腹を割って話すナイト〜作る人と売る人の、「伝えたいこと」の届け方〜
今月もお届けいたします、月刊マガジン『Wednesday Style』。
このマガジンでは、『水曜どうでしょう』ディレクターの藤村・嬉野両氏と毎月お迎えする「無」責任編集長との対談イベント『腹を割って話すナイト』をもとにした記事をお届けしています。
10月号の「無」責任編集長は、2度目の登場となるシャープさんです。
今回のトークテーマは〝作る人と売る人の、「伝えたいこと」の届け方〟。
藤村Dとの対談では、「そもそも広告とは何なのか?」という本質的な問いにはじまり、商品の質に差がなくなった時代に人は何を基準に物を選ぶのかという話へ。最終的には、『水曜どうでしょう』の革命的なスタンスによって、広告は居場所を失うのではないかという熱いトークが繰り広げられました。
嬉野Dとの対談では、両D陣が野生の商売センスを持っているという話から、広告が機能しなくなった時代の中でいかに自分が伝えたいことを届けるかという話題に発展。広告に限らず、人に何かを届けること考える上でハッとさせられるような言葉や視点がいくつも飛び出しました。
この『巻頭言』では、今月もイベントの冒頭部分を全文無料公開いたします!
ご興味を持たれた方は、この記事の下のリンクから両D陣の記事へ飛んでみてください。
それでは早速、イベントの模様をお楽しみ下さい!
大阪のお客さんに救われたミスターの話
T木:
今から3人のサラリーマンが登場しますが、写真撮影が可能なのは、そのうち『水曜どうでしょう』ディレクターのお二人のみです。もうひと方のシャープさんは、顔を出さずに活動されているので、写真はお控えください。
それでは準備が大丈夫そうでしたら、はじめてまいります!
藤村:
あー、はいはい。
(舞台袖から藤村Dが登場)
T木:
いやいや、呼び込む前に出てきてもらっては意味がありませんから! 毎回のことですけども。
藤村:
ごめん、ちょっと喋っちゃって。一回、戻るかい?
T木:
そうしてください(笑)。それでは、改めてご登場いただきましょう。藤村さんは3度目の登場です。
『水曜どうでしょう』ディレクターの藤村忠寿さんと、嬉野雅道さん、そして今回の「無」責任編集長を勤めてくださるシャープさんです!
会場:(拍手)
嬉野:
あなたもう3回も登場したの?
藤村:
いや、控え室にトイレがなくて、舞台の反対側だからさ。ステージを横切らなきゃいけないのよ。
嬉野:
じゃあ、あなたがシャープさんと話している間に、僕がトイレに行きたくなったら、トーク中に横切らなきゃいけないわけですね。
会場:(笑)
T木:
それはしょうがないですね(笑)。
T木:
えーと、我々は、『Wednesday Style』というnoteのマガジンをやっておりまして。そのトークイベントが、『腹を割って話すナイト』ということになります。
嬉野:
大阪では2回目ですかね。
T木:
そうですね。前回もシャープさんのときに、阿倍野でやらせていただきました。
嬉野:
先生は、大阪で舞台終わったばかりでね。オーパーツ。
藤村:
そうなんです。終わりましてね。
会場:(拍手)
藤村:
大阪の方のおかげでね、ミスターは立ち直りましたよ。
嬉野:
え、どういうことですか?
藤村:
いやぁ、もう芝居は完全にやめる気でしたからね。
嬉野:
どうして?
藤村:
疲れちゃったんでしょう。僕の前では随分と弱音を吐いてましたよ。
ナックスさんなんていうのは、すぐにチケットが完売しちゃうわけじゃないですか。オーパーツもチケットは、そこそこ売れてるけど、東京では後の方の席が空いているような日もありましたから。
嬉野:
オーパーツなんか売れてるじゃないですか。
藤村:
そうですけど、余ってたりもしてね。「もう潮時かなぁ」なんて言っちゃってさ。僕は「絶対にやっていった方がいいよ」って言ってたんだけどね。
そしたら、大阪の初日ですよ。終演後のスタンティングオベーションが、まぁすごくて。それはもう、我々も感動するくらいの光景で。ウワーって、お客さんが立ち上がっててさ。
藤村:
あれは多分ね、お芝居に対してというよりね、ミスターに対する拍手だなって感じがして。それを見て、ミスターも泣きましたよ。客席に感動して。だいたい、あの人は1回くらいは泣くんだけども。僕もグッときましたもんね。他人事かと思ってたけど。
で、彼は言ってましたよ。「いやぁ、これだけ人が来てくれて、まだ求められているなら、やります」って。
嬉野:
いつかまた『どうでしょう』の新作をやったらね、ミスターのグチのシーンとか撮りたいですね。「もう、なんか潮時かな」なんて言って。
会場:(笑)
藤村:
そういう舞台が、なんとか終わりましたから、今日はもうすっからかんです、頭の中。
会場:(笑)
藤村:
このイベントに対する意気込みは、ひとつもないです。
T木:
ちょっと、待ってくださいよ!
