけとくとか?みたいに存在意義がわかってないレベルで使えなかった軽い日用。少ない人からしたら本当に生理中に使えるらしい。ここで、軽い人には重い生理絶対に理解できないなと思った。痛みも顕著だったけど、ナプキンという見た目でわかるもので改めて確認すると痛感した。

そしてその他不調。
体調面精神面含め、何一つ発生しなくなりました。低用量ピル、本当に凄い。

生理がなくなって思っていること

この生理がデフォルトの人が存在するのだとしたら、同性内でも絶対にわかり合えない。この一言に限る。
し、生理に普通はないんじゃないかな。
だからこそ、自分が辛いならそれは辛い生理だから痛み止めを飲んでもいいし、病院に助けを求めてもいいと思う。
私は我慢し続けたけど、我慢する必要はなかったと今なら断言できる。学生の時点でも病院に行くべきだった。

私の親戚に婦人科系の病気持ってて大変だった人がいる。
その人を知っていて自分も重めだった母は、私(娘)の生理も普通だと思ってた。
もちろん心配してくれるし背中さすってくれたり本当に優しくしてくれたからここを批判してほしくないけど、でも本当にひどい人が身近にいて自分も重めだったからこそ、どうしてもそう思いがちになってしまうところはあったんだと思う。こればっかりは仕方ない。
だからこそ、自分の判断を大切にしてほしい。自分が辛いなら辛いんだよ。どんなに自分を理解してくれてる人でも、自分の痛みは真にわかってもらえない。

ちなみにこの親戚が痛み止め使いすぎて効き目が悪くなってしまったらしく(それだけやばい痛みだったみたい)、それを母から聞いて私は痛み止めできるだけ使わないようにしてた。でも用法用量を守った程度なら痛み止め全然使っていいはずだし、そういった判断を仰ぐためにも病院に行くのがベストだと思う。間違った判断をしないためにも、酷いときは病院検討してみてね。病院に行くのはすごく勇気が必要だと思うけど、自分を守るためにも。

逆に私の体験を読んでこんなに酷い人もいるんだなって思ってくれた生理軽めの人がいたら、人それぞれなんだなという認識を持ってくれたら嬉しい。自分を基準にするのは本当に良くない。これは重い人にも軽い人にも言える。互いに気を使って優しくしていこうね。

ってことで私の生理についてでした。未来の私、生理のない天国に慣れきってこの地獄を忘れないでくれよな。くれぐれも、他者に優しくあれ。

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