嬉野:
あなたは、いつもこのイベントに対して意気込みがあるかというと、わかりませんけどもね(笑)。別にね、今日に限ったことではないわけでしょ。
藤村:
こういうときこそ、いろんなモノが出るってこともありますから。
嬉野:
そうですね。
『水曜どうでしょう祭』に対して、誰よりも意気込んでいる大泉さん
T木:
どうでしょう祭までも、あと10日を切りました。
藤村:
そうです、そうです。
嬉野:
もう、来週末ですか?
藤村:
そうですよ。どうでしょう祭の前でいうと、我々、イベントというのは今日が最後ですから。
T木:
これから札幌に戻られて。
藤村:
ようやく準備ですから、これからね。1週間前にね。
会場:(笑)
T木:
何の詳細も出ませんね、どうでしょう祭。
藤村:
当たり前じゃないですか。
会場:(笑)
嬉野:
札幌は今、最高気温が18度ですよ。大阪なんて30度くらいあるでしょ。ウェザーニュースでは、そうなってたよ。僕は、月に300円払ってますから。
藤村:
あなたずいぶんと言ってましたもんね。みんなで天気予報を見てて、「明日は晴れだねー」なんて言っているときに、「俺はウェザーニュースに300円払ってるんだから、こっちの情報の方が正しいんだ!」とかって(笑)。
そりゃあ300円払っている方が正しいわってみんな思うけど、なんで天気予報に金払ってるんだろうって。
嬉野:
俺だってわかんないよ。
会場:(笑)
シャープさん:
退会の仕方がわからないんじゃないですか。
嬉野:
あー、それもあるねー。
T木:
シャープさんやっと喋られましたけど、「退会の仕方がわからない」という(笑)。
シャープさん:
僕は今日、このまま終わってもいいですけどね。
会場:(笑)
T木:
このイベントでは、D陣が一人ずつに分かれてゲストとトークをしていただいております。2部制という形で。
嬉野:
我々は1時間ずつだけど、シャープさんは2時間だからね。
シャープさん:
だから、今から地獄のはじまりです。
藤村:
ゲストが辛いっていう企画だからね。
T木:
そうなんです。
シャープさん:
早く帰りたい。
藤村:
やめなさいって。
T木:
意気込みのない人しか登壇してない(笑)。
T木:
今回は、シャープさんから面白そうなテーマをいただいております。〝作る人と売る人の、「伝えたいこと」の届け方〟というテーマになっておりまして。
嬉野:
作るっていうこととね、売るっていうこととね。我々は、作ると売るを一緒にやってるじゃないですか。そういうことを聞きたいということでね。
藤村:
なるほど。
シャープさん:
本当はでも、祭のことと新作のことで頭がいっぱいです。
藤村:
いや、俺らは別に、もう祭のことと新作のことは全然。頭空っぽだから。
シャープさん:
じゃあ僕、喋りますけど、対談の途中で祭の話が聞きたかったらお客さんに手挙げてもらって、10人になったら、僕が退出するっていうことにしましょう。
会場:(笑)
嬉野:
祭のこともね、そんなにないよ。
藤村:
一応タイムテーブルを作ってくれてるんだけど、「これ、変わるなぁ」と思いながら、「まぁ、了解」って言ってる。もう見るのが面倒くさいんで。何時から何やるかとか。
嬉野:
それは、ほら、スタッフが安心するためにさ。
藤村:
安心するためにあるんだから、僕が見る必要はないんです。だから、当日、ばーっと変わります。「これ、後でいいんじゃないか」とか言って。
T木:
もう10日前なんですけどね(笑)。
藤村:
いや、当日でいいのよ、ああいうのは。
嬉野:
当日になって「これ、用意して」とか言って、「いや、用意してないよ」ってなっても、「いや、小松さん、大丈夫だよね」ってなるからね。まだまだタイムテーブルも、どんどん入れ替えていく。
でも大泉さんは、ずいぶんね。
藤村:
彼、やる気満々。
嬉野:
アイデアをばんばん投げて、スタッフがひれ伏すぐらいのね。
T木:
大泉さん、お忙しいはずですけどね。
藤村:
いやいやいや、意気込みは、もう。視聴者より上かもしれない。
会場:(笑)
藤村:
『水曜どうでしょう』に対する意気込みが、すごいの。俺らが引いちゃうくらい。「いや、いいんじゃないかな。ミスター、ねえ」なんて言うぐらい。でも、彼は「いや、やりましょうよ!」って。
会場:(笑)
嬉野:
さあ、もうやろうか。
T木:
はい、そうですね。ここから1部・2部になりますから、いったん嬉野さんには退場していただきます。お手洗い、大丈夫ですか?
嬉野:
今は大丈夫だけどね。
藤村:
先生、途中で来るのは、ちょっとあれだよ。
T木:
ちょっと話の腰が折れますよ。まあ、大丈夫でしょう。
嬉野:
それじゃあ。
会場:(拍手)
T木:
では、まず第1部の藤村さんパートからはじめさせていただきます!
(巻頭言終わり)
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